「仕事ごっこ」に終止符を!今日から着手できる業務改善

人手不足が叫ばれる昨今、どの企業でも業務効率化に関する必要性は高まっているはず。なのに、それができない……仕事を遅らせているその原因、実は「仕事ごっこ」ではありませんか?人気業務改善士の沢渡あまねさんの本「仕事ごっこ」を紹介します。

ライター

鈴木せいら
札幌市出身。横浜国立大学大学院工学修士修了。2007年夏より、函館へ移住。制作会社でライティング・編集業務を行い、実用書・フリーペーパー等のコンテンツ制作を担当、2011年よりフリーランスに。現在、「HELP YOU」プロフェッショナルライター。理系の知識を活かしたサイエンスやアカデミー系の文章から暮らしにまつわるエッセイ、インタビューなど幅広く手がける。

「ビジネスの進捗をはばむもの」それが仕事ごっこ

この9月に内閣改造が発表になり、少し前に結婚を発表したばかりの小泉進次郎氏の初入閣に注目が集まりました。同時にTwitterを騒がせたのは、新しい科学技術・IT担当大臣に「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」(はんこ議連)の会長が就任したこと。私がフォローしているIT業界・スタートアップ界隈の方々は、相当ざわついていました。

「ITに精通していると言いがたいIT担当大臣……」

「文化としてのハンコは否定しないけれど、それをビジネスの一工程としてはさむのはいかがなものだろう?」

というのが、大方の意見だったようです。

 

「なんで書類にハンコを押してわざわざ郵送しないといけないんだろう……時間もリソースも、もったいないなあ」

私も常々、そう思ってきたひとりです。何か書類中に間違いでもあろうものなら、また新たに作成してハンコを押した上で送り直さなくてはいけない。先方もさぞかしうんざりしていることでしょう。それは私も同じです!と、幾度も心の中で叫んできました。

 

そんな風に「仕事は生きものだから、生まれた当初は意味があったけれど、時代の変化とともに足をひっぱる存在になってしまったもの」を業務改善士である沢渡あまねさんがバッサバッサと斬っているのがこの一冊、「仕事ごっこ」。

ビジネス本特有の堅苦しさ、難しさはまったくなく、おとぎ話仕立ての事例と解説で展開しています。業務コンサルタントをしていらっしゃる経営者の方が「お客様にすすめている本」とSNSで紹介していたことで知りました。

 

押印の他に、本の中で負の遺産的事例に挙げられているモノ・コトは、紙への印刷・郵送、時間をかけ過ぎた内部資料・会議、手書き、重要さが感じられないビジネスマナーなど……

「よくぞ言ってくださった!」と拍手を送りたい気持ちになります。

でも、実際は……

けれど、ビジネスの進捗を妨げているものの、なくなる気配がない「仕事ごっこ」たちは、「これ、止めましょうよ!」と提案しにくいことばかりというのも事実。

 

もしもフリーランスの私が、クライアントに対して「非効率ですよ、ハンコなんて」と言い放ったとしたら……想像しただけで背筋が凍ります。その会社にはその会社なりのルールがあり動いているわけで、それを外の人間(あるいは、ルールの決定権から遠い存在)が意見するなんて。絶対に無理な話です。ただの非常識で失礼な奴と思われてしまうだけ。

 

会社のあり方をより良いものに。それは、やはり中枢にいる方たちが思ってはじめて実現できることなので、業務効率化に関しては決裁権のある方たちに問題意識を持ってもらうしかありません。

「仕事ごっこは止めましょうって、どれもこれも激しく賛成なんだけどな」

本を読み終えて、ため息まじりに思うのでした。

ひとつの手段として

ひとつの手段として。決裁権のある方に「これ、今話題の本なんですよ!」「面白くてすごくためになりました。身近なところに、業務効率を進められることってあるものですよね」と、さりげなくこの本を渡してみるというのはどうでしょう。それで「うーん、確かにねえ」と思ってもらえたら、しめたもの。あなたの職場でも、「仕事ごっこ」バスターが成功しますように……。

『仕事ごっこ』沢渡あまね

  • 単行本(ソフトカバー): 128ページ
  • 出版社: 技術評論社 (2019/7/6)
  • 発売日: 2019/7/6