キャリアゴールは自分で選ぶ時代へ 〜パラレルワーク(複業)のすすめ〜

複数の仕事を平行に持つことやボランティア活動などを行うことを意味する「パラレルキャリア」。パラレルキャリアとは、会社勤めなどの本業をしっかりと持ちながら、社会活動を行なう新しい生き方であり、新しい働き方として高い注目を集めています。この記事では、パラレルキャリアの意味やメリットデメリットなどについて解説した上で、クラウドソーシングを活用したパラレルキャリアを実現するために必要なスキルや便利なツールなどについて紹介していきます。

ライター

くらしと仕事 編集部
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なぜ今、パラレルキャリアが注目されるのか?

最近ニュースで取り上げられることが多くなってきたパラレルキャリアという働き方。パラレルキャリアに関心があり実践していきたい人のために、まずはパラレルキャリアとはどういう働き方なのか、同じように複数の仕事をする「副業」とは何が違うのかについて見ていきましょう。

パラレルキャリアと副業の違い

パラレルキャリアとは、本業と同時に並行(パラレル)した仕事をしながら複数のキャリアを歩むことです。収入を得るために行う本業を持つ一方で、プライベートな側面を持つ個人活動を同時に行う形の働き方を指します。例えば、業務委託を受けながら企業で働く場合や、クラウドソーシングを利用して在宅で仕事をする、ボランティアなどの社会活動をするなど、様々なパターンがあります。簡単に言うと二種類以上の仕事を持つことを意味しますが、副業とは大きな違いがあります。

副業は、本業と同じく収入を得ることを目的として行う働き方で、本業では不足する収入を補うためのものです。本業と同じ分野の業務を行うこともあれば、本業とは全く違う分野の業務を行うこともあります。いずれにせよ、副業は本業とは別に収入を得ている仕事のことを指し、収入に繋がるということが条件とされています。それに対してパラレルキャリアの主な目的は、自己成長です。つまり、収入を得ることがメインではなく、自分のスキルアップのためや夢の実現を目指してキャリアを築いていくという働き方です。

パラレルとは「並行」という意味がありますので、パラレルキャリアとは複数のキャリアを歩むことを意味し、「副業」に対して、「複業」と解釈されることがあります。パラレルキャリアでは、スキルのさらなる習得や人脈の構築など、本業に生かせる分野でキャリアを積み重ねていくケースもあれば、本業とは違う分野でスキルや人脈を得て複数のキャリアを積む働き方を通して、自己成長を実現するケースもあります。

パラレルキャリアのメリット・デメリット

本業のみに携わっている場合と比べて自己成長が得られるのがパラレルキャリアの大きなメリットですが、当然デメリットもあります。

パラレルキャリアのメリット

-多様な視点や柔軟な発想を持てるようになる
複数のキャリアを並行して構築していくため、多様な物事の見方や柔軟な考え方ができるようになるというメリットがあります。本業だけを行っていると、本業に関するスキルの習得や人脈の獲得は可能ですが、「その業界の知識しか身につかない」「人脈の幅が限定される」「他の業界との接触がなく視点が狭い」といった課題が生まれがちです。日々の業務が固定化され、変化が少ないため、物事に対して「こうなったらこう」という決まった考え方しかできなくなる可能性があります。しかし、複数の業界で活動するパラレルワークを実践すると、業界の常識だと思っていたことが他の業界から見れば新鮮な考え方であるという発見を得られます。会社や業界にはない個性的な考え方を持つ人や、想像もつかない波乱万丈な体験をしてきた人の話に触れることで、固定観念に縛られることのリスクを実感し、柔軟な発想をする癖がつくようになります。

-幅広い人脈を広げていけるようになる
パラレルキャリアによってさまざまな世界で活動するようになることで、人脈を広げていけるというメリットもあります。またパラレルワークを行うと、さまざまな立場や年齢・業界の人々と関わるようになるため、カルチャーショックを受けるような刺激や感動するような体験を得られる機会が増えます。「こうした世界や考え方もあるのだ」という大きな気づきを得て、トラブルが起きても前向きに、そして積極的に行動できるようになる可能性が高まるでしょう。

-自己管理能力が高まる
さらに、パラレルキャリアには、自己管理能力が高まるというメリットもあります。複数のキャリアを構築していくパラレルキャリアを実践するには、効率的に日々の業務をこなしていくことが求められます。本業だけを行っている時とは明らかに活動量が増えるものの、一日の時間は24時間しかありませんから、必然的に時間管理をきちんとしていかなければ業務がこなせないからです。
毎日同じ業務の繰り返しで変化がない本業だけの日々とは違い、さまざまな状況に対応するための自己管理と時間管理が求められるので、必然的にセルフマネジメントやタイムマネジメントの能力が培われ、結果的に自己管理や自己成長を促すことができるでしょう。

パラレルキャリアのデメリット

-本業に支障が出る可能性がある
パラレルキャリアによって考えられるデメリットとして最も大きいのは、本業に支障が出る可能性があるということです。本業以外の業界とのつながりが広がりやすいパラレルキャリアでは、やるべきことが自然と増えます。本業に専念しているケースと比べてどうしても本業に割ける時間や労力を削ることになるため、集中力が分散して本業に支障が出る可能性があります。自分だけに影響するのならともかく、同じ部署や取引先などに迷惑をかけるといった事態が何度も起きるようだと問題です。

パラレルキャリアを目指すには、本業とそれ以外の活動のバランスが取れることが前提です。それだけの対応力や判断力がないうちからパラレルキャリアを目指すと、本業もそれ以外の活動も中途半端になってしまうので注意が必要です。

-プライベートの時間が制限される
パラレルキャリアによって、自分の時間が確保しにくくなるというデメリットもあります。本業とそれ以外の活動を並行して行うわけですから、本業だけをしているよりも当然毎日の生活が忙しくなります。本業とそれ以外の活動それぞれでキャリアを構築していくために時間を費やすことになるので、プライベートな時間が少なくなりがちです。家族や恋人、友人などと過ごす時間が以前より少なくなることが、衝突やすれ違いの原因になる可能性もあるかもしれません。パラレルキャリアという働き方自体がまだ一般に浸透していないこともあり、「なぜいろいろな活動をしなければいけないのか」などと周りからの理解を得られないことも少なくありません理解されない可能性があるということを念頭に置いて、真摯に対応することが大切です。

パラレルワークでキャリアを積むために必要なことは?

自己成長を加速させ、複数のキャリアを掛け合わせた高いスキルを持つ人材として活躍することを目指すパラレルキャリアは、企業に雇用されて働いている会社員やパートタイマー、業務委託という形で企業から業務を受けて働くフリーランスなど、基本的にどんな立場の人でも実践することができます

新しい働き方として注目されているパラレルキャリアをこれから始めたい、そう考えている人は増えてきています。ここからは、パラレルワークでキャリアを積むために必要なことや、パラレルキャリアをスタートさせるためにまずは何をすべきかについて解説していきます。

パラレルキャリアのゴールを明確にする

「本業がつまらないから」といったネガティブな考えや、「何となく他のことをしてみたくなったから」といった目的が漠然とした考えでパラレルキャリアをスタートしたとしても、目指すべきゴールが曖昧なため、継続が難しく、継続できたとしても活用できるキャリアが構築できない可能性が高いです。パラレルキャリアで本業とは違う第二のキャリアを築く意味は、多角的な視点を持ったり本業とは違う人脈を得ることで、本業とそれ以外の活動とのそれぞれで培ったキャリアを掛け合わせ、自分にしかない強みを持つことです。あなただけのオリジナリティを感じさせる強みを持つことが、変化の激しい現代において求められ続ける貴重な人材という立場を確立することができます。
そのため、本業だけでもそれ以外の活動だけでも得られない、パラレルキャリアで新しいキャリアを獲得するための道を見つけ、進むためには、

・いつまでに
・どんな結果を出すか

というゴールを自分なりに設定し、そのゴールにたどりつくには何をしたらいいかを考えて、日々の行動に落とし込んでいくことが大切です。ゴールを設定することは、今の行動ではゴールが達成できないことを再認識し、行動の改善を図るためにとても有益なので、ぜひ自分なりのパラレルキャリアのゴールを設定していきましょう。

徹底したセルフマネジメントを行う

本業に加えて、それ以外の活動を並行して進めていくパラレルワークは、本業だけを行う場合では経験できないことに触れたり、知識が多角的に増えたりします。つまり、常に複数のタスクを抱えて過ごすことになりますから、本業だけを行う場合に比べて多忙になりがちで、高いセルフマネジメント、自己管理能力が求められます

セルフマネジメントは、時間に関すること、労力に関すること、周囲との関係に関することなど求められる視点はさまざまです。興味があるからといっていろんなことを抱えすぎると、家族や自分の時間を犠牲にしなければならなくなってプライベートな面で軋轢が生まれたり、生活リズムが崩れて体調不良になり周囲に迷惑をかけるなど、自分だけの問題ではなくなってしまいます。セルフマネジメントのなさから本業もそれ以外の活動もどちらも中途半端になってしまうと、パラレルワークを行う意味がなくなってしまいますから、時間や労力、体調管理などに対しては徹底したセルフマネジメントを行うことが重要です。

クラウドソーシングは複業への第一歩

インターネットやモバイル機器の普及によって、オフィスに通勤して仕事を行うという従来の働き方だけでなく、時間も場所も拘束されない働き方ができるようになってきました。多様化する働き方の中で、現在多くの人が利用しているのが、インターネットを利用して働くクラウドソーシングです。

クラウドソーシングには「〇時に通勤して〇時まで働く」という概念がないため、都合のいい時間に働くことができます。究極を言えば、納期に間に合うのであればいつどこで仕事をしても構わないわけです。また、インターネットを利用して仕事をするため、取引先の所在地を限定しません。地方在住でも海外在住でも関係なく、東京の企業と取引するといった働き方ができるのです。こうした特徴があるクラウドソーシングは、パラレルキャリアを目指したい人にはとても便利な働き方です。例えば、平日は本業としてオフィスに通勤し、週末はクラウドソーシングを介して受注した他の仕事をインターネット上で行うといった形ができます。自分の知識や経験を生かしてさまざまな取引先と仕事ができるクラウドソーシングは、パラレルキャリアを目指す一歩を踏み出すにはおすすめの方法と言えるでしょう。

パラレルワークを実践するクラウドソーシングサービス

クラウドソーシングの中でも、自己実現を叶えるためにパラレルワークの実践を試みる人と企業のマッチングやパラレルワーカーへの依頼案件をサポートするクラウドソーシングプラットフォームに登録することで、パラレルワークのキャリアをスタートさせることができます。

ビザスク


個人が持つ知識や経験・知見を活かすための日本最大級のスポットコンサルティングを提供するプラットフォームです。提供するのは1時間から、コンサルティングの対象分野もさまざまです。自分の希望する動き方でコンサルサービスを提供できるため、特に本業と関連した領域においてさらなるスキルアップを手軽にできるのも魅力です。

運営会社:株式会社ビザスク

サンカク


株式会社リクルートキャリアが運営する企業に勤めている会社員と、経営や商品開発などにおけるアドバイスを求めているベンチャー企業とのマッチングサービスです。本業で収入を得つつ、本業以外の場で自身の知識や経験をベンチャー企業に向けて提供することでパラレルキャリアを目指す人向けのサービス。無報酬ですが、ベンチャー企業の経営に参加し、実務経験を積むことができる社会人のインターシップと言えるでしょう。

運営会社:株式会社リクルートキャリア

仕事旅行


大人のキッザニア版ともいうべき、社会人対象の職業体験サービス。昔から憧れていた職業の体験を旅行に見立てて、職業体験先である旅先で夢を叶えることができます。現在とは全く違う職業を体験することで得られる新しい視点や体験は、パラレルキャリアを構築していく上でとても有益なものとして活用できるでしょう。

運営会社:株式会社 仕事旅行

TEAMGUILD


フリーランスエンジニアを対象に、フリーランスとしてプロジェクトに参加するという形式に加え、合同会社の役員としてプロジェクトに参加するという形式を選ぶことも可能なサービスです。組織に属しながらもフリーランスとしての活動を継続できるという点が、自由で自分自身のワークスタイルを維持しパラレルキャリアの経験を積むことができます。

運営会社:株式会社トップゲート

CARRY ME


豊富な分野の案件を取り扱っているフリーランス向け求人媒体として知られている「CARRY ME」は、常駐案件が多いのが特徴です。常駐案件といっても時短勤務や週1~2回の勤務、在宅勤務など希望のスタイルに合わせて案件を探せるため、本業以外で活動を広げたいパラレルキャリア志向の人にはぴったりのクラウドソーシングプラットフォームです。

運営会社:株式会社Piece to Peace

パラレルキャリアが実現する新しい働き方

本業だけに携わる働き方とは異なり、複数の分野で並行して活動してキャリアを積み上げていくパラレルキャリア。働き方改革に代表されるようにワークバランスの多様化が意識され始めたことや、就職して退職するまで一つの企業で働き続けることが難しいなどといった働く環境でさまざまな変化が起こる現代ならではの価値観によって支持されるようになってきた新しい働き方の一つと言えるでしょう。ここからは、新しい働き方であるパラレルキャリアを通して実現できる可能性について解説します。

本業でのキャリアアップへ繋がる

パラレルキャリアでは、本業とは全く違う環境でパラレルワークを行うことで、本業ではできない経験を通して、本業に疑問を持っていた人でも、本業の仕事のやりがいを見つけたり、本業のキャリアについて冷静に見つめ直すことができるでしょう。

また、本業だけだと一つの視点からしか見えていなかったものが、パラレルキャリアを通して視野を広げることで、今までとは違った考え方ができるようになります。そして、視野が広がるだけでなく、新たなスキルも身につくので本業でのスキルとパラレルキャリアで得たスキルを掛け合わせて本業に活かしたり、キャリアアップに繋がることも期待できます。

有意義な人との繋がりを作る

パラレルキャリアを実行する目的は、「自己成長」を実現するためなので、自分が何をしたくて、何のために行動しているのかを常に念頭に置いておく必要があります。それは、趣味などの自分がやりたいことでも、ボランティアやNPO活動などの社会貢献などどんなものでも構いません。その上で、ネットワーキングを作りたい相手のニーズなど相手のことを把握し、自分には何ができるのか?ということを相手に伝えることで、どちらにもメリットのある対等な人との人間関係を作っていくことができるでしょう。そうやって作っていく人との繋がりが有意義な人脈やさらには自分の可能性を広げることにもつながります。

第二のキャリアを築く

パラレルキャリアが注目されている理由の一つには、ワークスタイルの多様化が意識され始めたこともその背景の一つにあります。自分のキャリア、さらには人生について「どのようなキャリアを歩んでいきたいのか」、「どのように生きていきたいのか」について自ら考え向き合い、行動することが問われ始めています。

そんな時代だからこそ、パラレルキャリアで自分のやりたかったことを挑戦するのもいいでしょう。パラレルキャリアで本業とは全く違った領域のことに挑戦し、自分のやりたいことを実現し、本業とは違う自分になることで、次に目指すべき第二のキャリアゴールが見つかることも期待できます。まずはこの記事で紹介してきたクラウドソーシングサービスなどを活用し、パラレルキャリアを積み重ねながら、自分自身の人生を創造していきましょう。

まとめ

個の時代となり、これからますます他人とのキャリアの差別化が必要になってくる中で、パラレルキャリアは新しい世界を広げ、自分の中に眠っていた可能性を引き出すトリガーになる働き方です。些細に思える経験も、視点や場所を変えればオリジナルの強みになりうるもの。やりたいことが決まったら自分のスキルを棚卸し、第二のキャリア形成に向けて、少しずつでもいいので行動してみることが大切です。