130万円?150万円?「配偶者控除の収入上限見直し」に賛否両論

2017年度の税制改正議論で配偶者控除の見直しについて話が進められているのは皆さんご存知でしょうか?控除対象となる配偶者の年収上限は現在103万円とされていますね。「103万円の壁!」と、この金額内に抑えてパートなどに出ている主婦の方も多くいます。今回の見直しでは、上限を130万円または150万円まで引き上げ、同時に、夫の年収にも上限額が設けるという制度が検討されています。果たしてメリットデメリットはいかに? 世間の声とともに考えてみたいと思います。

※以下は、2016年11月22日時点での情報です。

2016年12月18日に与党が発表した「H29年度 税制改正大綱」 における配偶者控除見直し案については、こちらをご覧ください。
配偶者控除の変更でくらしと働き方はどう変わる?「2017年度税制改正大綱」解説&所得税額シミュレーション

ライター

あん☆な
子育て奮闘中のママではあるものの、何かチャレンジしてみたい、社会に役立てることがしたい意欲に駆られ在宅ワークを決意!育児の合間に執筆活動を行う専業主婦。1日1楽がモットー。

そもそも配偶者控除って何?

配偶者控除とは結婚している夫婦の収入が多い方(多くは夫)に対して、税金の負担が安くなる制度なのです。この制度を利用するにはいくつかの条件があります。それは配偶者(多くは妻)が働いていないということ、もしくはパートタイムなどで年収が103万円以下であることとされています。

 

他にも細かくは条件がありますが、1番みなさんが意識しているのは、103万円以下という部分だと思います。妻の年収が103万円以下の場合、夫の年収から38万円控除されて計算されるので税金負担が減るという仕組みです。この仕組みを利用してパートに出ている主婦の方がたくさんいます。さて、今回の見直し案によって何がどう変わるのかを見ていくことにしましょう。

 

見直し案でここが変わる!

今回の見直し案は、配偶者控除の年収上限を130万円、もしくは150万円に引き上げるというもの。また、配偶者だけでなく本人の年収も、それぞれ1320万円、1120万円を上限とすることが合わせて検討されています。妻の年収上限の引き上げには女性の就労拡大、夫の年収上限を設けるにあたっては、税収減を防ぐためという目的があるようです。共働き世帯でパートで働いている妻の年収は、約6割が夫の税負担が増えないように103万円の壁を意識し、調整して働いているのが現状ですが、この見直し案通りに変更されるとどのような問題が生まれるのでしょうか?

 

見直しによって考えられる問題点

まず、夫婦ともフルタイムで働く世帯は、これまでどおり控除は受けられません。その為、「配偶者控除」という制度そのものについて、パート減税に過ぎないといった声もあるようです。

 

また、妻が年収103万円以下の場合、現在の制度では夫の年収に関係なく配偶者控除が受けられますが、新制度が適用されれば、夫の年収が高い世帯は増税になります。これは妻の年収上限を引き上げることによって控除対象者が増えると、税収が減ってしまうことを避けるための策ですが、増税対象になる世帯の批判は目に見えています。

 

他にも多数の問題点がネット上で物議を醸していますが、世論の声をどう受け止め、政府・与党が検討を進めていくのか気になるところです。

 

Twitterに投稿された様々な意見

では、実際にどのような声があがっているのか、Twitterの投稿からご紹介したいと思います。

 

(賛成)年収上限引き上げは助かる!

 

今まで103万円という金額を気にしながら働いていたけれど、もうちょっと稼ぎたい、という方には、ありがたい動きということですね。また、次のように雇う側からの賛成意見も。103万円の壁があるために、その額に縛られてシフトを考え調整しなくてはならない雇用側からすれば、有能なパートさんにしっかり働いてもらい時給を上げることができます。

 

(反対)増税はやめて!

 

今まで配偶者控除を意識して仕事量を調整してきたのに……、控除の対象外になってしまう方はやっぱり辛いですよね。また、以下のように、「税収中立(制度改革による減税と増税を同額にすること)」といっても、女性にもっと働いて稼いでもらって税収を増やそうという意図で、「間接的な増税だよね?」という指摘もあります。

 

(反対)税金のとり方が不公平じゃない?

がんばって働いている人が税金を納め、働かない人は納めなくていいのは不公平では? という意見や、世帯全体の収入を考えないと、困っている人からより多く税を取ることになるのでは? という意見も。

 

(反対)これじゃ女性の社会進出を促さない

そもそも今回「配偶者控除」の制度が見直されることになったのは、女性に「103万円の壁」など気にせずもっと働いて欲しいという政府の意図があったからで、最初は「配偶者控除の廃止」の方向で議論がされていました。(参考:配偶者控除の見直しで何が変わる?家計と働き方を考える機会に)でも、今回の案ではその目的を達成できないのでは? という意見も多く見られます。

 

 

目が離せない配偶者控除の行方

今後の行方が気になる配偶者控除の見直し案。昨今、働く主婦が増加してはいますが、130万円や150万円に引き上げられることによって、今まで以上に働きたい! という主婦は、どれぐらいでてくるのでしょうか。本当に女性の社会進出を考えた上での引き上げの検討なのでしょうか。様々な問題が浮上していることを考えると、政府の見解は実際は違うのでは? と思ってしまいます。

 

世論にも耳を傾け、最良の見直しを進めてもらいたいですね。