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(この記事は「共働き未来大学」より転載、編集しています。)

こんにちは、プロジェクトサポーター・ライター、どっちもワーカーの村上杏菜です。


両親が就労している家庭の子どもは保育園に行くもの。世間一般的にはそう認知されているかもしれません。しかし、実は両親が共働きでも幼稚園に子どもを通わせている家庭は存在します。もちろん、まだ少数派ではありますが…。


「えっ、そんなことできるの?」


「でも幼稚園って、お昼過ぎには帰って来ちゃうのでは?」


「行事ごとや親の出番が多そう」


「お金がたくさんかかるイメージ」


「会社員だと無理でしょ?」



多くの方はこのように思われるかもしれません。これらの疑問に対する答えは「イエス」でもあり「ノー」とも言えます。「工夫しだいで対応は可能」だからです。

8割以上の幼稚園が預かり保育を実施している

共働き家庭にとって一番のネックとなるのは子どもが幼稚園に行っている時間帯だと思われます。「幼稚園児は14時前後には帰ってくる」というイメージが一般的ですから。


しかし、それも一昔前までの話。文部科学省初等中等教育局幼児教育課の「平成28年度幼児教育実態調査」によれば、平成28年6月1日時点で、預かり保育を実施している幼稚園は全体の85.2%(公立:66.0%、私立:96.5%)。なんと8割以上の幼稚園が預かり保育(延長保育)を行っているのです。しかも、週5日で実施している園が全体の83.2%。さらに「夏季、冬季及び春季休業日の全てで実施」している園は全体の66.0%。


我が家の息子も幼稚園に通っています。うちの園では14—17時まで預かり保育を実施しており、1日あたり500円。事前にチケットを購入しておき、当日子どもに持たせる形式です。

だいたい週5日実施されていますが、行事ごとの前や先生たちの研修、長期休業前などは実施されていない日もあります。しかし年間行事予定表、さらには月ごとの園からのお便りで事前に預かり保育の実施の有無が明らかになっているため、前もって仕事を調整したり、場合によっては他の託児の手配をしたりすることができています。


うちの園の場合、平日に親が参加しなければならない用事や行事はだいたい月に1回程度。入園当初の4月はもう少し頻度が高かったのですが、前もって分かっていることと、私がフリーランスであることから(夫は会社員)、どうにか調整をつけることができています。


費用はというと、我が家の場合、たしかに認可保育園に入れるよりは多くかかります。しかしいずれにしろ私がフリーランスであるため、認可保育園にはどう考えても入れない状況です。認証保育園を検討したこともありましたが、空きはありませんでした。そして認可外保育園であれば幼稚園以上に費用がかかる状況です(ちなみに、家庭の経済状況によっては保育園とほとんど費用が変わらなかったり、あるいは抑えられたりするケースもあります。さらに国や自治体からの補助金がありますので、各家庭の収入と照らし合わせながら、一度その金額を確認してみると良いでしょう)。


「フリーランスだから可能なのでは?」と思われる方もいるでしょう。たしかにフリーランスと幼稚園の相性は良いと思います。しかし、中には両親ともに会社員でも幼稚園に通わせている家庭も存在するのです。


今回、共働き家庭で幼稚園に子どもを通わせている5名からコメントを寄せてもらいました。うち、1名は両親ともに会社員です。


その家庭は、パパはフルタイム、ママは時短勤務とはいえ9-17:30勤務。早朝預かりと降園後の預かり保育、さらには長期休業中の預かり保育を実施している園にお子さんを通わせているそうです。

直前に預かり保育がないことを知らされたときには、パパ、あるいは同じ園に通う会社員フルタイムのママと半休を取り合い、連携してお互いに子どもを預かり合うなどして乗り切っているとのこと(ちなみに私が通わせている園では預かり保育がない日を急に知らされることは発生していません)。


「共働きで幼稚園に通わせるのは、母親一人の力では無理」とそのママは話していましたが、たしかにその通りだと思います。しかし逆に言えば、家族あるいは友人知人、地域の力をうまく活用できれば、会社員であっても子どもを幼稚園に通わせることは可能である、とも言えるでしょう。

保育園にない良さもあれば、もちろんデメリットもある

保育園に比べ、親の手間や気配りが余分に必要になる幼稚園。共働きにもかかわらずあえて幼稚園に通わせる家庭は、なぜそうしているのでしょうか?


「自分が幼稚園出身で、子どもも幼稚園に行かせたいと生まれた時から決めていた。保育園ではそれぞれが好きなことをして遊ばせるけど、小学校に入ったらある程度はやりたくないことも周囲に合わせるような気持ちの切り替えが必要だと思うので、それに備えた教育を幼稚園で受けさせたかった」(両親とも会社員)


「専業主婦だった時に長女を幼稚園に通わせていたので、次女も同じ環境で育てたかった。親の都合より子どもの教育環境を優先したかった」(パパ:会社員、ママ:フリーランス)


「自分も夫も幼稚園出身。保育園より預かり時間は短いけど、幼稚園の方が、内容が充実していると感じた」(パパ:会社員、ママ:パート)


このようなコメントからは、保育や教育の質に期待しての選択であることが伺えます。さらに「幼稚園で良かったと思うこと」に対しては「行事が多く、季節を感じられる体験がたくさんできている。また、先生がピアノを弾くのを見て、自宅のミニピアノでも同じように5本の指を使って弾くようになった。以前は1本指で弾いていた」(両親とも会社員・年少児ママ)、「挨拶や礼儀など、小学校に行く前の準備を早くからしてくれていてありがたい」(パパ:会社員、ママ:パート)「園にもよると思うが、保育園に比べて子どもを自由に遊ばせてくれた。怪我をしない程度に闘いごっこもさせてくれた」(パパ:会社員、ママ:フリーランス)などの意見があり、幼稚園を選んだ理由と得られるメリットが一致していることがわかります。


また、「行事が多く、日常の可愛い姿をたくさん見られる。ママ友がたくさんできてみんなで子育てをしている感覚が楽しかった」(パパ:会社員、ママ:フリーランス)、「お母さんと同士のつながりが深く、育児相談や楽しいことを共有できた」(パパ:会社員、ママ:フリーランス)とのコメントを寄せてくれた人は、幼稚園ならでは深いママ同士のつながりを楽しんでいるようでした。


一方で、「預かり保育に行かせると『どうして他のお母さんみたいに早い時間に迎えに来てくれないの?』と言われる。働いている家とそうでない家があることに娘が気づき、早く迎えに行けない罪悪感と、働かなくてはいけない現実との板挟みになって辛い」(両親とも会社員)という声もありました。保育園であれば基本的には両親が働いている子がほとんどでしょうから、これは共働き家庭の幼稚園組ならではの悩みと言えるでしょう。ちなみに我が家の息子は預かり保育が大好きで、たまに行かせない日があると逆に文句を言うくらいなので、子どもの性格によるところも大きいかもしれません。


さらに同ママからは「早朝預かりと延長保育を利用していると(送迎時に)担任の先生に会えないので、園での子どもの様子がわからない。たまに早く迎えに行ってもママたちの輪に入れない。選択制で一応給食もあるけど、実際に利用しているのはクラスで1〜2人。結局自分も毎日お弁当を作って持たせている」とも話してくれました。

両親のどちらかがパートやフリーランスであれば仕事を制限したり時間をやりくりしたりすることもできますが、両親ともに会社員の場合、子どもの幼稚園生活に対応するのには、やはり多くの工夫と努力が必要になるようです。


「幼稚園にして大変だと思うこと」については、次のような意見が寄せられました。


「夏休み期間中の保育料は日割り計算なので高い」(両親とも会社員・年少児ママ)


「毎朝のお弁当作りが大変」(パパ:会社員、ママ:フリーランス)


「水曜日が午前保育だったので登園したと思ったらすぐ帰ってくる」(パパ:会社員、ママ:フリーランス)


「保育園と違ってお昼寝タイムがないので、延長保育に行かせた日は早く夕飯を食べさせないとそのまま寝てしまう」(パパ:会社員、ママ:パート)


ただし、給食やお弁当デーの有無、行事の頻度、保護者との連絡方法については園ごとに大きく異なります。

総じて、両親の時間の自由度や状況に応じた園を見つけられるかどうかが入園後の生活に大きく影響してくるというのが私の印象です。


子どもの保育や教育の質に求める内容、そして働き方も家庭によって様々。幼稚園が合っている家庭もあれば、そうでない家庭もあるでしょう。

しかし、待機児童問題がなかなか解消されない現状において「保育園に入園できないから仕事を続けられない」と退職を迫られている人がいるとしたら、幼稚園という選択肢が救いになることもあるかもしれません。


幼稚園の願書配布や提出、面接等は9〜11月の秋シーズンが一般的です。入園説明会や見学会は夏から開始されるところが多いので、気になる方はぜひ自治体に相談してみたり、児童館や支援センター、公園などで知り合った幼稚園組のパパママに話を聞いてみたりして情報収集することをお勧めします。


情報収集する際に意識すると良いポイントは次のような点です。


  • ・園の教育方針が我が子に合うか(お受験系、のんびり系、運動系、仏教系、カトリック系など、幼稚園は保育園以上に個性豊かです)

  • ・共働き家庭の園児がどれくらい通っているか(幼稚園自体が共働き家庭に理解があるかどうかは大事です)

  • ・親が参加する行事の頻度や曜日(行事が多すぎると共働き家庭にはなかなかハードです)

  • ・預かり保育の実施時間と預けやすさ(公立やこども園、認定園などの場合は預かり保育の定員が決まっていて毎月抽選などのケースもあるので要注意。長期休暇の際の預かり保育の有無も確認し、ない場合は長期休暇のみ民間の一時預かりの利用や実家への協力要請などを検討すると良いでしょう)

  • ・通園方法(預かり保育の後にバスで送ってくれる園も稀ですが存在します。そうでない場合は仕事帰りに無理なく迎えに行ける範囲かどうかを確認しましょう)

  • ・給食の有無(お弁当デーが週1〜2であれば許容範囲と考えて良いと思います。完全給食の園は現状それほど多くはありません)

保育園に空きがないことを理由に泣く泣く仕事を諦めるのはもったいない!幼稚園にしかないメリットも確実に存在しますので、子どもの預け先候補として頭の隅に入れておいてもきっと損はありません♪