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『仕事と暮らし ふたつの鍵を手にしたら』暮らしの大切さに気づく

これは、まだ子どもが小さく専業主婦だった時に出会った本。大好きで通いつめていたブックカフェがあって、その店の蔵書でした(そのカフェはもう閉店しました。店主さんは別の場所で、別のお店をオープンさせています)。読んであまりにも気に入ったので、まねして購入したのだと思います。

「くらしのおへそ」の編集で有名な一田憲子さんが手がけた本で、読んだ時に受ける印象も近い感じです。まっすぐだけど、力を入れ過ぎない長距離走のような暮らし。

店と自宅。ふたつの鍵を手にしたら、
必ずどちらかの扉を閉めなければいけません。

でも、パタンと扉を閉めたとき、
初めて、その内側にあった時間がいかに大切だったかに気づきます。

(中略)
素敵なショップオーナーは、
きっと素敵な暮らしをしているはず。
ずっとそう思っていました。

でも、実際は、
エイッとお店を開いて、自宅には何もなくなってしまった若者がいて、料理をする時間もなくて、ご主人にごはんを炊いてもらう妻がいて。

でも、みんなパタンと扉を閉めたときの
寂しさや痛みを知り、
新しい扉を開けたから、何かを見つけた人ばかり。
via 『仕事と暮らし ふたつの鍵を手にしたら』より

登場するのは、11人の店主の方々です。暮らしをぎゅっと縮めて仕事に力を注いでいる人、とあるきっかけからジョブチェンジをした人……そこに至るまでの道のりは様々。

久しぶりにページをめくって、仕事がしたくてたまらなかったあの頃の自分に再会するようでした。自分らしく働きたい。社会の役に立ちたい。その思いがつのって、今があるのだと。


仕事と暮らし ふたつの鍵を手にしたら

江國香織の世界と再会 『温かなお皿』

5年前に母が亡くなり、空家になった実家を賃貸にすることになりました。その際実家に置いてあった荷物は、親類に頼んで処分してもらったり、送ってもらったり。本のほとんどは保管状態が悪く傷んでいたせいもあって、手放すことになりました。
数年経ったいま、「やはり読みたい」と思うことがあって。思い出したものは、少しづつ買い戻しているところです。

江國香織さんの「温かなお皿」もそのひとつ。最近の江國作品は読んでいませんが、深い情感を淡々と表現する作風が好きでした。
食べ物は、人の生活にプリミティブに結びついているもの。楽しい時も、悲しい時も、何かを食べながら私たちは生きています。


読み返してみて、今の自分にしっくりくるのは「さくらんぼパイ」。仕事に、娘のためにと必死でがんばるシングルマザー。ある時、ささいなことからその張り詰めた糸がぷつん、と切れてしまいます。

「大丈夫。そのうちみんなうまくいくよ。これは元の亭主として言ってるんじゃない。友達として言ってるんだよ。君は独身だが、まったくの一人ぼっちっていうわけでもない」
 耳をすましたが、やっぱり返事はない。
 僕は足元にお盆をおいた。
「それからパイ、おいしかったよ」
via 『温かなお皿』より

まったくのひとりというわけではない。そんな風に思えたら良いのですけど。

温かなお皿

女性のセルフカウンセリングに役立つ『女子の心は、なぜ、しんどい?』

子どもが小さな時は、いわゆる「ママ友」とうまくお付き合いすることができなくて。
名前も顔もよく知らない人の噂話や、旦那さん・お姑さんの愚痴、ダイエットやブランド物の話……
どれもこれも、私には面白いと思えない。

浮いている私は、逆に周囲の関心を引いていたようで、「 家の前に車がなかったけど、どこに出かけたんだろう」「あそこのカフェに行ったらしいけど、どうして私たちは誘ってくれないの?」……そんな風に一部の人から陰口を叩かれていたことを、後になって知りました。


仕事を始めて忙しくなり、噂話の現場から離れることができた時は、心底ほっとしました。

Sさんのママ友のように、他人の噂話を延々と続けたり、プライベートなことをズケズケ聞いてきてお節介を焼いてくる人というのがいます。
(中略)
一体彼女たちは、何が楽しくてそんなことを言うのでしょう?
「仮想的有能感」という少し難しい概念があるのですが、これを理解するとSさんのママ友のようなやっかいな人の思考回路が少しは見えてきます。心理的ストレスを払拭するには自分の心の状態を知ることも大切ですが、彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず。ストレスの根本原因である相手の心理を読むことも大切です。
 仮想的有能感とは、「自己の直接的なポジティブ経験に関係なく、他者の能力を批判的に評価する傾向に付随して習慣的に生じる有能さの感覚」と定義されています。簡単に言えば、「自分のことを棚に上げて、他人を批判的に評価することで生じる自分は有能である」という感覚です。
via 『女子の心は、なぜ、しんどい?』より

どんな社会的ポジションの方であっても、女性であれば「これは」と思う項目が見つかるのではないでしょうか?ぜひご一読を。


女子の心は、なぜ、しんどい?

もっとうまく書けるようになりたい。『伝える力』

書くことを仕事にしていても、自分の文章に満足したことはありません。きっと一生満足することはないんじゃないかな。そう思います。
定期的に何か良い文章術の本がないか、調べて読むようにしています。正直、中にはベストセラー本でありながら、「これはひどい」と最後まで読み終えることのできないものもありました。

池上彰さんの「伝える力」では、ビジネスマンに向けてビジネス文書を書く際に気をつけたいポイントから、一般的に多用すべきではない表現まで、丁寧かつ端的に役立つテクニックを教えてくれています。

 ここでは、ビジネス文書の書き方について、技術的な話をしましょう。念頭に置くのは、報告書や提案書、企画書の類です。
 これらの文書には、企業や職場によるでしょうが、一般的には「フォーマット」が存在します。フォーマットとは、日本語でいえば、「一定の形式」のことです。
(中略)
 次にすべきは、よき文書を書くための努力。そのためには、先輩や上司が書いた文章を見せてもらって研究することです。何人もが書いた幾種類もの文書を読み込んでいくと、それぞれの文書のよい面と悪い面が徐々に見えてくるようになります。
 説得力の有無、論理展開の優劣、わかりやすさ、文章のリズム、誤字脱字など、気づくことは多いでしょう。
via 『伝える力』より

書くことの上達を目指すなら、まず読むこと。もっと良い文章を吸収して、自分の血肉にしていきたいと思います。

伝える力


今回は、思い入れの深い本ばかりを選んでみました。実は、ご紹介するために古い本を数冊読み返してみて、昔のように良いと思えず候補から外したものもあったのです。逆に、改めて違う良さを発見した本も。自分の感性も、時を経て成長しているのでしょうか?