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時間や場所に縛られない在宅ワーク。在宅で働くことができたら、と一度は考えたことがありませんか?
でも、スキルは足りるのか。やりがいはあるのか。孤独にならないか。安定収入は望めるのか……と疑問や不安でいっぱいになって、なかなか最初の一歩が踏み出せないものです。在宅ワークの現状はどのようなものでしょうか。

女性が「働き続けること」の難しさと、これまでの在宅ワーク

まずはオンラインアシスタントサービス「HELP YOU」を運営する株式会社ニット(旧:合同会社レインボー)代表の秋沢崇夫さんから、スライドを交えながらお話しがありました。

結婚・出産・子育て・パートナーの転勤など、ライフイベントに左右されがちな女性の仕事。女性が「働き続ける」ことは意外と難しく、特に出産後は約2/3の女性は仕事を辞めてしまうそうです。出産後、復職を望む女性は8割を超えていても、これまでと同じペースでは働けないために諦めてしまう。地元で働けたらと探しても、地方・海外では仕事の数自体が少ない……。こうやって調査結果の数字を見ながら説明を受けると、女性の「仕事を続けるたいへんさ」がひしひしと伝わってきます。

ならば自宅で働くのはどうでしょうか。これまでのリモートワークはといえば、デザインやプログラミングのような専門職の仕事が多く、殆どの人にはなかなか厳しそうです。専門職以外の在宅ワークはといえば、報酬が安い・単純作業でやりがいがない・単発の仕事ばかり・孤独になりがち……とやはり望んでいるような働きかたからは遠い。

そんな中「オンラインアシスタント」というお仕事は、一般事務や営業事務などバックオフィス業務で、多くの人が自分のキャリアや社会人経験が活かせる上、継続的な仕事が望めます。更に秋沢さんが経営する「HELP YOU」では、チーム体制を作ることで、孤独にならず、助け合ったり、フィードバックをもらえたりと、今までのリモートワークで生じてしまいがちな問題を解消しているそうです。「HELP YOU」には現在100名を超える在宅ワーカーが登録しており、全国各地のみならず、海外在住のスタッフがオンラインで仕事をしています。

オンラインアシスタントとは?

オンラインアシスタントとは、リモート(在宅)ワークのひとつで、各種事務処理・資料作成・リサーチ業務・顧客対応など、様々な仕事を行うサービスのことです。オンライン経由で秘書的な役割を果たすものですが、欧米では1990年代からクラウドソーシングサービスの拡大と共にオンラインアシスタントに特化したサービスが増え、既に職業として確立されているそうです。欧米と同じく、今後は日本でもオンラインアシスタントが普及すると考えられています。

アシスタントインタビュー・生田目史子さん

いいことづくしのように聞こえる「オンラインアシスタント」というお仕事。実際のところはどうなのでしょうか?

オンラインアシスタントとして活躍中で、「くらしと仕事」にオンラインアシスタント日記も書かれている生田目史子さんが、ご自身の経験や実情を率直に話してくれました。

「HELP YOU」との出会い

IT系の企業に3年務められた後、ご主人の転勤に伴い退職された生田目さん。東京に戻られたタイミングで第一子を出産し、自宅でできる仕事を探されたそうです。そして始めたクラウドソーシングの仕事でしたが、ただ納品するだけの一方通行が寂しく、また、もっと安定してできる仕事はないものかと、探していたところ見つけたのが「HELP YOU」。入力業務やカスタマーサポートなど、特別なスキルがなくてもできそうで、継続的な仕事が望めることから応募することに決めました。

仕事を始めて変わったことは?

自宅で継続的に仕事をすることで変化したのは、生活の中に仕事が入ってきたという点。家事と育児が100%だった生活で、いかに仕事の時間を作るか。分かりやすいところでは、テレビを一切見なくなったそうです。家事を効率化させること、そしてご主人の理解も必要と語られました。

やりがいを感じることは?

意外にも、会社員でいる時より、クライアントさんやメンバーから仕事に対するフィードバックが増え、やりがいが増したそうです。

「特にクライアントさんとは直接やりとりをするので、『助かっています』、『予想以上の出来栄えで嬉しいです』など、お褒めのお言葉をもらえることも多く、たいへんやりがいを感じます」

実際のお仕事の内容は?

生田目さんはSNSのライティング代行・入力業務・リサーチ業務を主にされていて、更にチームリーダーもやっているそうです。

チームリーダーのお仕事は、メンバーの進捗状況や業務の確認、品質の管理など。家庭の事情に合わせてメンバーの稼働調整も行います。メンバーの子どもが急病などの緊急時は、「私が代わります」と多くの人が手をあげるそう。

「お互いさま、という助け合いの気持ちがあるので、困った時も言いやすい。安心して働けます」

在宅ワークのデメリットは?

在宅ワークは生活の中に仕事があります。それは、メリットでありデメリットでもあると言えます。

「かなり気をつけないと、気持ちの切り替えや時間調整が上手くいかない時があります。スマホでもチャットや資料の確認ができ、外出中でも休日中でも仕事ができてしまうので」

いかにプライベートとの切り替えをするか、現在模索中だそうです。

収入面はどうですか?

「正社員と比べてしまうと待遇面などでは劣るとしても、一主婦としてパートに出ることを考えると、やりがいの面でもかなり良いと思いますね」とのことでした。

最初から十分なスキルがあったのですか?

現在はチームリーダーとして、メンバーの取りまとめまで行っている生田目さん。この仕事を初めて1年ほどということですが、最初はもちろん別のリーダーの元で、リサーチ業務のやり方、フォーマットの整え方などひとつひとつ教えてもらったそうです。

「最初は不安だとしても、まずは飛び込んでみることが大切です。自分は社会人経験が短く、何も特別なスキルを身につけないまま前職を退職してしまったのですが、仕事をしていく中で、自分にできることをひとつひとつ発見していきました。足りない部分はみんなで補い合ってますし、何もできないと思っていても、意外とできることは多いかもしれないですね」

自信がなくても、まずは勇気を出して飛び込んでみることが大切なんですね。勇気を出して飛び込んだ生田目さん、今ではすっかり頼もしいリーダーです。仕事の話をする生田目さんは、とても輝いていました。

生田目さんの1日のスケジュール

アシスタントインタビュー・彩乃Baylorさん

マイアミ在住の彩乃Baylorさんは、Skypeで登場。距離や時差などを感じさせない会話でした。

ご主人がアメリカの方で、ご結婚されてマイアミに住むようになったBaylorさんは岐阜県ご出身。航空器機会社で事務をされていたそうですが、お仕事の他にゴスペルのコーチや、FMラジオのDJなどもされていたという異色のご経験があるそうです。

 

「HELP YOU」との出会い

今住んでいる場所が田舎で求人自体が少ない上、英語も勉強中のため、通常の就職は厳しく、在宅でもできる仕事を探したBaylorさん。

現在はお嬢さんが生まれ、育児と家事と仕事の両立を目指して出会ったのが「HELP YOU」だったそうです。

実際に仕事をしてみて苦労している点は?

「やはり海外にいるので、クライアントさんとの時差です」

最近になってクライアントさんがついたという駆け出しのBaylorさん。時間管理について試行錯誤されているそうですが「困った時はすぐにHELP YOUのスタッフさん達に相談します」と笑顔をみせてくれました。

いつでも相談の出来る仲間がいるのは、心強いですね。

リモートワークをしてみて変化したところは?

「情報収集のアンテナがすごく広がっているな、ということを強く感じます」

元々が新しいことを学ぶことが好きだったそうですが、育児のちょっとした合間にも、スキルアップのために勉強することを心がけていらっしゃるそうです。

海外在住の方ならではの悩みはありますか?

「土地柄もあるかと思いますが、何か専門的な知識を得て働こうとしても、まずは英語学校から始めて、コミュニティカレッジへ行って資格を取ってから、職探し……となる。とにかく時間がかかってしまうことです」

外国の地へ行って仕事となると、やはりまずは語学が壁になってしまうんですね。

「HELP YOU」のいいところって?

以前別の在宅ワークをしていたとき、固定給ということもあって、頑張っても頑張っていなくても同じだったため、スタッフ間で結構ムラができてしまっていたそうです。「もっとやりがいがある仕事で、もっと楽しく仕事がしたい」とくすぶっていた気持ちを受け止めてくれたのが「HELP YOU」だったんですね。

「スタッフ間の連携が取れていることで、フィードバックがある、細かいケアがある、困っていたら助けてくれる、先輩スタッフさんの仕事ぶりもチャット上で見られる。サポートがすごいから安心して働けるし、勉強になります」

今後の課題や目標は?

「今後はもっとスキルアップして、クライアントさんに喜んでもらいたいと思っています。目標は継続。しっかり仕事を継続して、その中でどんどん学んでいきたいです。情報発信に関する業務に今取り組んでいるので、仕事で身につけたスキルで、大好きなゴスペルの情報発信もできたらいいな、と思っています」

とにかく仕事が楽しくて仕方がない、頑張りたいという気持ちが全面に出ていたBaylorさん。こちらまで嬉しい気持ちになりました。

Baylorさんの1日のスケジュール

オンラインアシスタントのお仕事のデモンストレーション

「チャットワーク」を使って実際にどのような感じで仕事が進められるのか、デモンストレーションが行われました。会場にいる秋沢さんが、奈良の自宅にいるアシスタント、平島奈美さんに仕事を依頼します。

まずはミーティングの様子

スタッフ間、そしてクライアントとのやり取りは、文字によるチャットだけでなく、必要に応じてビデオ会議も利用します。この日は、チャットワークのビデオ会議機能を使って、平島さんと秋沢さんがお互いの顔をみながら話をする様子がデモンストレーションされました。

タイピングで仕事依頼と返信など

今回は会食場所のリサーチと、予約代行の仕事をする様子を見せてもらいました。

秋沢さんの要望に対して、必要事項の質問が平島さんから届きます(予約者氏名、開始時間、喫煙者の有無など)。それに対して秋沢さんが返答し、平沢さんからリストが届きます。とある場所で決定が出て、平沢さんが予約をし、お店の詳しい情報が届きました。

やりとりの様子を拝見し「これは便利だなぁ」とクライアント目線で思わず感心してしまいました。自分で探して予約するより、ずっと時間も手間もかかりません。忙しいクライアントさんは喜ぶことでしょう。

また、タイピングでは伝わりにくい案件などは、先ほどの動画ミーティングを使用して概要を抑え、その後のやりとりはテキストチャットで行うという場合が多いそうです。

いつでもどこでも仕事ができる「チャットワーク」

このような予約代行の仕事に限らず、「HELP YOU」では、様々な仕事のやり取りを「チャットワーク」上で行っています。「チャットワーク」にはスマホ用アプリもあるので、外出先でも家事の合間でも仕事ができるという環境です。しかし「いつでもどこでも仕事ができる」ことで逆に「いつでも仕事をしてしまう」ことにも。時間管理と仕事とプライベートの線引きも大事ですね。

あなたの理想の「働きかた」を考えてみよう!

ワークショップでは各グループに分かれ、以下の様な問いを元に自分たちの理想の「働きかた」について話し合いました。皆さんも一緒に考えてみましょう。

 

  1. 自分の「働きかた」にどんな不安を感じていますか?それはなぜですか?
  2. どんな「くらし」や「仕事」を実現したいと思いますか?
  3. そのためには、どんな条件や環境が必要だと思いますか?
  4. 自分ならオンラインアシスタントとしてどんな「仕事」ができそうですか?
  5. リモート(在宅)ワークによって人生がどのように変化すると思いますか?

 

参加者の皆さんは、オンラインアシスタントの皆さんの話を聞き、世の中の仕事の仕方が確実に変わってきていることを感じたようです。そんな変化の中で自分はうまく仕事を続けていけるのか? といった不安の声も出ていました。


一方、「自分ならオンラインアシスタントとしてどんな『仕事』ができそうか」と考えてみると、いろいろな可能性が考えられ、皆さんワクワクした表情に。「ほとんど何でもできるのでは?」という意見さえ飛び出しました。


最後の「リモートワークによる人生の変化」も、総じてポジティブな変化を思い浮かべる人が多かったと感じます。
特に私は、「リモートワークと今までの通勤スタイルとの良いところを合わせたらどうか」という意見が印象に残りました。「圧倒的な自由が得られるリモートワークだけど、たまには顔を合わせて仕事をしたい。Skypeじゃ伝わらないこともあると思うんです」友達と会うような気持ちで、たまに集まって仕事をする。なんだかとっても楽しそうでワクワクしますね。「仕事=辛いこと、耐えること」じゃないはず。本来は「仕事=楽しいこと、大好きなこと」であるはずだし、あるべきだと私は思うのです。

みんなで助けあって理想を叶えられる世界へ

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「二兎追うものは一兎も得ず」や「虻蜂取らず」などのことわざがあるように、私たちは「仕事」と「家事・育児などのプライベート」の両方を充実させることは、「とてもできないこと」であり「欲張りな願望」だと考えてきたような気がします。でも、インターネットにより、すべては大きく変化しました。

バリアフリー

「時間的にも体力的にも、健康な男性と同等でなければ」働けない時代ではありません。子育てママも、LGBTの人も、病気療養中の人も、障がいのある人も。意欲も能力もあるのに働けなかった人たちも、堂々と仕事をして活躍できる世界が近づいています。そのためには、自分の理想を諦めることなく追い求めること。そしてみんなで語り合うこと。参加者の皆さんと語り合うことで、たくさんの気づきがありました。

ボーダーレス

BaylorさんとのSkypeでも分かったように、軽々と国境さえ越えられる時代ですよね。どこにいてもつながれて、情報は素早く世界中に伝わっていきます。世界は確実に小さくなったのです。

まさに、「みんな それぞれ 助け合う 小さな世界 〜It’s a small world〜」です。

一人で悩んでいないで、どんどんセミナーやイベントに参加されることをお勧めします。気づかなかった本当の気持ちや、自分自身の可能性に気づかされるかもしれません。