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2月2日で就任半年となった東京都の小池百合子都知事。対決を演出するような、いわゆる「劇場型」の手法に注目が集まりますが、就任前から訴えていた待機児童問題対策には既に着手し、平成29年度予算案では待機児童対策費を4割増やしています。

「働きながら子育てしやすい環境づくり」を目指す小池知事は、保育園の整備だけでなく、働き方改革にも力を入れています。その内容と現状を紹介します。

 

 

待機児童解消に向けた11の緊急対策 〜場所・人の確保と安全な保育を〜

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28年9月の記者会見で発表した内容によると、大きく分けて3本の柱からなる11の対策が掲げられています。

第1の柱 保育所等の整備促進

1.都独自に整備費補助をアップ

2.都独自の賃借料補助を創設

3.長時間保育を行う定期利用保育を促進

4.借地料に対する補助を拡充

5.都有地の活用促進

6.民有地や空き家等の活用促進

第2の柱 人材の確保・定着の支援

7.宿舎借り上げ支援の対象期間(5年間)を独自に拡大

8.子育て支援員を増員

第3の柱 利用者支援の充実

9.保育コンシェルジュの増員を支援

10.認可外保育施設の利用者負担軽減(バウチャー等)を支援

11.認可外保育施設の質の向上を図るため、巡回指導チームを編成

現在、都内には82万戸もの空き家があるそうです。それらの有効活用や新設にあたっての財政支援、そして保育士さんが長く働けるような環境作り等多角的なサポートにより待機児童の解消に向けた取り組みが進められています。

(参考:小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成28年9月9日)

 

都庁職員と都民のための「とちょう保育園」スタート

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また、画期的な取組みとして28年10月1日より「とちょう保育園」を開所しています。新宿区としての保育園でもあり、会社の企業内保育園としての役割もある新しい保育園。都庁だからこそできる取組みではないでしょうか。

これはありがたいと思うのが、手ぶらで出勤できるサービス。有料ですが、希望者には紙おむつを用意してもらえたり衣服の洗濯をしてもらえたりするそうです。

自分の荷物も多い中、子どものお着替えやおむつ、おふとんカバーなどを持っていくのは大変なので身軽に出勤できるのはとても助かりますね。

さらに、早朝に登園する子どもと一緒に朝ご飯を食べることのできる「モーニングカフェ」まであるそうです。

小池知事は「待機児童の問題というのを、まさしく『隗より始めよ』で、この都庁からスタートして、そして、その使い勝手であるとか課題、これらをこの都庁においてつぶさにフォローできれば」と述べています。(参考:(小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成28年9月2日))

この取組が、都内の他の保育園の改善にもつながるといいですね。
(とちょう保育園のホームページはこちら

 

     

子育てしやすい環境作りのため、まずは都庁職員から「働き方改革」

何故このように待機児童解消に向けた取組みを進めているかというと、「働きながら子育てしやすい環境づくり」が小池都知事の注力するテーマだからです。この環境づくりに対して「保育政策だけでなくて、労働政策、例えば長時間労働についての見直しであるとか、そういった全体としての環境をいかに整えるかということが、大変重要」と述べており、まずは都庁職員の働き方改革への取り組みも進んでいます。

 

都知事のイクボス宣言

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実際小池都知事自身が、育児や介護のしやすい職場作りを目指す「イクボス」宣言をしており、全管理職に対しても目標を定めて宣言するように求めました。

このイクボス宣言を機に「働き方を見直していただきたい。残業すればいい仕事をしているというような意識を変えてほしい。」と男性の育児休暇の取得率の低さや、介護離職への懸念と同時に、都庁の残業の多さにも触れ、理解を呼びかけています。

 

「20時完全退庁」に向けて取り組み状況を公表

また、働き方の見直しとして、職員が午後8時までに仕事を切り上げて退庁する「20時完全退庁」も実施しています。

10月14日の記者会見では

「私は、8時どころか6時にしようと言ったのですけど、それは無理だと言われました。最初は10時だったのです、都側の提案というのが。それでは改善には全くならないので、6時か8時かということで8時、現実を考えて8時。(中略)
長く働くことはいいことだという、その考え方を改める意味で、私は8時ということをまず、本当は6時。8時帰宅ということで進めているところです。」

と働き方について見直しを求めています。

これについては継続的に実施状況や「残業削減マラソン」(各部で計画目標を設定し、残業削減の成果を競う)など具体的な取り組みなども明らかにしており、11月には20時以降の退庁者が増えてはいるものの、しっかりと公表しているあたり透明性が伺えます。

出典:「20時完全退庁」等の実施状況|東京都 より

これらの取り組みに一貫しているのが、都知事自身が述べているように「隗より始めよ」のまずやってみようという姿勢。都庁にとどまらず民間企業やひいては国の働き方改革を牽引する一翼を担うことになるのか、期待したいところです。