女性リーダーを増やすポイントは「自分らしさを生かせる環境」と「やりがいの実感」

女性がリーダーシップを発揮するために必要なこと。

一般社団法人ライフミッションコーチ協会では、「生きがいと働き方」をテーマにアンケートを行ないました。その結果、女性たちが最も生きがいややりがいを感じるのは、「自分の才能や強みを生かした仕事を行い、お客様から感謝されるとき」であること、そういう機会を増やすことが女性が自ら「リーダーになりたい」と思えるために必要であることが分かりました。調査から見えてきた「女性のリーダーシップ」と「生きがいと働き方」との関連性について、筆者からのアドバイスも交えてお伝えします。

ライター

宇野まきこ
人事採用担当として面接や配属、人事考課に携わってきました。自分らしい生き方を大切にして働きたい女性を応援する記事を書いています。2歳の子供を子育て中です。

女性がリーダーになりたいと思うために必要なこと

リーダーやさらに責任の大きいポジションを望まない女性が41.5%

働き方改革の一環として、政府が「2020年までに指導的地位につく女性を30%にする」と数値目標を定めるなど、女性の活躍推進が叫ばれていますが、当事者である女性たちはどのように感じているのでしょうか。

 

まず、「あなたは今の仕事でリーダー的ポジションについたり、管理職になりたいと思いますか? 今、リーダーや管理職の方は、さらに責任の大きいポジションに進みたいでしょうか。」という質問をしました。それに対して、「いいえ」と回答した、リーダーになりたくないと思っている女性が41.5%と半数近くを占めました。女性はリーダーになりたがらないという話を一般的によく聞きますが、それを裏付ける結果となりました。

 

なぜ、女性はリーダーになりたくないのか

 

なぜ、それほどまでに女性はリーダーになることを望まないのでしょうか?先ほどの質問に「いいえ」と答えた女性たちに対して、その理由として当てはまるものを挙げていただきました。その結果、「自分らしい働き方ができなくなるから」が47.3%と1位でした。また、2位の「今の仕事が自分がやりたい仕事ではないから」も37.6%と大きな割合を占めました。女性は、自分らしさが生かせる仕事なのかを重要視していることが分かります。

 

自分らしさが発揮できる仕事の環境

では、女性にとって、「自分らしさ」とは、具体的にどういうことを指すのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

 

「あなたにとって、『自分らしく働く・仕事をしやすい環境』というのは、どういう状況を指すでしょうか。」とさらに質問したところ、第1位は「生活スタイルに合わせ、時間の自由がききやすい(育児休暇、産前産後休暇、介護休暇等)」(78.1%)、第2位は「生活スタイルに合わせ、仕事をする場所の自由がききやすい(テレワークなど)」(67.0%)とライフスタイルに合わせやすい「自由度」と「柔軟さ」のある勤務環境が自分らしさを生かすために、大事な要素となっているようです。

 

男性に比べ、女性の方が結婚・出産や育児などのライフイベントでキャリアを左右されることも多く、またそれらが2,30代のキャリア形成期と重なりやすいこともあり、将来のライフイベントを考えて、今のままの方が自由度が高いと判断しているともいえるのではないでしょうか。

 

アンケート結果を踏まえた今後の対策として、女性の活躍支援には、女性が管理職になりたいと思えるような環境の整備が必要だということが見えてきます。

 

具体的には、勤務時間の自由さとして、長時間労働が前提となった働き方を止め、生産性を上げて勤務時間を圧縮する、フレックスタイム等の勤務時間の自由さ、産・育休等の制度の活用をしやすくする。また、テレワークや在宅勤務等、どこでも仕事ができる勤務場所の自由さなど、仕事をする上での制度やルールに柔軟さが必要不可欠だといえそうです。

 

女性リーダー育成や長期のキャリア形成には何が重要なのか?

女性がリーダーになりたくない理由の2番目に挙がったのは「今の仕事が自分がやりたい仕事ではないから」でした。では、女性はどういう時に仕事に対してやりがいを感じるのでしょうか。

 

仕事にやりがいを感じられない理由

アンケート結果から、「今の仕事にやりがいを感じている」と答えた女性が64%、「あまり感じていない(21.4%)」、「全く感じていない(5.6%)」と 約3割の人が仕事に対して、やりがいを感じてないと回答していますが、普段から「「生きがい」「やりがい」を、「あまり感じていない」、もしくは、「全く感じていない」、と答えた方に、その理由を伺いました。

 

 

「そもそも、自分の才能や強みがよくわからない」が60.2%と最も多く、以下「自分の才能や強みを生かして、誰かの役に立ったり貢献したりしていない(55.3%)」、「お金のために働かなければならず、やりたいことができない(51.5%)」、「自分のやりたいことがよくわからない(50.5%)」が続きます。自分の才能や強みを把握できておらず、また自分らしさが生かせてるかどうかも確信が持てないことが、仕事へのやりがいを感じられない理由のようです。

 

女性がやりがいや生きがいを感じるとき

一方、生きがい、やりがいを感じて働いている女性はどんなところにやりがいを感じているのでしょうか。「今の仕事にやりがいを感じている」と答えた6割の女性に、どういったときに生きがいややりがいを感じるかを聞いた結果が以下のグラフです。

 

 

「お客様に喜ばれたり御礼を言われた時」と答えた方が78.3%と8割近くの方が回答しています。次に「自分の才能や強みを生かした趣味や仕事」が69.9%、3番目に「家族との人間関係」47.8%が入りましたが、ワークライフバランスを重要視することの多い女性ならではといえるでしょう。

 

女性は、お客様の喜びの声など他者への貢献ができたときというのがかなり大きいようです。また、強みや才能を生かした仕事ができている人にとって、仕事はやりがいがあるものであることが分かります。

 

以上のことからも、「何のために働いているのか?」仕事の目的や意義を感じるのは、お客様など誰かの役に立っていることが実感できること、自分の強みを発揮した仕事をできているときのようです。

 

そのためにも、自分が何をやりたいか、自分の強みや得意とする業務は何かを日頃から知っておく必要がありそうですね。また、主体的に質の高い仕事を心がけることで、お客様に感謝される機会も増え、ますます仕事に対してやりがいを感じるようになるでしょう。

 

女性リーダー育成のためにできること

リーダーになることでより自分の持つ才能や強みを発揮することにつながるという経験とともに、顧客や職場への貢献が感謝という形で具体的なフィードバックとして返ってくるなど、 やりがいが実感できることが大切といえそうです。女性が働く上で重要視する自由度や柔軟さについても、女性たち自身が声を挙げ、働きやすい仕組み作りを促すことが大切です。

 

さらに、女性たち自身がリーダーになることは仕事が大変になるという負の側面ばかりではない、むしろ決定権があるだけに、柔軟な仕事環境が得られやすい場合もあるのです。それを実感するためにも、挑戦する前から尻込みせず、できるだけリーダーシップや意思決定を行う場に参加し、経験を積んで慣れていくというのも一つの方法です。

 

才能を生かして、女性もリーダーシップの発揮を!

今後、企業が競争力の強化に向けて、職場での多様性を高めるようになると、ますます女性のリーダーが必要とされるようになるでしょう。女性も自分らしさや才能を存分に生かして、リーダーシップの発揮をしていきたいですね!

(出典:ライフミッションコーチ協会 調査レポート「生きがいと働き方」)

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