働くママになる不安を解消!ママのための就活準備ワークショップ

2016年3月に開催された「ママのための就活準備ワークショップ」の参加レポートです。

2016年3月に開催された「ママのための就活準備ワークショップ」に参加しました。これは、東京ワーキングママ大学とアクセンチュア株式会社が立ち上げた“Work Smarter!プロジェクト”のプログラムを体験するワークショップ。

Work Smarterプロジェクトとは、出産・育児を機に仕事を辞めてしまったママ達の再就職をサポートするプログラムのことで、2015年9月に立ち上がったプロジェクトです。今回は、ワークショップの様子とそこで学んだことをレポートします。

ライター

emi
2児のママライター。長女の小学校入学を機に20年働いた会社を辞め、在宅ライターの道へ。“家にいながら仕事も子育ても楽しむ”をテーマに日々奮闘中。コンテンツ記事からセールスライティングまで幅広く執筆。

子連れOK!なごやかムードのワークショップ

肌寒さが残る3月。妊娠中の方を含む子連れママ6名が参加しました。3ヶ月の赤ちゃんから2歳まで、同年代のお子さんをもつママ同士、和気あいあいとしたなごやかなムードではじまります。今回のワークショップの目的は「子育てしながら働くための長期キャリアプランを設計し、共有することで何かしらの気づきを得て明日からの行動につなげる」こと。

  • 就活中で両立できるか不安
  • 4月に育児休暇から復帰予定だが現在の職場に迷いがある
  • 息子が幼稚園に入り落ち着いた5月頃の就職を考えている
  • 具体的にどんな準備をしたらいいか知りたい

など、ママたちの悩みもさまざま。

「悩みを共有し、長期のキャリアプランをつくることでぼんやりしていたイメージを明確にすることができます」と話すのは講師の越智聡さん。越智さんは、2013年より厚生労働省「イクメンプロジェクト」の推進委員を務めるアクセンチュア(株)のマネジャー。自身も2ヶ月の育児休暇と2年2ヶ月の育児時短勤務を取得しており、ママの再就職に対する考え方や効率的な仕事のやり方についてさまざまな視点で教えてくれました。

長期キャリアプランを設計するなかで気づいたこととは?

越智さんによると「現時点で具体的な再就職の仕方が分からなくても大丈夫。まずは10年後の自分をイメージすることが大事です」とのこと。

育休取得後も同じ会社で働くママからは「以前は出張が多かったのですが、現在は出張のない仕事をしています。10年後は“働いていたい”という気持ちはあるものの、具体的なイメージがわかず、何をしたいかまでは考えていないということが分かりました」という意見が。

「現状の課題が見えてきたことは、具体的な行動につながりやすいのでとてもいいことです」と越智さんは言います。

別のママからは「働く時間で評価が左右される今の働き方を変えたい。それなりの収入も欲しいので、家族の役割分担をきちんと決めることが重要だと気づきました」との意見もありました。

越智さんが再就職のポイントとして話すのは2つ。

  • 再就職するにはとにかくはじめが肝心。働く前に家族としっかりコミュニケーションをとって、役割分担を明確にしておくことで、ママの負担も減ってより働きやすくなります。
  • “10年後”というのは、収入面からもイメージできます。自分たちがこれからどういう生活をしていきたいのかを考えることでどのくらいの収入が必要かも分かり、再就職する上でのポイントとなるからです。

そのほか、子供が産まれてやりたい仕事が見つかったので未経験からチャレンジしたい、今のスキルを活かして独立したい、など、新しい働き方を模索しているママも多く、自分の思いを書きだしたことは、前向きな行動への後押しとなったようです。

気づきを活かして、明日からの行動へつなげる

次に、その10年間をさらに掘り下げて、明日から何をすればいいかを考えるワークをおこないました。漠然とイメージがわいたママ達からは、

  • 英語のスキルをアップさせる
  • 情報収集する
  • 夫にも10年後をイメージしてもらう
  • 起業や経営の知識を段階的にアップさせる

など、より具体的な行動内容がでていたのが印象的です。

また、再就職に関して年齢の面で悩みがあるというママに、越智さんは「現在は政府も含めて国全体で女性活躍推進の動きは加速しており、企業も年齢や就業条件に関係なく働く意志のある人を積極的に採用する方向に変わってきています。なかでも中小企業やベンチャー企業などは、柔軟な働き方ができる企業も多く、フルタイムでは働けないけれど、週3日でも働きたいという意志のある人はどんどん採用していきたいという姿勢です。企業イメージや勤務地だけで選ぶのではなく“自分が理想とする働き方ができる企業”という視点で探すとさまざまな発見があると思います」と話していました。

毎日1つずつでも何か行動を起こすことで積み上がり、5年、10年先へつながることを実感できたワークショップだったのではないでしょうか。

就活プログラム×ジョブマッチングを実現する“Work Smarterプログラム”

今回のワークショップでは“Work Smarterプログラム”の一部を体験しました。実際のプログラムでは

  • 限られた時間で成果を出せる仕事のスキル
  • 家族や職場のサポートを引き出すノウハウ
  • 自分から周囲へ発信するコミュニケーション力

などを身につけることができるようになっています。

また、「ジョブディスクリプション(職務経歴・就業条件)」を作成する講座もあり、それをもとにママの再就職雇用に関心のある企業と受講生をマッチングするサポートを行うなど、手厚い支援体制が特長です。どうやって再就職したらいいのか分からないというママは、チャレンジすることで新しい道が開けるかもしれません。

主催者インタビュー

今回講師を務められた越智さんと、東京ワーキングママ大学代表の大洲早生李さんにお話を伺いました。

Q. Work Smarter!プロジェクトを共同で立ち上げたきっかけは?

越智さん:

現在、アクセンチュアでは企業市民活動の一環として、就業や起業に必要なスキルを身に着けて経済活動に参画してもらう「Skills to Succeed」という活動をしています。日本では女性や障がい者のある方、初等・中等教育教育過程の子どもたちや不安定就業状態にある若者などを対象に5つのテーマで活動しており、そのうちの1つとして女性支援をテーマとしたWork Smarter!プロジェクトを立ち上げました。

このプロジェクトの特徴は、コンサルティングのノウハウをもつアクセンチュア(株)と女性支援を専門に活動されている東京ワーキングママ大学さんがパートナーになることで“女性の再就職支援”という点において相乗効果を発揮できることです。

大洲さん:

もともと東京ワーキングママ大学では女性管理職やリーダー層を目指すワーキングマザーのサポートをしていたのですが、これから働きたい女性も多くいらっしゃるということで、支援対象を拡大しようと考えていた時にアクセンチュア(株)さんから声をかけていただき、実現することになりました。

Q.再就職に関するニーズはありますか?

大洲さん:

ありますね。最近も再就職支援に関するワークショップを3週連続でおこなうほどで、ニーズがあることは感じています。ただ、企業側と働きたいママの間にギャップもあるので、そこをどうやって埋めていくかが今後の課題だと思っています。

Q.ワーキングマザーが再就職に一歩踏み出すためのポイントは何だと思いますか?

大洲さん:

私は「決めること」だと思います。“いつかやろう”と足踏み状態が続いている人は非常に多いです。待っていても“いつか”はなかなかやってこないので、〇月〇日までにやる!と明確な期限を決めて、情報を探す、家族と調整するなど、少しずつでもいいので働ける環境を整えていくことが大切だと思います。

越智さん:

私も大洲さんと同じく、もやもやしながら日々の家事、育児におわれて時間だけが過ぎていくという女性が多いと感じています。ですので、今日は求人を支援してくれるサイトを探そう、明日はどんな求人があるか調べてみようなど、小さなことでいいので「行動する」ことが大切だと思っています。そしてそれを「継続していく」ことが一番大事です。

取材後記

新しい試みとしてスタートする“Work Smarter!プロジェクト”。いきなり再就職へ踏み出すことができないママも、まずはプレワークショップに参加して自分の10年後を具体的にイメージしてみることで、あらたな行動へとつながるかもしれません。

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