2017年4月28日 更新

16年のブランクを経ての復職も! 「もう一度はたらくを始めたい」全ての人へ(イベントレポート)

働くことを再開した女性たちからのメッセージとは

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(この記事は「LAXIC」より転載、編集しています。)

育児・介護・パートナーの転勤。ライフイベントによって、働くことを中断したけれども「もう一度働きたい!」と思っている女性たちは多くいます。でも実際、何から始めたら?と悩んでいる方、ブランクがあることによって自信を失ってしまっている方が多くいることもまた事実です。

文部科学大臣認定「職業実践力育成プログラム」に採択されている明治大学「女性のためのスマートキャリアプログラム(以下スマートキャリアプログラム)」、日本女子大学「リカレント教育課程」、関西学院大学「ハッピーキャリアプログラム」の3大学が中心となり、2017年2月22日(水)に明治大学 駿河台キャンパスアカデミーコモンにて、はたらきたい女性たちを応援するイベント「『もう一度はたらく』を始めよう!」が開催されました。

LAXICではこのイベントに、応援メディアとしてご協力させて頂きました。

「働きたい!」「学びたい!」という意欲ある女性たちと、能力のある女性たちに活躍して欲しいと願う企業・大学が一堂に集ったイベントの様子を、もう一度働き始めた女性たちが集ったパネルディスカッションを中心にレポートします。

わたし達が『もう一度はたらく』を始めるまで 〜離職期間を経て仕事復帰した女性たちのリアルトーク

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パネルディスカッションでは「私たちが『もう一度はたらく』を始めるまで ~離職期間を経て仕事復帰した女性たちのリアルトーク~」と題して、実際ブランクを経て働き始めた女性5人と株式会社Waris代表取締役田中美和さんのファシリテーションによりリアルトークが繰り広げられました。

<パネリスト>

フリーディレクター 阿部知子さん

山崎情報設計株式会社 三橋真理子さん

コンチネンタルタイヤ・ジャパン株式会社 セントラルオーダーデスク浅野恵美さん

商社法務部専属SE 富山昌子さん

サイボウズ株式会社 ビジネスマーケティング本部 広報 江原なおみさん

ファシリテーター:株式会社Waris代表取締役/共同創業者 田中美和さん 

各大学のプログラムを受講し「はたらきたい」気持ちを新たに

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Waris 田中さん(以下、敬称略。田中):「もう一度はたらくこと」をスタートされた5人の皆さん、まずは自己紹介をお願いいたします。

三橋真理子さん(以下、敬称略。三橋):新卒で総合職2期目として入り、国際物流や貿易実務などを担当していました。3年目で出産し、会社で初めての産休・育休を取得・復帰したのですが、その後すぐ主人の海外転勤が決まり、キャリアを中断して帯同しました。2年ほどで帰国し、子どもが幼稚園に行っている間だけでも働きたいと、自宅に近くのコールセンターの会社でパートとして働き、結局10年間勤務していました。その間ずっと「このままでいいのか」というもやもやしたものは感じていましたが、ある時一念発起して日本女子大の「リカレント教育過程」を受講したんです。その後、大学に来ていた求人を見て、今の企業に就職しました。

浅野恵美さん(以下、敬称略。浅野):大学卒業後、メーカー2社で勤務し、育休を取って復帰しましたが、仕事と育児の両立に悩み、復職して10ヶ月で退職しました。二人目出産後、主人の転勤で大阪に引っ越すことになり、その時関西学院大学の「ハッピーキャリアプログラム」を知り、受講したのです。キャリアデザインの授業を受ける中で「仕事をしたい」という自分の気持ちを再確認し、東京に戻ったら仕事をしようと決めていました。現在は、ドイツのタイヤメーカーで勤務をしています。

富山昌子さん(以下、敬称略。富山):私は現在、IT派遣会社からの派遣で商社専属のSEの仕事をしています。大学卒業後、一般企業の社内の情報システム部門に就職し、その後2社ほど民間企業を経験しました。第二子の育休復帰の2週間後に整理解雇が発表され、希望退職制度を利用して退職をしました。当時は東日本大震災の後で、会社の遠さをネックに感じていたことも理由の一つです。ただ、子どもは保育園に入っていたので、働き続けなければ退園になってしまうと思い、近所の大学で契約社員として働き、契約期間終了後に、明治大学の「スマートキャリアプログラム」を受講しています。その後「キャリアを継続すること」を優先して、IT派遣に登録し、現在の仕事をしています。

江原なおみさん(以下、敬称略。江原):私は大学卒業後、ソニー株式会社で海外営業のほか、ノートPCの設計部隊の日本と現地チームとの橋渡しの仕事をしていました。夫の海外転勤をきっかけに退社し、赴任先で長男を出産、帰国して次男を出産しています。育児があまりにも大変で、最初の頃は社会復帰なんて考えたことがなかったんです。子どもたちが小学校に入学し、社会の繋がりがなくてさみしいなあと感じた時、Warisの紹介でサイボウズのキャリアママインターンプログラムに出会います。ブランクありですし、両立できるのか? と悩みはしましたが1ヶ月限定ということで、やってみることにしたんです。そして、経験した後に「意外とできるかも!」と思ったんですよね。その後、正社員として採用され、現在はコーポレートブランディング部の企業広報として社長の講演依頼などの調整などを行なっています。

キャリアママインターンで仕事の醍醐味を知る

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田中:皆さん、ありがとうございます。江原さんはブランクが16年あったということですが、ブランク時に感じていたことや、仕事が離れた状態から一歩踏み出したきっかけがあればお教えください。

江原:そうですね、私はブランクが16年ということで皆さんよりもダントツに長いのですが、実は自分の中では、そこまで社会が変わっているという認識がなかったのです。今までは子どもたち中心の生活をしていたので、いきなりフルタイムで働くことは二の足を踏んでしまっていたところがありました。できれば週3・時短勤務でというと、採用してくれる企業がなかったんです。サイボウズのキャリアママインターンでは、9時〜3時・4時で勤務し、週末に作り置きをするなどありとあらゆる準備をして臨みました。1ヶ月間を終わってみると、すごく疲れはしたんですが、 自分と今まで関わりのなかった世代の人たちといろんな話をしながら毎日を過ごすことの楽しさを実感した日々でした。だからこそ「もう少し頑張ってみよう!」と思ったんです。息子たちはというと、意外と大丈夫で、親が心配しすぎていたのかなあとも思いましたね。

田中:「仕事の醍醐味を知った」ということなんですね。阿部さんはフリーランスとして働いていて、自由度の高いスタイルだと思うのですが、その働き方をどのように生み出していったのでしょうか。

阿部:私は25歳からリクルートで働いておりまして、当時のリクルートは30歳で定年、独立というのが無言のルールとしてありました。私も30歳になったら会社を作ろう! と思っていたのです。28歳で転職し、妊娠しましたが、ずっと会社にいるという考えがなかったので、フリーでやっていきやすいかなとも思いました。 「自由に働く」というのはスキルがないとできないんです。この10年で30社の仕事をしていますが、30社それぞれで「このスキルを身につけよう」という目的を持って働いています。フリーランスとして、いつまでも引きがある仕事の仕方をしなければいけないと思っていて、40代以降になると現場には誰もいなくなってきますが、20代前半の人たちとずっと現場にいるということを目指しています。 自由度は結果として得られているという感じですね。

田中:離職中の時間の過ごし方という点では、三橋さんはどのように過ごされていらっしゃったんでしょうか。

三橋:日本女子大のリカレント教育過程で学び直したのですが、得るものが非常に多かったんです。 今までのパート先やママ友の中では、扶養の範囲内で働こうという人ばかりだったんですよ。でも、リカレント教育過程を受講されている方は、みんな再就職を目指していました。パートで働いていた10年を経て、もやもやしてきたものがはっきりし、60歳まで働こうとはっきりと決意しました。そのためにはずっと学び続けなければいけません。だからこそ、ITと金融という異分野で勉強は続けています。

キャリアを繋ぐこと、自分が学んだか語れることの大切さ

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田中:みなさん、一歩踏み出してもう一度働くを実現されたわけですが、それにあたって高いハードルがあるのかなと思うのです。「ハードル」というキーワードでお話を伺いたいと思うのですが、富山さん、ハードルはありましたでしょうか?

富山:正社員という条件で転職をしようと思った時に、子どものお迎え時間を考えると、応募できそうな条件がほぼなかったんですね。正社員で働きたいという気持ちはあるけれども、それにこだわってキャリアを断絶することの方が怖いなと思いました。 働いているということは、履歴書の一行が増えるということで、そこから自分が何を学んだか訴えられるんですよ。だからこそ 「キャリアを繋ぐ」ことを重視して転職活動をしましたね。講座に通ったり、自分の生活を少し変えることで、新しい自分になれるのはすごく面白かったです。

田中:あえて雇用形態にこだわらず、細くてもいいから続けることを大切にしていらっしゃるんですね。浅野さんも、転職活動については壁を感じていたとおっしゃっていましたが。

浅野:子どもがある程度大きくなってからは正社員にこだわって働きたいと思い、派遣契約終了後に正社員になることを前提とした紹介予定派遣にこだわっていたのです。でも、38歳という年齢がネックだったのか、なかなか紹介が来ませんでした。キャリアデザインの授業の中で、自分の人生を振り返り「仕事を続けていきたい」と強く感じていたので、紹介予定派遣の紹介がもらえるまでひたすら待ちましたね。

田中:江原さんはブランクが16年ということで、再就職へのハードルと乗り越え方などを教えてもらえますか?

江原:ハードルは2つあって、まず一つは仕事と家事・育児の両立。そしてもう一つは16年ブランクがあって、仕事がきちんとやれるかどうか…… ということでした。一つ目については、実は今も乗り越え切れていなくって試行錯誤中なのですが、できることは外注し、食事の支度は作り置きをして乗り切っています。それでも週末が終わった時が一番疲れていたりするので、持続可能なサイクルに持っていかなければいけないかなと思っています。一方で 社会復帰をして自分の視野は広がっていて、実は私、 今最強のステージにいると思っているのです。子どもがいなくて第一線でバリバリ働いていた自分、専業主婦時代の自分、そしてまた働き始めた自分、いろんな人の気持ちがわかるという意味で最強かなと。

今、長男は14歳で自分の世界・外の世界ができはじめていて、私が家にいないことについてはそれほど影響がないようです。次男は10歳で、週1〜2の自宅勤務の際に「毎日家で仕事してほしいなあ」ということを言ったりしていますが、次男も長男のように、外の世界ができるのもあと数年かなと思っています。 私が社会に復帰したことによって、子どもたちの視野を広げてあげること、伝えられることも増えていくだろうなと思っているのです。90歳〜100歳まで生きる社会になり、残された50年何をして生きていくのかと考えると、ここが踏ん張りどきだなあと思っています。

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