2016年10月9日 更新

同一労働同一賃金に向けて、私たちがすべきこと

国が「同一労働同一賃金」の実現に向けて動き出しています。その内容とは? 私たちに必要な備えとは?

1,933 view

安倍内閣が2016年6月2日に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」には、「同一労働同一賃金」の実現に向けた具体的な計画が盛り込まれました。

それによると、正社員と非正規雇用者との待遇の差について、何がOKで何がNGか具体的なガイドラインが作られ、2019年度から運用が開始されるそうです。
同時に、労働契約法、パートタイム労働法及び労働者派遣法の一括改正等も検討し、2019年度からの施行を目指します。

実現すれば、確実に変わるであろう私たちの働き方や働くことへの意識。
来るべき日に備え、私たちは何をしていけばよいのでしょうか。

thinkstock (2705)

約8割の人が「賃金について不公平を感じたことがある」

賃金について不公平さを感じたことがある 77.9%

賃金について不公平さを感じたことがある 77.9%

しゅふJOB総合研究所調べ。
詳細:http://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/8789-2/

これは、主婦を対象に行った同一労働同一賃金に関するアンケートの結果です。

「時間あたりの賃金(時間給)に換算して考えた場合、過去もしくは現在の仕事について不公平だと感じたことはありますか」
という質問に対し、約8割の人が「はい」と回答しています。

多くの人が、賃金についてなんらかの不満を抱えたことがあるようです。

同一労働同一賃金の実現を望む人は3割に留まる

あなたは同一労働同一賃金が実現することを望みますか

あなたは同一労働同一賃金が実現することを望みますか

しゅふJOB総合研究所調べ。
詳細:http://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/8789-2/

同アンケートの「あなたは同一労働同一賃金を望みますか」という質問に対しては、賃金について不公平を感じたことのある人が約8割いるにも関わらず、同一労働同一賃金を望む人は3割に留まっています。
ただ、「望まない」が約3割弱、「わからない」が約4割であることから、「望む」人が少ないというよりは、まだ実態のつかめない同制度について判断しかねる、という人が多いのでしょう。

そう、この制度はまだまだ実態がつかめません。
「今働いていない女性の多くは、能力があるが、長時間労働や転勤が難しいなどの理由で働いていないのではと思う。こうした女性を市場に出さないのは、社会にとっても不利益。国際社会では同一価値労働(同一賃金)が常識になりつつあるから、日本もそうすべき。(38歳 派遣社員)」
という声のように、女性の活躍を後押ししてくれる可能性もあれば、
「仕事ができなくて残業する人と、人の倍働いて残業をする人で同じ賃金は不公平。しっかり評価した上で賃金アップをしてもらいたい。(32歳 パート/アルバイト)」
という声のように、より不公平感が高まる危険性もあるのです。

この制度がいい方向に転ぶかそうでないかは、今後の政策に大きくゆだねられそうですね。
では、この制度が導入される日に向けて、私たちは今何をすればいいのでしょうか。

声を挙げる勇気・能力を持とう

gettyimages (2946)

動向を見守り、自分の考えを持とう

この制度が実現すれば、私たちは近い将来、日本の賃金体系の変化という大きな節目に直面します。

その時に向けて、法改正に向けた動きをきちんとチェックし、
「仕事ができなくて残業する人と、人の倍働いて残業をする人で同じ賃金は不公平」
「転勤はできなくても、仕事内容や能力は同じなのだからきちんと評価してほしい」
など、私たち一人ひとりが自分の主張をしっかりと持ち、声を挙げることが大切なのではないでしょうか。

国の制度そのものを変えることは難しくても、会社側が法改正に合わせ社内規定を変えるとき、できるだけ私たちの意向を汲んでもらえるよう、きちんと主張をするのです。

そして、新制度によって恩恵が得られれば問題ないですが、逆に不公平を感じた時、会社側ときちんと話し合う勇気もこれからは必要なのではないでしょうか。
そのような勇気は、「自分はこれだけの賃金をもらうに値するスキルがあるのだから認めてほしい」と主張できるような、確たる能力を身につけることで生まれます。

スキルアップが勇気につながる

自分のスキルを見直し、その能力を客観的に示せるよう準備したり、逆に今のスキルでは不十分と感じるなら今のうちからスキルアップを目指しましょう。
能力を高めておけば、制度施行後にどうしても会社と折り合いがつかなかったとしても、転職や起業、フリーランスといった別の選択肢が生まれるかもしれません。
制度の導入まで最短でも3年。準備期間としては十分でしょう。

少し大げさかもしれませんが、新制度がどんなかたちになったとしても、自分の身は自分で守れるよう備えと覚悟をしておく。
それが、自分の将来のくらしと仕事をより良いかたちで維持していくために、今の私たちができることなのではないでしょうか。

 

26 件

この記事を読んだ人におすすめ

「働き方改革担当大臣」の誕生、私たちの働き方にどう影響?

「働き方改革担当大臣」の誕生、私たちの働き方にどう影響?

2016年8月3日に発足した第3次安倍第2次改造内閣では、「働き方改革担当大臣」という新しいポストができました。その狙いや、私たちの働き方に与える影響を解説します。
やつづか えり | 15,457 view
正社員になれる?無期転換ルールで「理想の働き方」を選ぶために知っておきたいこと

正社員になれる?無期転換ルールで「理想の働き方」を選ぶために知っておきたいこと

同じ職場でパート・アルバイトを続けるなら要チェック!
篠原 舞 | 355 view
働く女性は必読!「育児・介護休業法」の改正内容

働く女性は必読!「育児・介護休業法」の改正内容

2017年1月、育休や時短勤務に関わる法律が改正されました
あん☆な | 1,548 view
2016年の働き方関連ニュース振り返り。そして来年はどうなる?

2016年の働き方関連ニュース振り返り。そして来年はどうなる?

「女性活躍」や「働き方改革」関連のニュースが盛んに報じられた2016年。具体的にはどんな出来事があったのでしょう。私たちのくらしと仕事にまつわるニュースを5つのテーマに分けて振り返り、来年はどうなっていくのかを考えてみます。
やつづか えり | 877 view
配偶者控除の変更でくらしと働き方はどう変わる?「2017年度税制改正大綱」解説&所得税額シミュレーション

配偶者控除の変更でくらしと働き方はどう変わる?「2017年度税制改正大綱」解説&所得税額シミュレーション

かねてより議論されてきた配偶者控除・配偶者特別控除について、先日大きな発表がありました。これにより、私たちのくらしと働き方にどんな影響が及ぶのでしょうか?
藤本 つばさ | 7,538 view

この記事のキーワード

この記事のライター

nachaco nachaco