2017年3月1日 更新

社長の妻を夫がバックアップ! 公私ともにタッグを組んだ夫婦の「働き方」「くらし方」

“妻が前に出て夫が守る”、そんなライフスタイルはどうやって確立されたのでしょう

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企業などで研修やコーチングを行なう株式会社しごと総合研究所。講師として前に立つのは妻の山田夏子さん、プロデューサーとしてマネジメントや事務仕事を一手に引き受けているのは夫の藤田貴久さん。妻が起業、そこに夫が加わるかたちで会社を軌道に乗せているお二人は、現在2才と5才の男児の子育て真っ最中。どのようにワークとライフを過ごしているのか聞いてみました。

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山田夏子(株式会社しごと総合研究所 代表取締役)

武蔵野美術大学 造形学部 彫刻学科卒。

株式会社バンタンにて、スクールディレクター、各校館長を歴任し、
その後、人事部教育責任者として社員、講師教育、人事制度改革に従事。

さらに、同社にて人材ビジネス部門の立ち上げ、キャリアカウンセラー、スキルUPトレーナーとして社内外にて活動後に独立。株式会社しごと総合研究所を設立。

教育現場での経験から、人と人との関係性が、個人の能力発揮に大きな影響を与えていることを実感し、体験学習やシステムコーチングを軸とした組織開発やチームビルディング事業を展開している。

また、議論や場の感情を見える化するグラフィックファシリテーションを得意とし、様々な会議の場面でグラフィックにより人と人をつないでいる。私生活では2児の母。

 

藤田貴久(株式会社しごと総合研究所 常務取締役)

1972年奈良県奈良市生まれ。

神戸大学 理学部 物理学科卒。

クリエイティブ・ディレクターとして、大手企業の人材採用PRを担当。その後、人材採用のみで組織を支援することの限界を感じ、人材育成の面からも企業の支援に携わる。

現在は、会社代表の妻・山田夏子をはじめとする講師陣のプロデュースと、家庭では家事育児のおよそ8割を担当する兼業主夫。

圧倒的にできなかった…というのがきっかけで家事の主導権を夫に譲渡

- バックヤードは貴久さんの担当と伺いましたが結婚当初からこのスタイルだったのですか

藤田: そういうわけでもなかったのですが、残念ながら彼女は家事の能力が圧倒的に低かった(笑)ということで、僕がやることになりました。僕も別に家事が得意だったわけでも、好きだったわけでもないのですが、彼女よりはできたということですかね。

山田: そうそう、平和的解決としてこうなったという感じです(笑)。前職の頃に仕事でコーチングの研修に通ったのですが、そこで出会ったのが彼でした。ちょうどその頃、私は独立を考えはじめていて、起業の知識のあった彼に相談していました。2008年に起業し、彼とはその後も仕事仲間としての関係が続いていたのですが、そのうちに結婚することになり、今に至っています。結婚するとなった時は周りからあまりにタイプの違う二人なので「まるでアメリカとロシアの結婚だな」なんて言われました。

2010年に結婚、2011年には長男を出産しました。仕事はゆるやかに続けていましたし、産後、私の体調があまり良くなかったこともあり、保育園に申し込みました。しかし、入園した園は午後4時までの保育という特殊な所で、私はなぜだかわからないのですが、毎日夕方になると頭が痛くなり、夕飯を作るのもしんどいという状態になっていました。

藤田: 当時はまだ僕は勤め人で、杉並区の自宅から後楽園の事務所に通っていたので、なんとか夜9時までに帰ってお風呂は子どもと一緒にと思ってはいたのですが、これもなかなか難しい状態でした。もちろん、急いで帰る努力はしていましたが、とても疲れる毎日でした。

- 食事づくりのバトンタッチはどのようにして行われたのでしょうか

山田: 一人で家事と育児、仕事を回す生活に無理を感じた私が素直に気持ちを話して、夫に相談したんです。それまで、カセットコンロでコーヒーを沸かすくらいしかやったことのなかった人だったのですが、ある日、食事を作ってもらったら私よりもはるかに丁寧で美味しく作れることを発見しました。人参とか、大根とかも正方形にきれいに揃って切られていて、これならば彼が作った方が、子どもにとっても良いのではないかとなったのです。

藤田: こっちで煮物を作りながら、こっちで別の材料を揃えるとか、家事はマルチタスクが多いと思うのですが、彼女は目の前のことに集中するタイプで、同時に別のことをするのがすごくダメ(笑)。そのためなのか、夕食は焦げた料理が多かったり、お惣菜を温めて出しただけとか、そういう食事が続いていました。分かりやすいほど家事が苦手だったのです。一点に集中する点は仕事でも同じで、ファシリテーターとして現場に集中すると事務処理ができなくなる人でして、改めて役割分担が必要だろうなと感じていました。

また、僕自身の生活を考えた時に、家事や子育てに貢献したいのにできないという通勤によるジレンマもあり、それならば僕が彼女のマネージメントをしたらいいのではという考えに至り、会社を辞めて夫婦で一緒に仕事をすることになりました。

山田: 夫に「なっちゃんは好きなことをしてたらいいよ、僕が売り出すから」と言われて、これはもう殺し文句ですよね。「お願いします!」という感じでした。

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おふたりの自宅にて。藤田さんはキッチンに立つ姿が板についています

兼業主夫生活が充実しているのは、やりたいことができているから

- 毎日の生活スタイルを教えてください

山田: 朝7時半に起きて、夫が朝食を作り、その間に私は子どもを着替えさせて登園の支度を済ませます。園に送って行くのは夫の担当で、私は家で部屋の掃除や洗濯をします。午前10時までに家のことを済ませて私は現場に行ったり、夫は自宅で事務作業をしたり、営業に回ったりとそれぞれに仕事をはじめます。後はお迎えまで仕事に集中、夕食も夫が作るので、私は「今日のご飯はなにかなぁ」と楽しみにしながら帰ってくるという生活です。

- 主夫に近い生活、いやではなかったですか?

藤田: 自分は人前に出たい人ではないので、こうして裏方で支えるのが性にあっているのだと思います。ただ、もしこれが家事・育児だけに専念する形になっていたら、状況は違ったかもしれません。社会との繋がりが全くないという状態に欠落感を持ったかもしれません。自分の“やりたい”と思うことに関わることで、欠落感情を抱かずにすんだのだと思います。僕の場合は自分のやりたいと思えることが、彼女や他の講師を売り出し、会社として事業を回していくということだった。だからとても充実した毎日だと感じています。今度はあの講師を売り出そうとか、色々なことを考えるのがとても楽しいです。

どんな立ち位置だったとしても、自分の人生を能動的にすることはできると思うのです。用意された選択肢のチョイスではなく、生きること全体をデザインしていく、自分の時間をどう使うか、人生をどう設計するかではないでしょうかね。

 

仕事も家庭も、お互いが良さを発揮して上手にまわしている藤田・山田夫妻の暮らし方には自分らしいく生きるためのヒントがたくさん隠れていました。

後編では、山田さんが手がける「グラフィックファシリテーション」や研修のお話から、これからの時代、組織や家庭でよりよく働き、生活する方法について考えます。ぜひお読みください!

AI時代に価値ある仕事、幸せな家族の形とは?チームビルディング・グラフィックファシリテーター 山田夏子さん - くらしと仕事

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宮本さおり 宮本さおり