2017年9月8日 更新

“副業”に想いを馳せることのススメ

副業3年目の経験者が語るメリット・デメリット

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女性活躍推進のコンサルティングを行う、株式会社bouquet 取締役の髙橋玲衣です。今回は、働き方改革の流れの中でにわかに注目を集めている、会社員の「副業・兼業」について。

メディアで「副業や兼業OK」とする会社のいい感じの事例が様々取り上げられているのを目にします。

実際どうなのでしょう? 副業は拡がっているのでしょうか? 皆さんの周囲ではどうですか?

 

経営者はまだまだ懐疑的

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たとえば、日経新聞による経営者100人アンケートの結果によると、8割の経営者は「副業は認めない」と回答。東京商工会議所調査の中小企業を対象としたアンケートでも、「今後も副業を認めない」と回答した企業が43%。

なるほど、現実はまだまだ「副業が拡がる気配がある」くらいかもしれません。

副業を認めないとする理由はというと、「本業がおろそかになる」のほか「長時間労働につながる」「情報漏洩などのリスクがある」「他社に引き抜かれるリスクがある」など。

さらには、「残業代は何処が負担?」、「労災があったら……」など、細かなルールの不在についても語られています。

まあ確かに、今までになかった問題はいろいろ発生しそうです。それでも、政府は副業推し。副業OK前提でのモデル就業規則を作り直す予定です。

その狙いは?

 

国・企業・個人が副業・兼業で得られるものとは?

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国としての狙い

まず、国としての狙い(働き方改革の文脈より)。

1. 副業・兼業OKとすることで、少子高齢化による労働力不足を補う
  >複数社で労働力のシェアを可能にするということですね。

2. 成長領域での新しいビジネスの創出
  >わかりやすくいうと、起業しやすくしたり、成長領域の企業へ人材が部分的にでも関わりやすくする、人材を流動化するという感じでしょうか。

ではこれを、企業と個人の目線に置き換えてみましょう。

企業が得られるメリット

まず、企業の目線からのメリット。

すでに「副業OK」を謳う各社は、それぞれに意義目的を語っていますが、大きくは次の3点に集約されます(これらの実現に向けて、マネジメントの複雑性を受け入れることとセットですが)。

1.個人の成長:社外で得た新たな経験や学びを持ち帰って仕事の成果に還元してくれる?

2.個人のダイバーシティ実現:一人ひとりの中の多様性の広がりにつなげ、相互触発、イノベーションが起こりやすい組織へ一歩前進?

3.新たに優秀な人材を流動的に獲得可能:自社が、副業者の受け入れ側となることのメリット

個人が得られるメリット

個人の目線からのメリットは、企業側のメリットとダイレクトにつながっています。

1.自己成長:今の仕事や会社では得られない経験や学びの機会に出会え、本業にも良い効果を持ち込める。また、社内では実現の難しいキャリアの新たな可能性を開拓可能。

2.自分の中でのダイバーシティ実現:新しい人との出会い、つながり、ネットワークの構築につながる。そして、新しい視点、視界の獲得へ。

あとは、
3.気分転換
そしてもちろん、
4.お金
の、4点でしょうか。

 

2年の副業経験から、安易な挑戦は勧めません

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これを書いている私自身、組織人事コンサルティングの株式会社JAMに勤めながら、2年前に女性リーダーシップ開発の株式会社bouquetを立ち上げ、副業2年の経験者ですが、上に挙げた副業のメリットは〝ものすごく〟享受できていると感じています。

でも、経験しているからこそあえて伝えたいのは、メリットを得るのは結構大変で、それなりの覚悟と努力とスキルが必要ということ。

さらに本音を明かすと……、

「この流れに乗って安易に副業に挑戦すべき」とは、私は決して言えないし、言わないぞ。

「副業すればすぐメリットを得られる」なんてことはないんだぞ、と声を大にして言いたい!

 

副業に不可欠な自由。それと背中合わせの自己責任

もう少し、私の副業状態についてお話します。

2社ともに、

●勤務場所の取り決め無し → 基本、全てリモートワークOKです。オフィスにいつ出社しなければならない というのも、ありません。仕事の状況に応じて、仕事をする場所を選べます。

●時間的な取り決めも無し → 業務委託のイメージと近いでしょうか。「この仕事を、いつまでにやる」の約束をしたら、時間の使い方ほか、プロセスは私に任されます。

何て自由なんだ…、素晴らしい働き方だ…、と、自分でも思ってしまったりしますが(苦笑)、でも、だからこそ現実は結構大変です。

自由ということは、自己責任ということ。タスクマネジメントも、タイムマネジメントも、自己責任だから。

当然、「どんな内容の仕事をどれくらいの量できそうか?」の、見極めはするわけですが、だとしても、仕事というものはいつも想定通りに進むものでもなく、両方の仕事の山が同じタイミングで訪れ、ヒィヒィ言いながら乗り切る場面もあります。「もう一方の仕事が忙しくて」、なんてことは、言えません(時に、全身から浸み出して周囲に伝わってしまったりしますが……)。

また、副業として個人の商売を始める(=個人事業主となる)ケースでは、加えて、自分でやらなければいけない細かなタスクが増えます。関係者とのやり取りを始め、請求書発行、経費精算、確定申告まで。「忙しいのにこんな細かいことまで…。あぁ、誰かにお願いしたい!」と、会社組織の役割分担のありがたみを痛感したり。

結果、副業のリスクとして指摘されている通り、仕事の時間が大きく膨らむタイミングもあります。「これはなかなか苦しいな」と思うことも過去ありました。でもなんとか踏ん張りながら、工夫しながら、自己成長や自身の可能性の広がりを獲りに行く。自分でやりたいと思って選んだことだから……、そんな感じです。

 

副業をおすすめしたいのはこんな人

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で、結論、副業はおすすめなのか?

 

まず、

以下に当てはまる方には、すぐにでも副業に挑戦することをおすすめします。

 

1.今の仕事について、ある程度キャリア構築できている → 自立してマネージできる仕事になっている

2.かつ、今の会社、職場環境において、次のキャリアステップに行き詰まりを感じている

3.副業によって単純にアドオンされる仕事の分、何かを捨てたり圧縮できる余白もあるし、その覚悟もある

4.今勤めている会社が副業OKかつ副業のメリットを得るために前向きに現場マネジメントに関わっている → 例えば、「副業OKだけど、自己責任でご自由に」と放置するのではなく、「副業OKとすることで複雑性を増すマネジメントを、どう進化させていくのか?」に向き合っている、など。

この状態に当てはまる!と思えたなら、GO!

    

一方で、上記に当てはまらない部分がある方には、
「今しばらく準備の期間を持ちましょう。その方が、副業のメリットを得やすいですよ」と、お伝えしたい。

 

 

今は条件が整っていなくても、副業に想いを馳せてみて

とはいえ、「副業に想いを馳せる」ことを、これを読んでいる方全員におすすめしたいと思います。

シンプルに、自分の興味関心の発見や、未知との遭遇という意味で、楽しいですから。

ビジネス系なら、ランサーズ、クラウドワークス、サンカク、ビザスクほか、副業の入り口となる様々なプラットフォームを眺めてみたり。趣味の領域から入るのもありで、様々な習い事が紹介されている「サイタ」や、ハンドメイドしたものを売ることができる「minne(ミンネ)」や「creema(クリーマ)」などを覗いて見てもいいかもしれません。眺めてみるだけでも、自身の興味関心や可能性の広がりを感じたりできると思います。

せっかく副業するなら、やりたい、楽しい、熱中できそう!な内容でなければ続かないでしょうし、「もしも副業するとしたら?」 と、いろいろ温めつつ、一方で自身の成長に向き合いつつ、未来のそのタイミングに備えてみる。

いいと思います!

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髙橋 玲衣 髙橋 玲衣