2017年9月21日 更新

未経験からキャリアアップできる在宅ワーカーとは?イマクリエの採用方針

個々のライフスタイルを重視して、柔軟に働ける環境作りが進められています

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働き方改革により、テレワークを導入する企業が増えています。そこで今回は、未経験者も積極的に採用し、テレワークという形で新たな働く場を提供している株式会社イマクリエの鈴木信吾社長へインタビューを実施。外からは見えにくい仕事内容や勤務形態、必要なスキル、孤立しないためのサポートなど、同社の在宅ワーカーの実態を聞かせていただきました。

鈴木信吾(株式会社イマクリエ 代表取締役)

鈴木信吾(株式会社イマクリエ 代表取締役)

2002年に青山学院大学を卒業。大手住宅メーカー・大手自動車部品メーカーを経てコンサルティング会社でクライアントの経営戦略立案等を主に担当。その後、2007年に株式会社イマクリエを4人で創業。2016年に代表取締役に就任。

いつでもどこでも働ける環境を――テレワーク導入のきっかけは

- 今や2000人以上の登録者を抱えている株式会社イマクリエですが、テレワーカーを採用するようになったきっかけは何だったのでしょうか。

10年ほど前に会社を設立しましたが、その当時はテレワークという言葉が出始めた頃で、社会的にもあまり環境が整っていませんでした。イマクリエには、設立からずっと「新しい価値を提供していく」というビジョンと、「いつでもどこでも働ける環境があれば、世の中はもっとハッピーになる」という信念があり、そのために我々ができることとしてテレワークを始めたのがきっかけです。このモデルを導入したのは2014年頃なのですが、最初は総務省が行っていたテレワークモデル実証プロジェクトへの参加という形で、試験的に取り組み始めたんです。

- 2017年7月に開催された「テレワーク・デイ」へも特別協力団体として参加されたそうですが、現在はどのようなサービスをテレワークで提供されているのでしょうか。

企業のアウトソーシング先として様々な仕事がありますが、コールセンターやアシスタント業務が多いですね。

- テレワークのメリットとして、働く時間と場所の柔軟性がありますね。実際に在宅ワーカーとして働いている人は、どのようなワークスタイルなのでしょうか。

1日3時間で週に3日という人もいれば、月に1度という人もいて、本当に人それぞれです。もちろん、フルタイムで働いている人もいます。個々のライフスタイルを一番に考えていきたいので、何かあって仕事ができないという場合にもチームでフォローするなど、柔軟に対応ができるようにしています。また、働いている場所は、北は北海道、南は沖縄まで、いろいろな地域で活躍されています。海外で働いている人もいるんですよ。

- 性別や年齢層などの割合に特徴はありますか?

女性の登録者が8割と圧倒的で、年齡は、子育てや親の介護などが発生する30代、50代の方が多いです。また、男性は2割程度ですが、2000人以上の登録者に対しての割合ですから、数字としては決して少なくはないと思います。

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目に見えないキャリアを活かす――未経験採用の理由とは

- 在宅ワーカーの採用に際して、キャリアを問わず、未経験者も積極的に採用しているそうですが、それはなぜでしょうか。

経験が必要な職種というのは、限られた領域の仕事ではないかと思うんです。さらに、「以前の職種がこれだから、この仕事をしなければならない」ということもありません。以前の経験をもとにして、新しい分野に飛び込むこともできるんです。弊社でも、以前は看護師として働いていた人が、医療知識を使ってマーケティングリサーチをしているという事例もあります。もちろん、前職とはまったく関係ない分野だったとしても、そこに必要なノウハウを研修で覚えることも可能です。過去の経験にとらわれるよりも、その人が今後、どういったキャリアを築いていきたいかのほうが大切だと考えています。

- ちなみに、未経験者の採用ではどんな点を採用の決め手にしていますか。

どのくらいの時間を仕事へ費やせるのか、本人がどこまでキャリアアップを考えているのかという点を重視しています。短期のスポット的な仕事もありますが、キャリアを重ねたいという人なら、ある程度の時間は必要ですから。また、仕事に関しては未経験だったとしても、仕事以外の部分で培われたスキルがキャリアアップに役立つ場合もかなり多いですね。子育てや家事など仕事以外のこともこなしている人は、マルチタスク能力が大変高く、仕事でも生産性が高いんです。こうした目に見えない部分が、実は仕事をこなしていく上で非常に重要だったりもするので、未経験者の採用は大切にしています。

- テレワークは一人でコツコツと仕事をしているイメージがあるのですが、やはり向き、不向きというのはあるのでしょうか。

責任感が強く、知的好奇心がある人は向いていますね。企業へテレワークの案内をした時によく聞かれるのが、「他人の目が届かない在宅では、仕事のパフォーマンスが低いのではないか」という質問です。しかし、これは間違ったイメージで、在宅ワーカーの人たちは、「他人が見ていないからこそ、しかるべきアウトプットをしなければならない」と考えています。また、孤立しないように、Skypeなどでコミュニケーションが取れるような体制も整えています。とはいえ、一人で仕事をしていると、自分を律しなければならないので、難しい部分もありますよね。ですから、基本的にチームを組んで連携を取りながら仕事をしています。

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時給は地域差なし。場所を問わないテレワークから新たなコミュニティが生まれることも

- クラウドソーシングを始めとするテレワークは、時間と場所を選ばないというメリットがある反面、収入や社会保障の点で不安を抱える人も多いと思います。このあたりはどういったサポートをされているのでしょうか。

クラウドソーシングの場合、契約で決めた成果に対して報酬を支払う業務委託契約がほとんどかと思いますが、イマクリエでは、すべて時給制にしています。職種やキャリアによって金額に変動はありますが、地域に関わらず一律の金額にしています。これは、地域間で賃金に格差があることに常々疑問があって、差をつけるならその人のパフォーマンスに応じてつけるべきだと考えているからです。雇用形態は、アルバイト、出社義務のない契約社員や正社員など、働き方やキャリアに応じた区分で雇用をしています。昇給もありますし、望めばアルバイトからでも社員への登用も実施しています。また、エリアごとの研修や、社内でも特に頑張った人たちを集めた旅行を企画したりもしているんですよ。

- ふだんはSkypeなどで接していた人たちが、実際に顔を合わせることで新しいコミュニティも生まれますよね。給与は時給制とのことですが、勤務時間などはどうやって管理しているのでしょうか。

タイムカードをクラウド上で管理しています。働く場所が自宅、コワーキングスペースなど複数ある場合には、事前に登録しておくとGPSで打刻できるようになっています。以前、GPS上で、同じ場所に在宅ワーカーが複数集まっていたことがあって、「故障かな?」と思ったのですが、実は、研修で仲良くなった人同士が集まって仕事をしていたんです(笑)。在宅ワーカーというつながりから、それ以外の部分での情報交換もできる新しいコミュニティが生まれていました。

- 横のつながりが生まれにくい在宅ワーカーですが、こうしたコミュニティができることで、さらに働きやすい環境になりますよね。最後に、将来の展望を教えてください。

現在の登録者数は2000人以上いますが、コンスタントに動いているのは100人ほどなので、今後はもっと規模を大きくして社会インフラとして機能していけるようにしたいですね。ビジネスとして拡大することも大切ですが、それよりも一人ひとりが自分らしく働ける環境を作ることが大切で、また、こうした環境作りは社会的にも必要な時代になっていると思います。

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インタビューには、イマクリエの働き方改革チームリーダー 梶原志生さんもSkypeで同席。出産にともなう離職を経て、今年からイマクリエの社員になった経緯などを伺いました。

 

仕事とライフイベントをつなげるテレワーク

在宅ワークというと、複業や片手間の仕事と思われがちですが、環境さえ整えば、充分にキャリアアップできる仕事であると感じました。夫の転勤や子育て、親の介護などで仕事を一時中断してしまったという人でも、実はその間に見えない社会的なスキルが培われています。今後、テレワークが発達していくことで、ライフイベントによるブランクを気にすることなく、もっと気軽に仕事に復帰できるようになるのではないでしょうか。

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