2016年9月13日 更新

「働き方の未来2035」未来からのメッセージが伝える20年後のくらしと仕事

20年後、私たちがより幸せで豊かに働き、暮らしていくにはどうすればいいのか。未来からのメッセージにヒントが隠されていました。

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「働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために懇談会」とは

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グローバル化や少子高齢化の進行、AI等の技術革新によって企業のあり方や人々の働き方、経済システムの変化は今後ますます進んでいくと予想されます。
そうした中、年齢や性別、健康状態などにかかわらず、すべての人が能力を最大限に発揮して活動できる社会を実現するにはどうすればよいか。
同時に、持続的で豊かな経済成長を可能にするにはどうすればよいか。
そんな検討を行うため、厚生労働省は専門家や民間の有識者を集め、2016年1月から12回にわたり、「働き方の未来 2035:一人ひとりが輝くために」懇談会を開催してきました。

その懇談会でまとめられた報告書では、今から約20年後の2035年、私たちの働き方は個人の得意分野を活かしたプロジェクト単位のものが主流となり、ひとつの企業に生涯勤めあげるような今までの雇用形態とは異なったものになるだろうと予想し、そのような社会で一人ひとりが輝けるために必要な政策を提言しています。
報告書で描かれるのは、個人単位での働き方が主流になるため、自身のスキルアップを図る機会や制度が充実し、一度失敗しても再チャレンジできるような社会。
技術革新によって働く時間や場所の制約がなくなり、自分の望む暮らし方の実現や、子育てや介護との両立がより容易になるとも考えられています。

そんな「一人ひとりが輝ける社会」に生きる私たちはどんな風に輝いているのか?
20年後に生きる私たちからのメッセージとしてわかりやすく紹介されていますので、一部をご紹介します。

2035年を生きる私たちからのメッセージ

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AI(人工知能)と一緒に、人間にしかできない仕事を(2016 年:50 歳 2035 年:69 歳、女性)

50 過ぎまでは、近所の会社で経理を担当していました。でも、経理業務はどんどん AI に代替されていきました。
15 年ほど前に転職し、いまは地域の病院に勤めながら心理学の勉強もして、カウンセラーの資格も取得しました。
(中略)私の仕事は、AI を使った問診のお手伝いですが、病院に来た患者さんがリラックスできるように話をしながら、AI を操作して患者さんを診てもらうことです。
病院に来る患者さんは不安です。(中略)声をかけるだけで、患者さんの気持ちの支えになります。
病は気から。病院では、患者さんを診断するだけでなく、励ますことはとても大切です。そしてそれは、人間にしかできない仕事です。

最近「AIの進歩で人間の仕事が奪われるのではないか」という懸念をよく耳にしますが、そういったことが現実になりつつも、この女性は人間にしかできないカウンセラーという仕事に転職し、きちんと働き続けています。
機械に頼るべきところと人間にしかできないことをうまく分け、私たちの雇用が守られていることが伺えますね。

小さな海辺の街で世界中の仲間とつながって(2016 年:4 歳 2035 年:23 歳、男性)

小さなころからプログラミングが好きで、趣味でゲームをつくっては公開していました。
高校生のころ仲間数人でつくったゲームがヒットし、世界中でプレーされました。
それで僕たちの名前が知られることになり、 シンガポール、インド、ドイツ、エストニア…いろんな国のプログラマーから「一緒に仕事をしよう」と声がかかりました。
いまは 5 つのプロジェクトを抱えています。
(中略)父親の時代までは、いい仕事に就くためには都会に行けと言われていたそうです。でも、いまは違う。
この小さな海辺の街にいながら、世界中とつながって仕事ができる。僕は海が好きなので、ずっとこの街にいたい。毎日午前中はサーフィンをして、午後に集中して仕事をしています。
仕事のために都会に行き、一日中仕事をし、ひとりで小さなアパートに帰るという生活は、僕には想像ができないです。

この方の年齢は、まさに私の息子と同じ。思わず息子の将来と重ねて読んでしまいました。
彼が社会人になるころには、こんな風にワークライフバランスが充実されていればいいな、と思う反面、「毎日会社へ行き、みっちり働いた」世代として、「お前はいつも遊んでばかりで…」と小言を言ってしまわないか心配です。笑

週の半分は在宅勤務。仕事をしながら3人の子育て(2016 年:15 歳 2035 年:34 歳、女性)

娘が2人と息子が1人います。3人目ができたとき、 母にはずいぶん心配されました。
母が私を育てた時代は、子育ては基本的に女性がするものでしたし、女性にとって仕事と子育ての両立はとても大変だったのです。
保育園は待機児童が多く、子どもを入れるのも一苦労だったと聞きます。
いまでは、希望すればだれでも子どもを保育園に預けることができますし、在宅勤務は当たり前です。
うちの場合は、夫も私も週の半分を在宅勤務にしていて、毎日どちらかは家にいます。
子どもたちのお気に入りの場所は、近所のおじいちゃんおばあちゃん達が運営している『なんでも寺子屋』です。
放課後遊びに行っては、おじいちゃんに虫捕りを教わったり、おばあちゃんから料理を習ったりしています。
地域のみなさんに面倒を見てもらえて、心強いです。

20年後には、私もこの方のお母さんのように、若い子育て世代を心配する世話焼きおばさんになっているのだろうな、と一人苦笑いしました。
待機児童問題が解決され、在宅勤務などの普及で家庭との両立が容易になり、この方のように3人目も安心して産める社会にぜひなってもらいたいものです。
「なんでも寺子屋」のように、高齢者が活躍するとともに地域とのつながりが強くなっているのもうらやましいですね。

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