2017年9月8日 更新

ママたちが育休中のチャレンジで得たものは?「ママボノ2016」成果発表会レポート

赤ちゃんのお世話をしながら取り組んだとは思えないほどのアウトプットが披露されました。

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プロボノとは、「仕事で培った専門的なスキルや経験などを活かしたボランティア活動」のことです。ママボノは「ママたちによるプロボノ」で、「育児休暇取得者や子育てなどで離職した方の復職支援プログラム」として認定NPO法人サービスグラントが行っています。
前回育休中ママが社会貢献活動。「ママボノ」キックオフミーティングで垣間見た、その魅力で2016年度ママボノの様子をご紹介しました。3ヶ月に渡るプロジェクトがいよいよ完了するとのことで、12月7日に行われた成果提案・報告会に参加してきました。

 

 

グループの個性を感じた成果報告

キックオフミーティングと同様、たくさんの赤ちゃん達がお母さんと一緒に参加し、会場はとっても賑やかでした。

まずは各チームに分かれ、それぞれの支援先NPO団体に対し、成果報告と提案の説明が行われました。時間がゆったりと取られていたこともあって、支援先団体の今後の発展につながるディスカッションもされていたようでした。

その後、各チーム3分間で全体へ向けて成果物の発表です。完成した成果物や活動の写真などを投影し、それぞれの2か月弱の活動を振り返ります。支援した団体の紹介、プロジェクトの内容、成果物の報告、参加した感想……など、内容の濃さを考えると、とても3分間で発表しきれるものではないのですが、どのチームもしっかりまとまっており、その手腕に驚きました。

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発表用に資料制作をしてきたチーム、メンバー紹介や感想を提示してくれたチーム、成果物をみんなで見せたくれたチーム、表やグラフで説明をしてくれたチーム……、10チームそれぞれ個性があり、成果発表はどれも面白く、興味深いものでした。

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製作した三つ折りチラシを紹介する「一般社団法人ドゥーラ協会」チーム
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成果物を見せてくれた「せたがやチャイルドライン」チーム
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細かいところまで練られた様子が伺える「NPO法人GEWEL」チーム

 

全員が育休中であることを忘れてしまうほどのアウトプット

各チームのプロジェクトの内容は、支援を希望する団体の課題やニーズに沿って事前に決められていたのですが、「実際にヒアリングしてみて、それだけでは不足だと思い……」と、支援先の希望以上の成果を提出しているチームが多かったことに、とても驚きました。実は、ひとチームくらい「残念ですが、やり切れませんでした」というチームがあるのかな、と思っていたのです。発表を聞いているうちに、「全員が育休中」だということをすっかり忘れてしまうほど、成果は目を見張るようなできでした。

アンケート調査を実施し、今までサービスグラントさんが扱った最高記録の300件をはるかに超える1000件もの回答を集めた、「めじろ台町会連絡協議会」チームが提出した成果物は、パワーポイントで40ページもある大作だったそうです。「最後の10日間くらいは、ほぼ毎日コンタクトを取り合い、濃密な時間を過ごしました」とのコメントに、充実した時間を過ごした達成感はどんなものだろう……、と羨ましく思いました。

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母親になった視点から、町会に寄り添った調査を展開した「めじろ台町会連絡協議会」チーム
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素敵な資料を作ってきた「働く女性の全国センター」チーム
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積極的な活動の様子が伺える「第20回全国シェルターシンポジウムin東京 実行委員会」チーム

 

すでに職場復帰したメンバーも

「お久しぶりですー!」と明るく声をかけてくれた、「市民のためのがん治療の会」の皆さん。キックオフミーティングでインタビューさせていただいたチームです。「あれ?人数が少ない?」 なんと7人のメンバーのうち、既にお2人が育休を終え、復職されたのだそうです。代表の會田さんも所用があり参加できず、また後日改めて成果報告会を行われるとのことでした。

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5人となってもチームのパワーは衰えることなく、元気いっぱい。復職されたお2人とも密に連絡を取り合っているそうです。最後まで7人でやり遂げられた皆さんの、結束力の固さをとても感じました。本当に素晴らしいチームです。

 

「ママボノ」参加者の感想は、大変だった、でも充実してた!

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手書きのチラシも素敵だった「NPO法人子育てネットワーク・ピッコロ」チーム

成果発表後の「振り返り会」では、チームでそれぞれにメッセージを書いて交換しました。その場で皆さんの感想を聞いてみました。

「とっても楽しかった」「参加して本当によかった」「素敵な仲間と出会えました」「素晴らしい時間でした」と参加したママたちからは、ポジティブな感想ばかりーー。
赤ちゃんを抱えての仕事はみんな初めてで、大変だったはず。ネガティブな意見も1つは聞いてみたいと、「でも、大変だったんじゃないですか?」と少し意地悪な質問をぶつけてみましたが、「はい、大変でした。でも充実していました」という意見を聞いて、筆者はやっと理解できたのです。

そうか。大変だった経験は、辛かったとか嫌だったということと、決してイコールではない。ということに。家族から「またママボノ〜」と文句を言われてしまったくらい、せっせと時間を作ってプロジェクトに励んだことも、「大変だったけど、素晴らしい経験」だった。家事や育児との両立に悩んだことも、復職する時の良いトレーニングになった。「ママボノ」に参加したことが、たくさんの得難い経験をさせてくれたのですね。

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団体のブログでママボノの紹介もしてくれた「NPO法人ぷかぷか」さんとチームメンバー

 

プロボノは立派なキャリアになる

日本財団 中嶋弓子さん

日本財団 中嶋弓子さん

「2016年度ママボノ」を助成した日本財団の中嶋弓子さんは、「まだまだ日本では知られていないプロボノですが、一部海外では立派なキャリアの1つとして認められています。プロボノの担い手として、是非今回の活動を広めていただけたらと期待しております」と語られた上で、「ママボノに限らず、パパに参加していただく"パパボノ"があってもいいと思いますし、そういったまだ見えない社会の可能性を引き出していただき、あたたかい支援の輪が日本中に広がると良いと思います」と。そして最後に「復職後の受け入れ企業様も、積極的にこの『ママボノ』を活用していただきたいです。今回ご参加された皆様のような自助努力をされている方、熱意を持っている方に、平等にチャンスを与えられる社会であってほしいと思います」と締めくくられました。

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今回、2回に渡りママボノの様子を取材させていただきました。たくさんの赤ちゃんがいて、泣いたり、笑ったり、遊んだり……、いつも賑やかでした。ママたちはみんな、あやしたり、授乳したり、オムツ替えたりしながら、時間にも制限があって、荷物もたくさん……。でも、その大変さを感じさせないすごい活動をしていました。プロジェクトに前のめりに取り組んで、大きな成果を上げていました。自助努力を怠らない、熱意のあるママたちが、本当に活躍できるような社会に早くなってほしい。そう強く思いました。

 

「ママボノ」や育休中の過ごし方については、こちらもどうぞ。
育休中にスキルアップも!? 自信を持って復職するための産休・育休のすごし方
育休中ママが社会貢献活動。「ママボノ」キックオフミーティングで垣間見た、その魅力
職場復帰をスムーズに!育休終了前にしておきたい準備と心構え

【お知らせ】
「ママボノ2016」の一般の方向けの報告会が、東京と大阪で開催されます。
ママボノ参加にご関心のある方、女性活躍に関心のある方、それを応援したいパートナーや企業の方は、参加されてみてはいかがでしょうか。

▼「ママボノ報告会 in東京」
日程:2017年2月25日(土)13:30〜16:00
場所:日本財団(虎ノ門)
詳細・申込:http://servicegrant.or.jp/event/index.php?id=205

▼「ママボノ報告会 in大阪」
日程:2017年3月4日(土) 13:30〜16:00
場所:ブリーゼプラザ(大阪市北区梅田2-4-9)
詳細・申込:http://servicegrant.or.jp/event/index.php?id=206

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