2017年9月9日 更新

クラウドソーシングで「自分らしい働き方」ができているのはどんな人たち? Lancer of the Year 2017レポート

表彰されたフリーランサーの経験やノウハウが語られました

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「Lancer of the Year 2017」(以下、LOY2017)は、クラウドソーシングサービス「Lancers」で仕事を得ている個人のフリーランスの中でも、特に高評価を得た人たちを表彰するイベント。受賞者たちはどんなきっかけで働き方を変えたのか。そこには私たちが新しいワークスタイルを考えるうえでのヒントがありました。

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LOY2017受賞者にみる常識に縛られない「自分らしい働き方」

「Lancers」で高い実績を出した人たちへ贈られるLOY2017。受賞者たちはそれぞれの「働き方」をどのように見つけたのでしょうか。

 

「仕事か家庭かの2択ではない」3つ目の新しい働き方

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「ルーキー賞」を受賞したライターの赤枝加奈子さんは、結婚を期にそれまでの仕事を辞めてフリーランスへ。今や多数のクライアントを抱える売れっ子ライターの彼女が転身した理由は、「毎日終電で帰るハードな日々に『年を重ねてもこのまま働き続けられるのか』という不安と疑問が常につきまとっていたから」だそう。そこでLancersへ登録し、フリーランスの道を歩むことに。

「フリーランスになって1年。女性にとって仕事とは、『仕事か家庭かの2択だけではない』ことが分かったのが大きな収穫です」と赤枝さん。今の日本では、この2択に迫られる女性は多くいます。「仕事か家庭か」を選ぶのではなく、新しい働き方で両立することを選択した彼女は、「ライター業は主婦業との兼業や副業に選んだわけではなく、あくまで専業です。今後の目標は自身の収入で生計を立てること。私の仕事が日本の社会で少しでも役に立つことになれば嬉しい」と意気込みを語っていました。

 

仕事をずっと「好き」でいるために、それぞれが選んだ働き方

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クライアントからもっとも高評価を得た人へ贈られる「クライアント賞」を受賞したのは、グラフィックデザイナーの春田雄一朗さん。彼も赤枝さん同様、会社員時代は過酷な労働環境にあったそう。「好きな職業なのに、仕事を好きになれないというジレンマを解消するために独立しました」と春田さん。「クライアントの役に立てるクリエイターとして、クライアントが求める以上のものを提供したい」と語る彼は、「仕事が好きという純粋な気持ちをキープし続けること。それがクリエイターにとって一番必要なことであり、スキルアップへつながる」と言います。

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また、副業や兼業を目的としたフリーランスへ贈られる「パラレルワーク賞」を受賞したウェブデザイナー兼イラストレーターの岡直哉さんは、本業であるハウスデザイナーとしてスキルアップを目指したことがきっかけだったそう。「本業ではクライアントと接触する機会がなく、自分の実力は社外でどこまで通用するのかという疑問が芽生え、そこに挑戦したくなったんです。結果、さまざまなクライアントと会うことで交渉の仕方などが身につき、「社内では得られなかったスキルを得ることができました」と岡さん。フリーランスでの仕事は本業にも良い影響があったようで、「会社でも実力や経験値が大きく成長し、自分の仕事に自信を持てるようになりました」とのこと。

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その他にも、「仕事を好き」でいるために新しい働き方を開拓したのは、「次世代ワーク賞」を受賞したエンジニア兼アプリクリエイターの鈴木光行さんです。

ゲーム会社でエンジニアとして就業したのち、ベンチャー企業を創業したそうですが、「慣れない社長業に疲れてしまいました。経営しかしていないことに嫌気がさした」という鈴木さんは、大好きなエンジニア業に専念するために、フリーランスになることを決意。同時に、趣味でアプリ開発も始めたいと思ったそうです。「マルチタスクが苦手なので、両立は難しいと思った」という彼は、1年の半分を受託開発のエンジニア業に、残り半分は自分が作りたいアプリの開発に費やす「二毛作」の働き方を実行。

「好きな仕事で一番の悩みといえば、『やりたい事と求められる事が一致しない』ことではないでしょうか。これを解消するために、副業をすることは選択肢の一つです。私が選んだ『二毛作』は、両方の仕事のパフォーマンスが上がり、相乗効果を生むことができました 」と鈴木さん。

 

仕事に振り回されず、好きな場所で自由に働く

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クリエイターの仕事は、都会にいないとできないわけではありません。プライベートを充実させるために、東京を離れたウェブデザイナーのヒカゲヒトミさんは、「I・Uターン賞」を受賞。去年に引き続き、2年連続受賞となりました。

ウェブ制作会社を渡り歩き、すでにフリーランスとして活躍していたヒカゲさんですが、「いつからか、東京で働き続けることへの息苦しさと、若い世代に追い越されていく恐怖を感じるようになった」そう。そこで、「愛犬とゆっくり暮らしたい」と考え、2014年に北海道へ移住。北海道を選んだのは、「完全に思いつき」というヒカゲさん。

「東京には仕事があふれていますが競争相手も多く、抜きん出るためには、人一倍の努力が必要です。生活のために仕事をするのではなく、『仕事のために生活をしている』状況に疲れてしまいました」と語る彼女ですが、移住後はそれまで感じていた疲労感や息苦しさから開放され、その結果、東京にいた頃よりも仕事が増えたそうです。

「私にはウェブデザイナーとして特別な能力やセンスがあったわけではありません。それでも仕事を続けているのは楽しいから。100人いれば100通りの迷いや悩みがあると思いますが、ひとつひとつを乗り越えていくことが自分の自信につながると思います」

働く場所を問わない働き方は、高齢化社会による介護問題や少子化による労働者不足が深刻化する日本で、もっとも注目されていることではないでしょうか。今後、こうした働き方が充実することで、「仕事がしたいのに辞めなければならなくなった」という人たちが減っていくことを期待したいと思いました。

 

クライアントとの関係性がカギ。クラウドソーシングを使った働き方のコツ

授賞式後は、歴代受賞者を迎えてのパネルディスカッションを開催。現在もLancersで活躍中のライター・鈴木直人さんとHTMLコーダー・今村優さん、2年連続受賞となったヒカゲヒトミさんの3人が、「現在のフリーランスの実態」をテーマにそれぞれの経験や思いを語りました。

 

クラウドソーシングを選ぶ理由

ランサーズが実施した「フリーランス実態調査2017」によると、副業者なども含む広義のフリーランサーは年々増えており、現在日本には1000万人以上いるそうです。その中でも、「クラウドソーシング」という時代に先駆けた働き方を始めたのはなぜなのでしょうか。
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約4年前からLancersで仕事を始めたという鈴木さんは、自身の病がきっかけだったそう。 「病を抱えながら社会とつながっているためにはどうすればいいだろうと考えた時に、友人から『ライターという仕事があるよ』というアドバイスをもらいました」とのこと。

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2年半前から働き始めた今村さんは、ウェブ制作会社の会社員から転身。「夜遅い帰宅や、休日出勤が当たり前という働き方をなんとかしたかった。そこで、スキルを活かしてHTMLコーディングを始めてみよう」と思い立ったそう。

 

収入や受注量を増やすノウハウ

きっかけはさまざまですが、かなり早い段階からクラウドソーシングでフリーランスを始めた3人。収入や仕事の量、内容など、納得いく状態になるまでにはどんな工夫があったのでしょうか。

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それまでライター業は未経験だった鈴木さん。最初の仕事は「単価の安い仕事がメイン」だったそう。「時間と収入が合わなくて、モヤモヤしていたことも。ライティングの経験がありませんから、実力もないわけです。そこで、時間や収入を気にせず、ひとつひとつの仕事を納得がいくようにとことんやろう、と切り替えました」とのこと。その後は徐々に効率が上がっていき、収入も比例して上がっていったそうです。

一方、「初めの頃は、受注の少なさで苦労した」という経験者の今村さんは、「実績を上げることを重視して取り組んだ」と言います。それは、「発注側であるクライアントの立場で考えたら、実績の有無が受注するかどうかの判断に大きく関わると思ったから」だそうで、「そのため、得意分野以外の仕事も、積極的に行うようにしていました」とのこと。

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また、受注の仕方を変えて仕事が増えたのはヒカゲさん。「コンペ形式は私には合っていなかったようで、仕事はほとんど取れませんでした。それよりもクライアントへ提案をして、やりとりしながら請け負う仕事が向いていると気付きました」という彼女は、クライアントが何を欲しているのか、どんな会社(人)なのかなど、事前調査は欠かさず行うそうです。

それぞれ方法は異なりますが、大切なのは仕事へ取り組む積極的な姿勢と、クライアントの立場で仕事を考えられること、さらに自分にはどんな仕事の仕方が合っているのかを見つめる客観性は共通している部分ではないでしょうか。

 

クライアントが安心できる信頼関係が重要

どこでも仕事ができるクラウドソーシングは、仕事の可能性を広げてくれる反面、クライアントには「どんな人が仕事をしているのか」「本当に仕事を完了してくれるのか」という不安がつきまといます。これを解消させるのも、仕事を請け負う上でとても重要なことだそう。

「仕事を依頼されるには、とにかく『安心感』があること。相手のことだけではなく、自分がどんな人間かも分かってもらうことで、信頼関係が築けると思います」とヒカゲさん。 今村さんも、「実績も大切なことですが、それ以上に人間性も問われます。クライアントがどんな人間に依頼したいかを常に考えて仕事をしています」と、力説されていました。

 

大切なのは自分が納得できる働き方であること

最後に、「今後、クラウドソーシングによる働き方を考えている人へのメッセージをお願いします」という司会者へ対する、ヒカゲさんの言葉が印象的でした。

「毎日の暮らしで、無駄なものは絶対にないんです。それを生かせるかどうかは、経験してきたことの中から、それらをいかに貪欲に身につけられるかにあると思います。形にならないことでも、コツコツ続けるのが大事です」

これはフリーランスに限らず、さまざまな働き方をしている全員にいえることではないでしょうか。生活は人それぞれ。大切なことは「自分が納得できる働き方」をしているのかどうかにあると思いました。働き方に「こうでなければならない」ということはなく、少し考え方を変えるだけで、それぞれに合った充実した働き方を見つけることができるのかもしれません。

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