2017年3月2日 更新

「働き方改革担当大臣」の誕生、私たちの働き方にどう影響?

2016年8月3日に発足した第3次安倍第2次改造内閣では、「働き方改革担当大臣」という新しいポストができました。その狙いや、私たちの働き方に与える影響を解説します。

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安倍首相は8月3日の記者会見にて、今回の内閣の最優先課題は「経済」、新しい3本の矢を放つ的として「戦後最大のGDP600兆円」、「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」を掲げ、それを実現するための最大のチャレンジが「働き方改革」であり、そのために新たに「働き方改革担当大臣」を設けたと説明しました。

任命されたのは、加藤勝信 衆議院議員。「働き方改革担当大臣」の他に、以下の大臣を兼務しています。

加藤勝信大臣

加藤勝信大臣

  • 一億総活躍担当
  • 女性活躍担当
  • 再チャレンジ担当
  • 拉致問題担当
  • 内閣府特命担当大臣(少子化対策担当)
  • 内閣府特命担当大臣(男女共同参画担当)

これらは今回の内閣改造前から加藤氏が担当しているもので、「拉致問題」以外は働き方に大きく関係する役割ばかりですね。加藤氏がさらに追加で「働き方改革担当大臣」を担うことになった背景には、何があるのでしょう?

 

 

そもそも大臣とは? 新しい大臣ポストはどうやって決まる?

そもそも大臣にはどんな種類があって、それはどうやって決められるのでしょうか。

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大臣の種類は3種類

大臣(国務大臣)は内閣を構成するメンバーのことで、内閣総理大臣を除くと、大臣は以下の3種類に分かれます。

  1. 中央省庁の長
    総務省の長である総務大臣、文部科学省の長である文部科学大臣など。
  2. 内閣府特命担当大臣
    「沖縄及び北方対策担当」、「金融担当」、「消費者及び食品安全担当」の3つと、それ以外のある程度永続的な課題に対応するために内閣府に設置される役割。
  3. 内閣の担当大臣
    オリンピックなどの短期的な重要政策課題について内閣官房に設置される役割。

日本という国を会社に例えると、内閣総理大臣が社長で、大臣が会社の幹部だと考えると分かりやすいでしょう。
そうすると、
「1.中央省庁の長」は、総務部や営業部のような部署の部長、
「2.内閣府特命担当大臣」は社長直轄でかつ長期的な課題解決に当たる責任者、
「3. 内閣の担当大臣」は短期的かつ重用なプロジェクトの責任者

だと言えます。

 

大臣を任命するのは首相

各大臣は、内閣総理大臣(首相)によって任命されます。新内閣発足時にどんなポストを用意し、誰を任命するかは、首相の意思が強く反映されるわけです。
特に、「3. 内閣の担当大臣」は、首相が「自分が首相の間に解決の道筋を付ける」と考えている重用課題を表していると考えられるでしょう。

 

「働き方改革担当大臣」が設置された意味

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加藤氏の場合、「2.内閣府特命担当大臣」として「少子化対策担当」と「男女共同参画担当」を担い、それ以外の役割は「3. 内閣の担当大臣」として担っています。
つまり、「働き方改革」、「一億層活躍」、「女性活躍」、「再チャレンジ」、「拉致問題」は、安倍政権において「早期に解決すべき課題」と位置づけられているわけです。

安倍首相は記者会見で、「働き方改革」で実施することとして、「長時間労働の是正」、「同一労働同一賃金の実現」、「最低賃金の引上げ」、「高齢者への就労機会の提供」に言及しました。

実はこれらは、2016年6月2日に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」にすでに盛り込まれていることです。加藤氏はすでに「一億層活躍担当大臣」でもあるのでその役割の中で実行すれば良いような気もしますし、そもそも労働条件や労働環境を整備する機関としては厚生労働省がありますから、さらに「働き方改革担当大臣」まで作るのは屋上屋を架すような印象を受けます。
それでも新たな大臣職を設けたのは、安倍首相がそれだけ「働き方改革」の重要性をアピールし、推進したいという意思が表れているのでしょう。

 

(次ページ:「働き方改革」 今後の動きと私たちの働き方への影響

 

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