2017年8月15日 更新

20代、40代、80代が語るフリーランスである理由〜人生100年時代に向けて〜

フリーランスを選んだそれぞれの思い、実践が語られました

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先日行われたイベント「『LIFE SHIFT』~あなたの人生も、100年つづく~ 20代、40代、80代の実践者が語る、長寿時代のLife&Work」では、これからの時代の働き方や、世代別にライフスタイルを語るトークセッションが行われました。

『LIFE SHIFT』日本語版の担当編集者が、「人生100年時代」に向けて日本の課題や個人でできる備えについて語った前半に続き、後半は、20代、40代、80代のフリーランサーが登壇し、ライフとワークについてのディスカッションが行われました。それぞれ異なる世代を生きる3人は、どのような経緯でフリーランスになり、今、何を感じているのでしょうか?

 

 

20代で起業したのは、「不安よりもやりたい気持ちが勝ったから」

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20代のフリーランサーとして登壇したのは、山田祐太さん。現在23才である彼は、大学へ入学するも、アパレル通販の事業を始めるために中退。しかし、事業は1年も経たずに廃業を迎えてしまいます。その後は、通販サイトを制作した時に外注したECサイトに興味を持ち、WEBディレクターの勉強を開始。現在はランサーズで仕事を請けるフリーランサーとなったそうです。2015年にはその実績が認められ、ルーキーランサー賞が贈られました。

「周囲が大学を卒業して就職していく中で、自分の道に不安はありませんでしたか?」という問いに対して、「不安や恐怖はむちゃくちゃあったけれど、それよりもやってみたい気持ちのほうが強かった」と山田さんは言います。また、20代のデジタルネイティブ世代である彼には、周囲の同年代の働き方や、30代以降の年代へ対しての価値観のギャップなどにも質問が寄せられました。

「(30代、40代の人との)ギャップは……どうですかね。同年代でも価値観の違いを感じているのは確かです。一生同じ会社で働きたいという人もいれば、フリーランスへ向けて勉強している人もいるので、本当に人それぞれという印象ですね」

 

長く働き続けるためには、「好き」を仕事にすることが大切

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石水修司さんは、愛媛県出身の48歳。大手食品会社で研究員として、基礎研究や商品開発に従事してきたそう。しかし、独立後はCG(コンピューター・グラフィックス)制作や映像関係を軸に活動しています。20代の山田さんとの大きな違いは、家庭がある状況での独立であったという点。

「私にはすでに妻も子どももいましたし、貯金も決して多いほうではありませんでした。ですから、独立したことで収入が発生しないというのは許されなかったんです」

そんな石水さんが、会社員を辞めてまで独立を選んだ理由は、「長く働くための選択だった」そう。

「このまま研究員として定年退職まで働いた後、退職金と年金だけで生活ができるかと考えた時に、それは無理だと感じたんです。そして、貯蓄を増やすことよりも、毎月決まった額を稼ぎ続けられる能力のほうが大切だと気付きました。そこで、長く続けられる仕事はやはり自分が好きなことではないかと。ある程度の収入を見込めることも分かったので、独立を決意したんです」

そう語る石水さんは、現在、VR(バーチャル・リアリティ)開発を含めたコンテンツ事業も展開しており、さらなるステップアップへ向けて準備中だそうです。

 

生涯現役でいるためには、「経験」と「やる気」が必要

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80代でフリーランス業をこなしているのは、島村泰治 さん。終戦から10年後に念願だったアメリカ留学へ。そこで2つの大学を卒業し、さらにL.A音楽院を修了すると、帰国後は総合誌「自由」の編集をしながら、駐日ノルウェー大使館で主席通訳および翻訳官と情報分析をこなしたそうです。定年退職後から現在は、さまざまな書籍の翻訳をこなすかたわら、原書購読講座を主宰。自身でも書籍を出版、新聞でコラムの連載をするなど多岐にわたり活躍をされています。

「現在、シニア世代へ向かうことに不安を覚える人も多い中、島村さんのように生涯現役を貫くためにはどうすればいいですか?」という質問に対して、「経験とやる気が大切だ」とおっしゃいます。

「人間は生まれた時には誰しも経験値はゼロ。歳を重ねながら経験は増えていくものです。私が渡米したのは、(戦争で日本が)負けたアメリカなら自身の経験や知恵を育てられると思ったから。当時は本当にさまざまなものがありました。そこで得られたのは、やる気というパワー。そして、そこへ加えて経験も増えていきます。この2つが仕事へ向かわせるのではないでしょうか」

そう語る島村さんは、傘寿を期に自身のホームページを開設するなど、仕事以外でも常に新しい分野へのチャレンジ精神を持ち続けています。

 

人生100年時代を生きるために大切なこととは

フリーランスという共通点はあるものの、それぞれの世代によって「働き方」への考え方はさまざまです。しかし、そこには前半のトークセッション(前編にリンク)でも語られたように、自分の置かれた環境や経験から得られた価値観、ひいては、「好き」を仕事にするためのヒントがあるように思えました。人生100年時代を生き抜くためには、仕事はなくてはならない大切なツール。これからもどんどん革新されていくであろう世の中で充実した人生を送るために、年齢を問わずに新しいことへチャレンジしていく気持ちを持ち続けていきたいと感じました。

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