2016年7月20日 更新

リモートワークで自分らしい働き方を!みんなで考えた2020年の働き方

「リモートワークジャーニー」というイベントに参加してきました。オフィスに行かないで仕事をする「リモートワーク」のメリットや課題を実践者に聞いたり、自分らしい働き方ができる社会を作る方法についてみんなで考えたり、とても有意義だった会の内容をご紹介します。

97,776 view

実践者が語るリモートワークのメリットと課題

イベントの前半では、参加者同士が「『自分らしい働き方』を実現する上で大事なことって何だろう?」をテーマに短い対話をした後、パネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションでは、倉貫さん、中山さんに、サイボウズの佐藤学さん、ダンクソフトの中香織さんを加えた、4人のリモートワーク実践者が今の働き方に至った経緯や、リモートワークのメリット、課題などを話し合いました。

サイボウズ 佐藤学さん

佐藤さんは、仕事で海外にいて妻の出産に立ち会えなかったことが、人生の目的や家族について真剣に考えるきっかけになったと振り返ります。それまではかなりの仕事人間だった佐藤さんですが、人生の目的は幸せになることであると認識したことで、保育園でお父さんの会を作るなど子育てに多くの時間を費やすようになったのです。子育てに加え、自分の会社の経営とサイボウズの仕事も両立されるなどかなり忙しそうな佐藤さんですが、それが可能なのは、サイボウズが導入している「ウルトラワーク」(働く時間と場所を自由に選べる制度)の恩恵が大きいでしょう。

「私にとってリモートワークは、生きていく手段であり、仕事のスタイル。今は女性が子育てのために取り入れることが多いですが、これからは男性もそういうワークスタイルを選べる、そんな時代になっていくのだと思います」(佐藤さん)

中さん

子どもを保育園に入れることができず、育休を延長しようと考えていたら、会社から「在宅勤務でやってみたら」と提案があり、2008年にリモートワークを始めた中さん。当時は中さんが唯一のリモートワーカーだったので肩身の狭い思いもしたけれど、東日本大震災を機に会社全体でリモートワークを取り入れるようになってからは、出社しているのと変わらないくらいのコミュニケーションが取れるようになったそうです。

リモートワークの利点は、通勤しなくてよい、どこにいても働けるということの他に、オンとオフの切り替えが即座にできるという点があります。中さんも、仕事の合間に夕飯の準備やママ友と会う時間を作るなど、プライベートな用事をうまく組み込み、効率的な時間の使い方をしているようです。

中山さんも、「生活の中に子どもがいて、仕事がある。それを別で考えるのはナンセンス」だと言います。リモートワークをするようになって、子どもを習い事に連れて行って、終わるのを待つ間に仕事ができるようになったのも、とても助かっているそう。一方で、スマートフォンなどで仕事の情報が常に入ってくるという状態から、ずっとオンになってしまう傾向もあり、どうやってバランスを取るのか試行錯誤中だとのことです。

リモートワーカーをマネジメントする立場である倉貫さんは、リモートワークを取り入れたら、仕事量、仕事時間、成果をどれだけ出すかは各自に任せるしかない。逆に言えば、それができる人にしかリモートワークはできないと言います。そのため、ソニックガーデンでは新入社員にはリモートワークを認めず、会社に来て仕事のやり方を学んでもらうそうです。「若いうちは成果を求め過ぎるとつぶれてしまうので、時間で管理する。一人前になって成果と時間を逆転できるようになったときが、リモートワークができるとき」という言葉が印象的でした。

こういった話を聞いた後、参加者同士のディスカッションでは「時間ではなく成果で評価するというリモートワークでは、成果をどう測るのか、何をもって成果とするのかが不安」という意見が出ました。

これについて倉貫さんは、ソニックガーデンでは評価すること自体をやめたと話します。

「個人で仕事をしているときは、クライアントから報酬がもらえたらそれが成果なんですよね。会社とかチームで仕事をしているとき、誰がどのくらい働いたのかを評価するかが難しいのですが、僕らの会社では評価をするのをやめました。みんなちゃんと働いていることを信じて、その前提で会社を回す。新人は別として、一人前になるとみんなほとんど給料が一緒です。賞与もみんなで山分けなので、みんなが頑張って売上と利益が上がれば、報酬も上がるのです。頑張った人と頑張らなかった人で報酬を変えないと頑張れないのではないかと思われるかもしれませんが、そんなことはないんです。そこは、まじめに働く人を採用すれば問題ないんじゃないかと思います」(倉貫さん)

倉貫さんの話からは、リモートワークという新しい働き方を取り入れることは、会社の経営の方法自体を変えていくということなのかもしれないと気付かされます。

みんなで考えた、働き方に変化をおこす方法

イベントの最後は、参加者みんなで「『自分らしい働き方』の実現が当たり前になる社会」を作る方法について考えました。

まずはひとりひとりが「こんな変化を起こしたい!」というテーマを掲げ、一緒に考えたい仲間を探して4〜5人のグループを作りました。その後に「未来レポート」という形で、自分たちが望ましい変化を起こせた2020年はどんな世界になっているのかを、模造紙にまとめました。

グループワーク

グループは7つでき、それぞれの案が出揃ったところで、みんなで投票。その結果、以下の案がベスト3に選ばれました。

・「ところで今日どこ?」
場所の管理がなくなり、信頼関係のあるメンバー同士「ところで今日どこ?」という軽い雑談のような確認だけで、仕事ができる状態が実現しているという未来像です。そんな変換の背景には、「エースの不在」や天災や事故など、オフィスに来れなくても仕事できるね、と気付かされる出来事があった、というストーリーが秀逸ですね。

ところで今日どこ?

・「リモートワーク認証制度」
国が認証する「Rマーク」が運用されていて、適切なリモートワークのあり方が共有されるようになっているという未来像です。その背景には、「過剰に働かせるリモートブラック企業」の存在や、「8時間労働を前提としたこれまでの法制度が合わない」といった、近い将来リアルに起きそうだと思われる課題が考えられていました。

リモートワーク認証制度

・「地方で素敵に働く」
大学卒業後は東京に出てこないと就職が難しいと考える人が多いのが現状ですが、リモートワークができることで地方でも若者が成長できる環境が整い、誰もがやりたいことを、やりたい場所でできるようになるという未来像です。これを考えたグループは、地方出身であったりキャンピングカーで各地を回るのが趣味だったりということで、「地方で仕事ができる未来を作る」というのを自分ごととして考えたことが、ステキな案につながったのでしょう。

地方で素敵に働く

同じ課題意識をもったたくさんの人が話し合うことで、とても前向きでバラエティに富んだアイデアが生まれるのですね。このイベントに参加して、働きやすい社会への変化を「待つ」のではなく「起こす」、そんな姿勢で良い未来を作っていきたいと、思いを新たにしました。

28 件

この記事を読んだ人におすすめ

地元で自分らしい働き方をするには?リモートワークジャーニー@釧路参加レポート

地元で自分らしい働き方をするには?リモートワークジャーニー@釧路参加レポート

2016年7月23日、北海道・釧路で開催された「リモートワークジャーニー」に参加してきました。
IT業界で働く女性の悩みや工夫とは? 女性技術者支援WiTのオンライン定例会

IT業界で働く女性の悩みや工夫とは? 女性技術者支援WiTのオンライン定例会

企業やフリーランスで働く女性IT技術者・研究者を支援する「WiT」の定例会にskype参加してきました。 各企業の努力により、徐々に女性技術者を取り巻く仕事環境も良くなりつつあるそうですが…。
鈴木 せいら | 714 view
会社員も好きな場所で働きたい!実践者に学ぶリモートワーク導入のポイント

会社員も好きな場所で働きたい!実践者に学ぶリモートワーク導入のポイント

11月19日に開催されたイベント「リモートワークでひろげよう~リモートワークジャーニー@東京 3rd~」に参加しました。企業へのリモートワーク導入事例や普段の働く様子など、実践されている方たちから聞いたお話をご紹介します。
宇野まきこ | 484 view
夫の地方赴任を乗り越え、転職に成功! リモートワークでチャンスを掴んだ話

夫の地方赴任を乗り越え、転職に成功! リモートワークでチャンスを掴んだ話

6月27日に開催された「リモートワークジャーニー@TOKYO 2nd」では、株式会社LiBの松永佐和子さんが、愛媛県へ転居の予定がありつつ東京の同社に中途入社し、リモートワークにチャレンジした話がシェアされました。
やつづか えり | 1,159 view
中国地方のリモートワーカーが集合!リモートワークジャーニー@広島開催レポート

中国地方のリモートワーカーが集合!リモートワークジャーニー@広島開催レポート

リモートワークの認知向上とより良いアイデアの共有を目指し、全国各地で開催されている「リモートワークジャーニー」。今回は2016年6月25日の広島でのイベントについて、主催者の安藤光昭さんにレポートしていただきました。

この記事のキーワード

この記事のライター

やつづか えり やつづか えり