2016年7月20日 更新

リモートワークで自分らしい働き方を!みんなで考えた2020年の働き方

「リモートワークジャーニー」というイベントに参加してきました。オフィスに行かないで仕事をする「リモートワーク」のメリットや課題を実践者に聞いたり、自分らしい働き方ができる社会を作る方法についてみんなで考えたり、とても有意義だった会の内容をご紹介します。

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リモートワークジャーニー

「リモートワークジャーニー」は、「リモートワークの認知度向上と、取り組む人と企業を増やすこと」を目的に、全国各地でアイデアを出し合い、共有しよう! というイベントです。私は、4月9日に東京で開催されたものに参加しました。

詳しい開催概要やイベントの趣旨はこちら ↓

リモートワークから『自分らしい働き方』の実現を考えるフューチャーセッション 〜リモートワークジャーニー@東京 | OUR FUTURES

リモートワークから『自分らしい働き方』の実現を考えるフューチャーセッション 〜リモートワークジャーニー@東京 | OUR FUTURES

リモートワークとは?

「リモートワーク」とは、オフィスに通勤せず、自宅やコワーキングスペース、カフェなど、その人にとって都合の良い場所で仕事をすることを言います(「テレワーク」も同じ意味で、特に自宅で仕事をする場合は「在宅勤務」とも言います)。インターネットを使えば離れた場所にいてもコミュニケーションや情報共有がしやすくなってきたことから、このようなワークスタイルをとる人が増えてきました。

株式会社ソニックガーデン 倉貫義人さん

イベントの主催者のひとりである倉貫義人さんは、ご自身が経営する株式会社ソニックガーデンで全面的にリモートワークを取り入れています。事務所は東京にありますが、ソニックガーデンで働きたいと思った人はどこに住んでいても応募することができますし、もともと事務所で仕事をしていた人も、いつでも好きなときにリモートワークに切り替えることができるのです。

リモートワークは会社員の新しい働き方の切り口になる

現時点では、リモートワークを実践するのは個人で仕事をするフリーランサーが多いでしょう。ですが「リモートワークジャーニー」では、会社やチームに所属して働く人たちの新しい働き方の切り口としてのリモートワークに注目しています。なぜなら、数の上で大きな割合を占める会社員の働き方を変えることが、社会を変えていく大きな力になると考えるからです。

リモートチームでうまくいく

リモートワークが可能になったことで、ソニックガーデンの人たちは組織に属する安心感や助け合える仲間の存在を得ながら、自分の好きな場所で仕事ができる自由を手に入れることができるようになりました。倉貫さんは、そのようなメリットや、リモートワーカーたちがチームとして成果を出すためのノウハウをまとめ、『リモートチームでうまくいく』という本を出版されています。

中山亜子さん

今回倉貫さんに声をかけて「リモートワークジャーニー」を立ち上げた中山亜子さんは、札幌在住のシングルマザー。昨年まで地元企業でフルタイムで仕事をしていたけれど、夜遅く仕事から帰ると小学生のふたりの子どもは寝てしまっている。このまま親子がきちんと向き合う時間をとれないまま思春期を迎えたら子どもたちはどうなってしまうのか−―、そんな危機感をもって、働き方を変える決心をしたそうです。今は、リモートワークができる東京の会社(ラフノート株式会社)に転職し、札幌の自宅で仕事をしています。中山さんは、「女性は特に、結婚、出産、介護など、ライフステージによって働きたいのに働けないというつらい状況になりやすい。私もそうでした。だから『こんな新しい働き方があるよ』と、実践者として伝えることで、悩んでいる人たちの背中を押したい」と語ります。

北海道に住みながら東京の会社で働く。場所に制限されないリモートワークは働くママの味方 - くらしと仕事

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中山さんへのインタビューです。こちらもぜひご覧ください。

実践者が語るリモートワークのメリットと課題

イベントの前半では、参加者同士が「『自分らしい働き方』を実現する上で大事なことって何だろう?」をテーマに短い対話をした後、パネルディスカッションが行われました。

パネルディスカッションでは、倉貫さん、中山さんに、サイボウズの佐藤学さん、ダンクソフトの中香織さんを加えた、4人のリモートワーク実践者が今の働き方に至った経緯や、リモートワークのメリット、課題などを話し合いました。

サイボウズ 佐藤学さん

佐藤さんは、仕事で海外にいて妻の出産に立ち会えなかったことが、人生の目的や家族について真剣に考えるきっかけになったと振り返ります。それまではかなりの仕事人間だった佐藤さんですが、人生の目的は幸せになることであると認識したことで、保育園でお父さんの会を作るなど子育てに多くの時間を費やすようになったのです。子育てに加え、自分の会社の経営とサイボウズの仕事も両立されるなどかなり忙しそうな佐藤さんですが、それが可能なのは、サイボウズが導入している「ウルトラワーク」(働く時間と場所を自由に選べる制度)の恩恵が大きいでしょう。

「私にとってリモートワークは、生きていく手段であり、仕事のスタイル。今は女性が子育てのために取り入れることが多いですが、これからは男性もそういうワークスタイルを選べる、そんな時代になっていくのだと思います」(佐藤さん)

中さん

子どもを保育園に入れることができず、育休を延長しようと考えていたら、会社から「在宅勤務でやってみたら」と提案があり、2008年にリモートワークを始めた中さん。当時は中さんが唯一のリモートワーカーだったので肩身の狭い思いもしたけれど、東日本大震災を機に会社全体でリモートワークを取り入れるようになってからは、出社しているのと変わらないくらいのコミュニケーションが取れるようになったそうです。

リモートワークの利点は、通勤しなくてよい、どこにいても働けるということの他に、オンとオフの切り替えが即座にできるという点があります。中さんも、仕事の合間に夕飯の準備やママ友と会う時間を作るなど、プライベートな用事をうまく組み込み、効率的な時間の使い方をしているようです。

中山さんも、「生活の中に子どもがいて、仕事がある。それを別で考えるのはナンセンス」だと言います。リモートワークをするようになって、子どもを習い事に連れて行って、終わるのを待つ間に仕事ができるようになったのも、とても助かっているそう。一方で、スマートフォンなどで仕事の情報が常に入ってくるという状態から、ずっとオンになってしまう傾向もあり、どうやってバランスを取るのか試行錯誤中だとのことです。

リモートワーカーをマネジメントする立場である倉貫さんは、リモートワークを取り入れたら、仕事量、仕事時間、成果をどれだけ出すかは各自に任せるしかない。逆に言えば、それができる人にしかリモートワークはできないと言います。そのため、ソニックガーデンでは新入社員にはリモートワークを認めず、会社に来て仕事のやり方を学んでもらうそうです。「若いうちは成果を求め過ぎるとつぶれてしまうので、時間で管理する。一人前になって成果と時間を逆転できるようになったときが、リモートワークができるとき」という言葉が印象的でした。

こういった話を聞いた後、参加者同士のディスカッションでは「時間ではなく成果で評価するというリモートワークでは、成果をどう測るのか、何をもって成果とするのかが不安」という意見が出ました。

これについて倉貫さんは、ソニックガーデンでは評価すること自体をやめたと話します。

「個人で仕事をしているときは、クライアントから報酬がもらえたらそれが成果なんですよね。会社とかチームで仕事をしているとき、誰がどのくらい働いたのかを評価するかが難しいのですが、僕らの会社では評価をするのをやめました。みんなちゃんと働いていることを信じて、その前提で会社を回す。新人は別として、一人前になるとみんなほとんど給料が一緒です。賞与もみんなで山分けなので、みんなが頑張って売上と利益が上がれば、報酬も上がるのです。頑張った人と頑張らなかった人で報酬を変えないと頑張れないのではないかと思われるかもしれませんが、そんなことはないんです。そこは、まじめに働く人を採用すれば問題ないんじゃないかと思います」(倉貫さん)

倉貫さんの話からは、リモートワークという新しい働き方を取り入れることは、会社の経営の方法自体を変えていくということなのかもしれないと気付かされます。

みんなで考えた、働き方に変化をおこす方法

イベントの最後は、参加者みんなで「『自分らしい働き方』の実現が当たり前になる社会」を作る方法について考えました。

まずはひとりひとりが「こんな変化を起こしたい!」というテーマを掲げ、一緒に考えたい仲間を探して4〜5人のグループを作りました。その後に「未来レポート」という形で、自分たちが望ましい変化を起こせた2020年はどんな世界になっているのかを、模造紙にまとめました。

グループワーク

グループは7つでき、それぞれの案が出揃ったところで、みんなで投票。その結果、以下の案がベスト3に選ばれました。

・「ところで今日どこ?」
場所の管理がなくなり、信頼関係のあるメンバー同士「ところで今日どこ?」という軽い雑談のような確認だけで、仕事ができる状態が実現しているという未来像です。そんな変換の背景には、「エースの不在」や天災や事故など、オフィスに来れなくても仕事できるね、と気付かされる出来事があった、というストーリーが秀逸ですね。

ところで今日どこ?

・「リモートワーク認証制度」
国が認証する「Rマーク」が運用されていて、適切なリモートワークのあり方が共有されるようになっているという未来像です。その背景には、「過剰に働かせるリモートブラック企業」の存在や、「8時間労働を前提としたこれまでの法制度が合わない」といった、近い将来リアルに起きそうだと思われる課題が考えられていました。

リモートワーク認証制度

・「地方で素敵に働く」
大学卒業後は東京に出てこないと就職が難しいと考える人が多いのが現状ですが、リモートワークができることで地方でも若者が成長できる環境が整い、誰もがやりたいことを、やりたい場所でできるようになるという未来像です。これを考えたグループは、地方出身であったりキャンピングカーで各地を回るのが趣味だったりということで、「地方で仕事ができる未来を作る」というのを自分ごととして考えたことが、ステキな案につながったのでしょう。

地方で素敵に働く

同じ課題意識をもったたくさんの人が話し合うことで、とても前向きでバラエティに富んだアイデアが生まれるのですね。このイベントに参加して、働きやすい社会への変化を「待つ」のではなく「起こす」、そんな姿勢で良い未来を作っていきたいと、思いを新たにしました。

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