2017年9月9日 更新

国ではなく自分たちの力で「休む力」を高めよう 〜「休み方改革」について考える〜

話題になりつつある「休み方改革」の本質と、私たちがよく休む方法とは?

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7月です。ということは、2017年も折り返し地点を過ぎたと言うことで。

気がつけば、子どもたちは夏休みに突入なわけで。

最近、暑さのせいか疲れも感じているし、このあたりでちゃんと休んで、リフレッシュしておかないと、年末まで走り抜けるイメージが沸かない!(働く大人、心の叫び)

では、どんな休みを、だれと、どこで、どう過ごす? などと考え始めると、それだけでちょっとウキウキしたり、楽しくなります。片隅に「で、いつ、どうやって休みを取ろうかな。……ってか、取れるかな?」の、モヤモヤを感じながらですが……。

「働き方改革」とあわせて、「休み方改革」という言葉も良く耳にするようになった今日この頃。

今回は、働く私たちの休み方について、一緒に考えてみたいと思います。

 

 

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「休み方改革」の目的は意外と(?)魅力的だった

とはいえ、正直に言えば、「休み方改革 = 働き方改革を裏側から攻め込む施策」のような印象もあって、関心も薄く、遠くから眺めていた私です(休み方まで、国からいろいろ言われたくも縛られたくもないし……)。

ですが、改めて厚生労働省主導のワーキンググループ発信の資料を眺めると、

・ 平日の骨休めではなく、人生の最適化のために休むことが必要だ。

・ 短期視点では、日々のリフレッシュで生産性が高まる。

・ 中長期視点では、自分の柱を確立し、第二の人生含め人生全体が充実する。

といったことが目的・ゴールに掲げられており、単に「働く時間圧縮のためにちゃんと休んで!」というより、「質の高い休みで、個々の人生の充実を!」といったメッセージが感じ取れました。であれば、前向きに「休み方改革」に向き合ってみようと思えた次第です。

 

海外リゾートで見た「休めない日本人」

それにしても、「日本人が休まずによく働く」ということは、もはや日本の文化・慣習と言えるレベルで、変えることの難しさたるや、国を挙げて切り込まなければならぬ状態というのは、ちょっと俯瞰して見るとすごいことです。

約20年前、しばらく海外のリゾート地で働いていたことがありますが、欧米各国の旅行客が10日から2週間滞在してひたすらのんびり休んで行くのに対し、日本からのゲストは3泊5日の弾丸旅行で、短い時間を最大限無駄なく忙しく過ごしている(=相対化すると、休んでいるように見えない)というコントラストに、「これが世界から見た日本人の姿の象徴だったりするのか」と、なんとも複雑な、そして不思議な気持ちになったことを思い出します。しかし、何でこんなに休めないんだっけ? 貧乏性? と。

休日の日数が少ないわけではありません。日本の祝日は諸外国に比較しても多く、有給休暇の日数だって平均的です。でも、有給休暇の消化日数(日本は諸外国の3分の1)と、その取り方(細々取るか、まとめて1〜2週間取るか)が、違うのです。

 

どうしたら「本当に休める休み」を取れる?

諸外国の休み方を真似しましょうという訳ではありませんが、「平日の骨休めではない、人生の最適化のための質の高い休みを。」と言われると、やはりある程度まとまった休みを取って、自らのバージョンアップにつながるような過ごし方を と、思いますよね。

では、どうすれば?

1.職場単位で取り組む

有給休暇を取り残す理由を聞いた調査では、「仕事量が多すぎて休んでいる余裕がない」「休みの間の仕事を引き継いでくれる人が居ない」「職場の周囲の人がとらないので取りにくい」がトップ3です。

年次有給休暇取得に対するためらい

年次有給休暇取得に対するためらい

内閣府「休み方改革ワーキンググループ」第1回会議 厚生労働省「休み方改革ワーキンググループ説明資料」より

タイムリーにも、セブン&アイ・ホールディングスが、部署ごとに一斉休暇を取る仕組みを導入すると先日発表しました。休業日は部署ごとの事情や繁閑を考慮して自由に決められるとのこと。

これは、上記のような現状を踏まえると、理にかなった施策だな と、思います。

とはいえ、皆が休める状態を創るための工夫を職場に丸投げでは、うまくいくかどうかはまあまあ疑問です。

先日もこんな相談を受けました。

「効率化に向けて業務を組み替えたり、一部アウトソースしたりも考えるものの、業務の分け方や仕事の切り出し方が難しくて、実現しない」

すごく分かります。

「このやり方、進め方じゃないと、うまくいかない。この仕事とこの仕事は切り離せない。この仕事は、外になんて出せない。ずっと、こうやって成果を上げてきたんだ。」というこれまでの成功体験や慣習に“自らメスを入れる”のは、かなり難易度の高いことです。

実は、思い切って外部の目線を入れてみると、思い切った断捨離プランを提示してもらえる可能性があります(ちなみに、私自身もそのようなご依頼に対して、業務改善プランを提示するようなお仕事もお受けしています)。

また、昨今、フリーランスやパラレルワーカーなどの外部人材を効果的に活用している事例も各社で続々と生まれています。

是非、安易にどこかにシワ寄せるのではなく、業務改革・改善的な動きとつなぎ合わせて取り組んでほしいと思います。

2.個々が“休む力”を高める

一方、国、会社、職場の動きに依存して待っていても、人生の最適化のための休みは舞い降りてこないのも事実。

だから、個々人が“休む力”身につけることも必要です。例えば、こんなことができると、“休む力”は高まります。

1.休みの年間計画を立て、さっさと予約してしまう

決めてしまえば、あとは準備するしかありません。なので、決めてしまう。

我が家は、年初に家族で話し合いをします。今年は、いつ頃、どれくらいの休みをとり、どこへ行くか、何をするか。

その頃になってみないとわからないから……と、決めるのを後回しにするのが、1番ダメです。何も進みません。

2.休みの予定をオープンに共有する

「○月○日から、バケーション取ろうと思います!」と、上司に職場に、共有する。

調査結果を見ても、「周囲の人が休まないと休みにくい」と言ってる人が多いのは事実。誰かが一歩前に踏み出さないと始まりません。そして、結局は色々お互い様。「お互い様」のきっかけを、勇気を持って作り出すのです。

3.プロジェクトマネジメントを頑張る

休むことを前提に、仕事と周囲の関係者を動かし、段取る。色々、前倒しで進める。

状況・環境によってはかなり難易度が高いことも想像されますが、自身のタスク管理力や、プロジェクトマネジメント力を高めるチャンスと思って向き合うのです。

4.自分の仕事を抱え込まない

この仕事は私じゃないと無理! と思っている仕事を振り返る。本当にそうだっけ? と。

自分の仕事を誰かに手渡し、次の、ひとつ上の仕事や役割を取りに行くことこそが、自己成長にも組織の成長にも必要です。

そして、自分の仕事をオープンに共有する。誰でも進捗状況が分かるように管理方法を変えてみる。休む力どころか、仕事の力も高まりそうです。一石二鳥!

 

休んでリフレッシュすれば、生産性も上がる

休みの中で疲れを癒やし、新しい環境に触れたり、経験や学びを得ることで、人としての成長も。そういった休むことの効用は誰も否定できません。

日本人の休みベタを解消するには、まずは個々人が休むことに前向きになることが必要だと感じます。

もちろん、休めない状況を作り出している原因には踏み込んでいくべきなのですが、休めない理由にばかり目を向けるのではなく、休むためにはどうするか?の発想ですね。

そんな個人主導の職場変革が、国主導の動きを上手く活用して、本質的に「休み方改革」を実現していくのだと思います。

さあ、次の休みの予定を立てましょう!

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