2016年9月23日 更新

20代で転職する?しない?(事例編)私が見てきた成功例・失敗例

20代中盤を過ぎると、転職するなら今のうち?と迷う人も増えるでしょう。転職した方が良いのかどうか、する場合はどんな風に転職先を探したら良いのか、後編では、前編で挙げた転職理由ごとに実際の事例を紹介しながら、成功例と失敗例を基にアドバイスします。

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前編で挙げた「よくある理由」3つのケースごとに、私が出会った事例をご紹介します。

まず30代を前に、「このままではまずい」という焦りを感じ、転職を考えるというパターンです。

自分を客観的に見つめ、転職に成功したAさん

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前編では、やみくもに転職先を探すのではなく、まずは現状と転職する場合のメリット・デメリットなどを冷静に把握することがポイントだとお伝えしました。それにより、転職を成功させたのがAさん(29歳/食品メーカー/労務管理)です。

「このままではいけないのではないかとぼんやり感じていた。軽い気持ちで始めた転職活動だったが、自己分析をする際に、会社に残るデメリットを考えていたら業界の将来性に疑問を持った。今後10年後、20年後を考えたときに大丈夫だろうかと不安が残った」

「焦る気持ちをバネに、短期集中で転職活動。在職中で残業もあったが、時間を捻出し自己分析をしっかりと行い、求人も数多く目を通した。自己PRでは、数値を盛り込んだ具体的な仕事の実績と共に、業務の効率化や課題を解決したことなどをエピソード形式でアピールした。自分の得意なことが活かせる企業にこだわり、見つかるまで応募し続けたのが良かった」

Aさんは、絶対に転職を成功させたいという強い気持ちを持っていたことと、今までの職務経験の中から自分ができることを洗い出し、得意なことを上手にアピールする客観的な視点が成功の要因と言えるでしょう。

経歴書に載せないような細かいところまで仕事内容を分析し、自分の強みやできること、経験してきた仕事の内容だけでなく、仕事のやり方や姿勢、意欲もアピールできると良いでしょう。

ただし、ここで気をつけたいのは、「とにかく辞めたい」「一刻も早く次を見つけたい」「20代のうちに転職しないと」という気持ちが先走ると、焦って内定がすぐに出た会社に決めてしまいがちです。心を落ち着けて冷静に判断する目を持ちましょう。

転職のメリット・デメリットを考え、思いとどまったことでキャリアが開けたBさん

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Bさん(27歳/流通/営業企画)は、転職を思いとどまり、結果として良いキャリアにつなげることができた例です。

「仕事と人間関係が辛く悩んでいた。しかし、仕事を辞めたら楽になるだろうなとの思いはあっても、転職のメリットが思い浮かばず、そのまま我慢して仕事を続けていた。あるとき、社内のプロジェクトに自ら手を上げたら、仕事がどんどん面白くなり、人間関係も気にならなくなった」

仕事の醍醐味を知り一生懸命に取り組むと、良い意味で周囲の雑音に耳を貸す暇もなくなってきます。

仕事をする上で、相手が評価や決定権を持つ立場であなたのキャリアに影響を及ぼすという場合を除き、周囲から浮かないよう顔色をうかがったり、他人の目線を必要以上に気にする必要はありません。自分のやるべき仕事に集中し、他人のことが気にならないくらいやりたいことが次々出てくる状態になれば、気にしていたことは些細なことだったと思えるようになるでしょう。

出産・育児などとの両立ができそうだと転職したが、後悔しているCさん

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次に「ライフイベントとの両立が難しそうだから」という理由で、女性活用が進んでいる企業へ転職したが、転職は失敗だったかもと思っているCさん(27歳/生活関連メーカー/総合職)の例です。

「転職した会社はダイバーシティを宣言していて、女性もバリバリ活躍できる。でも、結果重視の風潮で前職より残業も多くなりしんどい。出産、育児との両立も珍しくないが、パワフルウーマンばかりで、自分には無理かもと思った」

一時的なワークライフ・アンバランスも仕事の経験を積むという意味では悪くないですが、残業時間数など、転職を決める前に確認した方が良かったことが抜けていたケースです。

まずは、今の会社で作業時間の短縮や効率化を図り、将来のライフイベントに備えてなんとかできないか、効率化について考えてみることも自分の仕事の経験値を上げる良い機会になります。女性活用はまだ過渡期という企業も多いですし、自分の理想とするロールモデルがいなくても、自分自身が次の時代のロールモデルとなると覚悟を決め、新しい働き方を模索するのも良いのではないでしょうか。

転職するのなら、「ダイバーシティー」など耳障りの良い言葉から「働きやすいはず」と思い込むのではなく、具体的に「自分はどうしたいか」まで考えることです。

制度活用が進んでいるという数字上の話を鵜呑みにせず、制度を使った後どのような様子なのか、もう1歩踏み込んだイメージを確認する必要があったでしょう。福利厚生や勤務条件等に関わる事項は質問しづらいものですが、自分の中で譲れない条件に関することは、上手な質問方法を考えて確認した方が良いでしょう。

やりがいを求めて転職したが報酬面で満足できなかったDさん

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最後に「他にやりたいことがある」とやりがいを求めて転職を考えたが、給与面などが前職より下がったことなどが思いのほか痛手だったというDさん(25歳/サービス/営業)の例です。

「やりがいがないので転職したが、自分は何に対してやりがいが湧くのかがわかっていなかった。給与面よりやりがいを重視したが、バランスも大事だなと痛感した」

Dさんは、適切な自己分析ができなかったことが失敗の原因の1つでしょう。

やりがいを第一に求め、条件面はさほど気にしていなかったDさん。その考え自体は人それぞれなので問題ではありませんが、給与が下がる場合には今の生活をどこまで現状維持できるのか、また将来的にどのくらい昇給が望めるのかなど下調べしておいた方が良かったですね。

また、自己分析のやり方はいろいろありますが、建前や上っ面ではなく、自分の本当の本心まで深く探ることが必要です。普段から自分が何を感じているのか、何が好きでどういう状況が嫌なのか考えてみたことがあるでしょうか。よく分からないという人は、まずは感覚や感情を取り戻すことから初めてみてはいかがでしょうか。

ただし、中途採用は即戦力を求められるため、職種の転換は年齢を重ねるごとに難しくなっていきます。
未経験でのポテンシャル採用、つまり「実務経験はないが意欲が高く今後の成長に期待できる」という理由で採用されるのは、やはり20代のうちが選択肢が広いのが実状です。仕事のどこにやりがいを感じるのか、どういう状況だと自分の持っている能力を存分に発揮できるのかを分析することは重要になってきます。

最後に

具体例を通して、転職を考える際に重要なことのイメージがついたでしょうか。あなたが理想とする働き方ややりたい仕事を実現するためにも、まずは自分の仕事に関する価値観を正確に把握するということがとても大切です。

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