2017年2月13日 更新

実践企業に聞いた、長時間労働を減らす効果のあった取組みとは?

1位は「PC強制シャットダウン」

145 view

今、長時間労働削減のために様々な対策をとる会社が増えてきています。実際に効果がある取組みはどのようなものなのでしょうか? 

「イクボス」企業へのアンケート結果

父親の仕事と育児両立を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンは2016年12月12日、「長時間労働削減施策緊急アンケート」の結果を公表しました。長時間労働を削減するために取り組んだ結果、効果があると選択されたものをランキングしています。

回答はファザーリング・ジャパンが「イクボス企業同盟参画企業」として認定している116社のうち89社。

この「イクボス企業同盟参画企業」とは部下等のワークライフバランスを考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司「イクボス」を増やそうという取組みに賛同する大企業によるものです。

イクボスプロジェクト (8217)

長時間労働削減のポイントは「強制力」

このような企業が実際に長時間労働是正のために行って効果が高かった施策を 効果率として算出した結果、高い順に以下のような結果になりました。

ロックされたノートパソコンのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや (8228)

1.PC強制シャットダウン

(効果あり4社 取組社数4社 効果率100%)

2.ノー残業デー(一律 :例>全社毎週水曜日)

(効果あり27社 取組社数49社 効果率55%)

3.強制消灯(その後、点灯不可)

(効果あり2社 取組社数4社 効果率50%)

4.PCログ管理(タイムカードとPCログオフ時間かい離の把握)

(効果あり17社 取組社数35社 効果率49%)

5.管理者による見回り&残業者への声掛け

(効果あり10社 取組社数21社 効果率48%)

ここまで無理に仕事をとりあげられちゃうの? というのが素直な感想ですが、個人的な取組みでは実現することが難しい長時間労働の是正、全員が同じ働き方をせざるをえない「強制力」が鍵となっているようです。

2番目のノー残業デーについては、夫の帰りが毎日コンスタントに少し早いよりも、この日は家族揃って食事がとれるという日が平日一日でもあると、妻・母としては嬉しいかぎりですね。 効果については、「強制的な退社による、業務のしわ寄せや後ろ倒し等も懸念されたが、結果として、全体的な時間外勤務時間の削減につながった。」という声も挙がっているようです。

会社によってユニークな取組みも

アンケートの選択肢にはない、その他の施策については様々な独自の取り組みが挙がりました。中にはこんなユニークなものも。

マイクを持っているお爺さんのイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや (8227)

ノー残業デーに生の社内放送を日替わりで実施(役員、本部長、部長)。
話す内容もその日の放送担当者が実施。
お金を見つめてニヤけている男性のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや (8230)

5日連続営業日を有給取得(振休含む)取得した場合に報奨金を出している。

仕事を休んで報奨金とはびっくりですね。強制的な施策を行った場合、根本的な業務量の問題が置き去りになっていれば夜10時に一斉消灯しても朝5時から電気が点いてしまう…という本末転倒な結果に陥る場合や、もっと働きたい社員の反発を買う懸念もありますが、ユニークな取組みで全体の興味をひくというのは、何故このような取組が必要なのかを考える第一歩としては大きな効果がありそうです。

ファザーリング・ジャパン代表理事の安藤哲也さんは、「子どもが父親に懐かないのは能力の問題ではなく、働き過ぎで母親よりも育児に関われる時間が取れないことが問題なのです。」と指摘しています。長時間労働を強いる会社と、子育てに参加して欲しいと願う妻との板挟みに合って苦しんでいる子育て世代の父親たち。そういった現状を改善するためにも「この結果が、まだ長時間労働が常態化し、育児から父親を遠ざけている企業の働き方改革に寄与することを願っています。」とコメントしています。

今回の結果を見ても個人や1社での取り組みには限界があることが明らかで、社会全体での取り組みにつながることに高い期待がよせられます。

アンケートについての詳細はこちら:イクボス企業同盟参画企業における長時間労働削減施策緊急アンケート結果概要。長時間労働削減には、「強制力」、「トップメッセージ」、「全員参画」がカギ

15 件

この記事を読んだ人におすすめ

ユニリーバ「WAA」で変わった社員の働き方、その成功のカギとは?

ユニリーバ「WAA」で変わった社員の働き方、その成功のカギとは?

2016年11月25日に開催された長時間労働撲滅を掲げた「緊急フォーラム」が開催されました。そこで紹介されたユニリーバにおける働き方改革の話をお伝えします。
やつづか えり | 627 view
働き方改革が本格的に進んでいく2017年、ワーキングマザーを取り巻く環境はどう変わる?

働き方改革が本格的に進んでいく2017年、ワーキングマザーを取り巻く環境はどう変わる?

「自分の人生を自分で選ぶ。人生をゆたかにする。」という理念のもと、女性活躍推進のコンサルティングを行う株式会社bouquet 取締役の髙橋玲衣です。新年を迎えるにあたり、「同一労働同一賃金」と「残業削減」の動きがワーキングマザーに与える影響について考えてみます。
髙橋 玲衣 | 590 view
働く女性は必読!「育児・介護休業法」の改正内容

働く女性は必読!「育児・介護休業法」の改正内容

2017年1月、育休や時短勤務に関わる法律が改正されました
あん☆な | 46 view

この記事のキーワード

この記事のライター

西谷 じゅり 西谷 じゅり