2016年12月8日 更新

「フリーランスの事務のお姉さん」森智野さんに聞く、幸せに稼げる働き方

「フリーランスの事務のお姉さん」という独自の肩書で活動している森智野さんに、フリーで事務をやることがおすすめな理由や、良いお客さんを得て、楽しく仕事をするためのコツなどをインタビューしました。

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「フリーランスの事務のお姉さん」というキャッチーなネーミングは、思わずどんなことをされているのか聞かずにはいられない。この世にフリーの仕事は沢山あれど、事務をフリーでやるというのはとても新鮮です。派遣やパートでも事務職の募集はある中、なぜ森さんは敢えてフリーランスという形を取ったのか。働き方に込められた思いや、フリーランスならではのメリットや注意点などを聞いてみました。

ひとりで7〜8社の事務を請け負う「フリーランスの事務のお姉さん」とは?

- 森さんの名刺には「フリーランスの事務のお姉さん」とありますが、これはご自分で考えた肩書ですか?

森: はい。元々は、自分自身を表す言葉として名刺に入れたのが最初です。今後は私だけではなく、ジャンル、職種として「フリーランスの事務のお姉さん」という言葉に意味を持たせたくて、在り方、生き方という部分も含めて同じようなスタイルでやっていく人を増やすため、養成講座を開催しています。

- 「フリーランスの事務のお姉さん」として、森さんはどんな毎日を過ごしているのでしょう?

森: オフィスは自宅にある仕事部屋で、基本的にはそこでパソコン作業をしています。少し前までは土日関係なく仕事をしていましたが、最近は平日の6時までと決めて、やりたいことに時間を使うようにしています。

- 企業から請け負っているのは、どんなお仕事が多いのですか?

森: 色んな会社の仕事をしているのでメールのアカウントも3つほどあります。経理が多いですが、問い合わせ窓口対応や議事録作成、資料集めなど、各社で内容や範囲が異なります。

転職を繰り返した20代を経て天職にたどり着いた

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- 今の仕事を始める前は会社員だったということですが、なぜフリーランスで事務の仕事を始めたのでしょう?

森: 「自分の人生を自分で創る」ということがやりたかったんです。25歳までは転職を繰り返していたんですよ。そのうちに、会社にいるとうまくいかないことをつい人のせいにしてしまう、だから何度転職しても不満は解消されないんだと気づきました。それで、すべて自分の責任でやるフリーランスとして仕事をしようと決めたんです。

でも、当時はこれがやりたいという大きな夢がなかったんです。その頃たまたま別の会社から事務職の社員に、と誘われたんです。でも、雇われない生き方をしようと思っていたので、その会社とは業務委託という形で契約しました。やりたいことで収入を得ることに捉われる必要はないと考えました。

- それからどのようにして、お客さんを増やしていったのですか?

森: 最初の3ヶ月くらいは中小企業の交流会や一般のビジネス交流会などに参加しました。そこで知りあった方と契約し、その方がまた他の方を紹介してくださったりして増えていきました。

- ブログには、会社員時代に営業担当として苦労され、“「1億積まれても絶対に営業はやらない」と固く心に誓っている”と書かれていましたが……。

森: そうなんです。以前は求人広告の新規開拓営業をしていたのですが、それがどうも合わなくて。私にとっての営業って、そういうイメージなんですよ。

でも今やっているのは営業という意識はなくて、自分のことを話せばいいだけなので、とても楽です。名刺交換をすれば、そこに書かれている肩書きを見て「どういうことをされているんですか?」と、必ずと言っていいほど聞かれるので、自己紹介をする。それで仕事が決まっていきます。

- 今、すごく充実されているように見えます。どんな点が楽しいと感じますか?

森: 仕事のしかたを自分で考えてやっていけるのが、すごく楽しいです。例えば収入を増やしたかったら、新しいメニューを作るとか、今やっている仕事の効率を上げる方法を考えればいいんです。これが社員や派遣として働いている場合、工夫して仕事を早く終わらせても、ただ次の仕事が入るだけなんですよね。お給料はそのままで(笑)。

今の仕事の仕方なら、やっているうちに得意で効率のいい仕事に出会えますし、お客様である経営者の方から色んなことも教えていただけます。

仕事に見合った稼ぎを得るポイントは、自分を大事にしてくれるお客さんと仕事をすること

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- フリーランスになるとお客さんに請求する金額の設定に悩まれる人も多いと思うのですが。

森: 今は月額固定にしている場合と、業務量の変動が大きいお客様の場合は基本料+作業時間料のところがあります。会社員のときは定額で働き放題だったので、最初は自分のやったことにどう値段をつけるのか、分かりませんでした。

まずは、毎日8時間、月に20日働く想定で、欲しい月収から時間料金を割り出しました。あとは競合調査をして金額の参考にしました。ネットで検索すると、同じような仕事を他の会社ではいくらで請け負っているか大体わかります。

- クラウドソーシングでも事務の仕事はありますが、すごく安いものが多い気がします。

森: そうですね。そういうところと比べられることもあります。安いことだけを求めているのであればご要望にお応えできないので取引はしません。自分がお客様を選ぶことも大事です。あとはお客様と最初に対面で顔を合わせ、信頼関係を作ることが正当な報酬につながります。

- なぜ森さんは良いお客さんが獲得できるのでしょう?

森: ブログにも書いていますが、私は精神的に弱いし、事務の仕事が大好きというわけでもない。「そんな私でOK」と言ってくれる人だけをお客さんにしようと最初から決めています。「そんな私」に頼んでくださる方がいるのは、自分で考えて自分の人生を創っていくことを楽しんでいることを見せていて、それをいいと思ってくれる人がいるからだと思います。

無理に増やそうとは思っていないので、ゆっくり時間をかけて良いお客さんに出会ってきました。皆さん本当に良い方ばかりで、しっかり信頼関係を築けているから、新たなお客さんの紹介にもつながっています。

- 森さんのことを理解してくれる顧客を得るために、ご自身のことがたくさん書かれたユニークなWebサイトは役に立っていそうですね。

森: 私の仕事に興味を持ってくださる方に毎回言葉で説明するのも長くなってしまうので、説明書のようなサイトがあると便利だなと思ったんです。雑誌のようなデザインにしたくて、デザイナーさんにイメージを伝え、作ってもらいました。

森さんのWebサイト

森さんのWebサイト

事務をやるなら正社員や派遣社員よりもフリーランスがおすすめ

- フリーランスで事務をやる利点はなんですか?

森: 事務をやるなら正社員や派遣社員でなくフリーランスがいいと思っています。事務の仕事は、いきなり起業するとか店を持つとかのリスクもないので、怖く感じることもなくすぐできますよね。会社に行かなくていい、上司もいない、好きなときに休憩できる、電話を取ることもないので仕事に集中できる、自分のタイミングで休めるなど、メリットは沢山あります。先ほど話したように、収入を自分で決めていけるのもいいですよね。

- フリーランスで事務系のお仕事をするときに必要な心構えを教えてください。

森: メモをちゃんと取ることや、スケジュール管理をするなど基本的なことも大事ですよ。 というのも、すべての人が当てはまるかは分かりませんが、私は会社にいたころ、自分は人より事務ができると思っていたんです。それがフリーランスになってみたら、以前はできたことができなくなっていることに気がつきました。後でやろうと思っていたことを忘れてしまったり、説明を聞いた段階では分かっているつもりだったのが、いざ作業に入ると分からなかったり、間違えてしまったり……。

会社に行かずにひとりで仕事をしていると、案外できないんだなと。そう認識してから、「自分はできない」という前提で、自分のためにマニュアルを作るようになりました。

- 「病気になったらどうしよう」というのも、代わりがいないフリーランスの悩みですよね。

森: マニュアルを作っているので、もし何かあってもそれをお客様に渡せば、私が何をやっているかは分かってくださるようにしています。それで許していただけるという、お客様との信頼関係も大事です。そもそも、契約書にできないことは書かないようにしています。そのために、契約書は自分で作るんです。

気になることをとことん探求し、アウトプットすることをライフワークに

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- 今後やりたいことはなんですか?

森: 来年中には「養成講座」をメインにし、事務以外の仕事もやっていきたいですね。あとはフィクションの物語を書きたいと思っています。子どもの頃から、「物事の本質」や「本当の自分」を探求すること、探求して分かったことをアウトプットするのが好きなんです。それによって誰かが楽になったり、新しい道への気づきがあったりしたら嬉しいですよね。

かつて、自分がやりたいことがわからなかったのは、本当にやりたいことはこの世の中にある既存の職業ではかったからかもしれません。やりたいことは「私を極める」。つまり自分の本心を考えて突き詰めた上で選択をして生きるということなんです。実はもう既にやっていたんだなと思います。

インタビューを終えて

森さんの自由な発想と自立心、そして「本質を知りたい」という探究心が、この新しい働き方を生み出したんですね。既存の職種や働き方の中に自分を収めるのではなく、ないなら自分で作る。それは世のリーダーたちが切り開いてきた道であり、森さんも自分なりのやり方で新しい道を一歩ずつ固め歩いています。「フリーランスの事務のお姉さん」のようなスタイルを知れば、もっと自由に自立した働き方ができる女性が増えていくでしょう。職業が先にあるのではない。自分の本質が先にあって、それに働き方を合わせていくのがこれからの私たち女性の自由で楽しい、新しい働き方なのだと感じました。森さんにはこれからも制限なく自由に活動していっていただきたいです。

森 智野(tomonole代表)

森 智野(tomonole代表)

専門学校を卒業後、教員アシスタントとしてそのまま就職。以降、求人広告営業、営業アシスタント(派遣)、受付、経理など経験。
29歳でフリーランスの事務のお姉さんとして独立。
5名以下の法人をメインに、総務、秘書、営業アシスタント、資料作成、経理、イベント受付など多種多様な依頼を受け、1年半で取引社数は20社を超える。
事務がフリーランスという形態に最適であることを広め、“フリーランスの事務のお姉さん”として自由に自分らしく生きる女性を増やしていくことを目的に、フリーランスの事務のお姉さん養成講座を始める。

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サリー 富多 サリー 富多