2017年9月9日 更新

失敗談を語り合って一歩前に進もう!「女性の失敗会議」レポート

活躍する女性たちが失敗し、学んだこととは?

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7月8日、「FCon 2017: 女性の失敗会議」が開催されました(主催:インクルージョン・ジャパン株式会社・Lean In Tokyo)。FConとは、Female (女性)Failure (失敗) Conference (会議)のこと。今活躍して輝いて見える人も、その裏には数々の失敗を乗り越えた経験があるはずです。その失敗経験をシェアすることで、女性たちが失敗を恐れずに自分の夢や目標に向かって一歩踏み出すきっかけになれば、という目的で5名の女性が失敗について語り、会場の参加者達同士の対話も行われました。

 

 

今の時代に働く女性に伝えたい、失敗から学んだこと

第一部では、次の5名の方々が「今の時代に働く女性に伝えたい、 失敗から学んだこと」をテーマにそれぞれの経験をシェアしてくださいました。

・野中瑛里子さん 会社員(新規事業開発担当)
・唐澤圭さん 住友商事株式会社 人事部人材開発チーム 課長代理
・田中美和さん 株式会社Waris 共同代表
・草野百合子さん 経済産業省 大臣官房政策審議室 室長補佐
・篠田真貴子さん 株式会社ほぼ日CFO

民間企業の会社員、役員、省庁の職員、経営者……。立場も年代も異なる5名の失敗談には、私たちの経験と共通している部分もあるはず。彼女らはそれをどう乗り越え、糧にしてきたのでしょうか?

 

自分の決定軸を他人に依存してはいけない――野中さん

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現在、ある企業の中で金融系の新規事業を手がけている野中瑛里子さんは、「自分の決定軸を、“他人から評価されるもの”で選んできたこと」が大きな失敗だったと語りました。

幼い頃から、「女の子は良い企業に一般職で勤め、結婚して子どもを産む幸せな人生を送って」という周囲の期待を無意識の内に感じていたという野中さん。最初の後悔は高校在学中の進路選択でした。理系科目が好きだったにも関わらず、当時就職先がなかったことから文系に転向。大学は経済学部に進みました。就職先は金融関係を選びましたが、ここで2度目の後悔をします。それは、総合職か一般職で悩んだときに、一般職を選んでしまったこと。この選択が、結果的にキャリアを狭めてしまったと振り返ります。

現在は転職し、いきいきと働いていることから、「あのとき“自分がやりたいこと”に忠実に選択すればよかった」とお話しされました。

 

自分自身の努力を認めてあげることで、コンプレックスを克服する――唐澤さん

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住友商事株式会社 人事部人材開発チームの唐澤圭さんは、仕事をする上で長い間コンプレックスを抱えていました。それは、留学経験と海外勤務経験がないことです。

社内を見渡すと、留学経験者や帰国子女が多く、それに当てはまらずとも海外勤務経験はある人ばかり。入社当初は、一生懸命働けば海外勤務になるかもと期待していましたが、そもそもそういう考え自体が間違っていたと気付いたそうです。

「もし海外勤務をしたいのであれば、会社の文化や風土を踏まえた上で自分自身をアピールすべきでした。それが失敗でしたね」と当時を振り返りました。さらに遡ると、大学のうちに留学経験しておけばよかった、社会人になってからも留学にチャレンジすればよかった……と後悔が続きます。

唐澤さんはこのコンプレックスを解消するために、グロービス経営大学院でMBA経営学修士講座を英語で受けたり、社外の人事部の方が集まる勉強会を企画・開催したりしたそうです。

この経験を踏まえ、「他人に比べてどうとか、他人にどう評価されるかではなく、自分自身が自分の生き方に納得しているかが大切だと思います。誰でも自分の行動次第でいきいきと輝くことができるのです。」とアドバイスされました。

 

客観視すること・多様な価値観に触れること・シェアすることが大切――田中さん

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「20代、30代は、自己肯定感の低さと格闘してきました」と語るのは、株式会社Waris 共同代表 田中美和さん。

卒業後、出版社に編集記者として入社し、数多くの女性経営者や管理職、専門家の方々を取材する日々は、やりがいがありました。でも、「この仕事に向いていないんじゃないか」と常に不安を抱えていたそうです。起業した後も、「向いていないんじゃないか?」と思い、さらに結婚・出産をしていないことに対しても「出産しないと一人前とは言えないのではないか?」となかなか自己肯定できなかったと言います。しかし、40歳を目前にようやく認めてもいいのかなと思えたそうで、そのポイントを3つシェアしてくださいました。

「1つは自分を客観視して捉える経験です。そうすることで自己肯定感の低さに気がつき、そこで初めて『このような思考回路はやめよう』と思うことができました。
2つ目は多様な価値観に触れる経験です。多種多様な友人関係の輪が広がり、その中で『結婚していることや子どもがいることがイコール幸せなのではなく、どんな環境においても自分がどう在るか大切なんじゃないか』と友人に言われて、本当にその通りだなと気付かされました。
そして3つ目は不安や葛藤を周囲とシェアする経験です。私はずっと、『不安や葛藤を共有したら、否定されるんじゃないか……』と思い、友人にも話さずにいました。けれど、ストレスが最高潮で体にも影響が出たことを機に、友人たちとそれを共有するようになったんです。話すことで共感を呼び、それがきっかけで自分のことを認めてもいいのかな、と思えるようになりました」

 

失敗を恐れずに取り組むことで、学びが得られる――草野さん

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経済産業省 大臣官房政策審議室 室長補佐の草野百合子さんは、「こういう場で共有できるような、すごい失敗をした経験ってないな……ということ自体が失敗」と話されました。その背景には、「失敗経験を通して具体的な反省が自分の中に蓄積されるので、もっと自分がやりたいことをやって失敗すればよかった。失敗していないイコール成功しているということではありません。失敗していないという状況が続いているのであれば、何か自分の中で恐れているものがあると思うことで一歩進むことができると思います」という振り返りがあります。

そもそも失敗していない状況がなぜ起こっていたかについては、他人の目を気にして「公募案件の企画書を提出する」「会議で発言をする」「大きな声で挨拶をする」といった小さい挑戦を避けていたからだと分析。最後に「今心がけていることは小さい日々の失敗を恐れないようにすること。学びを得るために、失敗をきちんとしようと思っています」と締めくくりました。

 

今でも失敗について学び続けている――篠田さん

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「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営する株式会社ほぼ日のCFO 篠田真貴子さんは、30歳のときアメリカのビジネススクールに通う傍らマッキンゼーで2か月間インターンをされ、その後、入社しました。しかし、34歳のときに退職勧告。青天の霹靂であったその出来事は、あまりにショックで、恥ずかしく、誰にも言えなかったと当時を振り返りました。公の場で話せるようになったきっかけは45歳のとき、元マッキンゼーの採用マネージャーであった伊賀泰代さんにキャリアインタビューを受けたことでした。

「自分の辞めた事情を知っている伊賀さんがインタビュー相手だったので、当時の話を包み隠さずすることができたんです。それが自分の失敗と初めて向き合った瞬間でもありました」

篠田さんはこの経験のあとも、さらに失敗について学び続ける中で気付いたことが3つあるとおっしゃいました。

「1つは失敗からは本当は学ぶことはできない、成功からしか学べないということ。失敗経験だけでは、なぜ失敗したかが分かりません。成功経験と失敗経験を照らし合わせて初めて失敗要因が分かるからです。
2つ目は、後悔と失敗は違うということ。失敗は客観視しないと語れないし、さらに失敗だと言えるようになるためには年月がかかる場合があります。
最後、3つ目は失敗をした状況において、『周囲の人から見た自分はどうだったのかな?』と分かるようになる過程が大事だということです。他者から見た自分、という視点を獲得することが大事だと言えます」

 

勇気を持って失敗談をシェアすることが、新たな一歩に

ライトニングトークの後は、参加者同士が失敗について語り合いました。4〜5名の少人数でグループを作り、笑える失敗談や泣ける失敗談をシェア。最初は戸惑いつつも、和気あいあいとした雰囲気に次第に心を開いて体験談を語り始める姿が印象的でした。参加者からは「なかなか失敗について話す機会がなかったので新鮮」、「毎日仕事で辛い気持ちになっていたけど、ここに来て話すことで心が軽くなった」、「他の人がどのように失敗を糧にし、乗り越えてきたのかを知ることができてよかった」といった声が。

失敗談を共有すると、そこから得た学びも同時にシェアできます。普段なかなか耳にしたり、話し合ったりしない失敗談だからこそ、勇気を持ってシェアすることが新たな一歩を踏み出すきっかけとなるのだなと感じました。

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