2017年6月15日 更新

あなたの会社が「ワーキングマザーの戦力化」につまずいていたら

制度を変えるのが難しくても、あなたにできることとは

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最近、「ワーキングマザーの戦力化」というテーマで企業の人事部門やダイバーシティ推進担当の方に、お話をする機会が続きました。

今回は、そのような場でどのような話をしているのか、そして、私は何を悟ったのかを、当事者の皆さんとシェアしてみたいと思います。

 

 

ワーキングマザーだから、とひとくくりにされていませんか?

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結論から入りますが、私が企業に対して伝えているメッセージはいつも、「ワーキングマザーをひとくくりにしないで」です。

ワーキングマザーの中にも、ダイバーシティはありますよ。色々ですよ。当たり前でしょう? それを、「我が社のワーキングマザーはこんな感じ」とひとくくりにして施策を打ったりしてしまうものだから、戦力に対しても戦力外通告してしまったり、そこまで行かずとも違和感を感じさせて、気持ちを萎えさせてしまうのですよ! と、お伝えしています。

 

「そんな当たり前のことを言ってるの?」と、思いますか?

でも現実は、そこでつまずいた結果、女性活躍推進もワーキングマザーの戦力化もなかなか前に進められていない企業が、結構多いのです。

ワーキングマザーになる前までは、本人のキャリア志向や適性を考えての配置や役割分担、仕事のアサインをしていたはずなのに、「うちの会社のワーキングマザーは、みんなこんな感じ」と、十把一からげに捉えて制度や仕組みを整える、人員配置や役割分担を考える といった動き、みなさんの会社にはありませんか?

この仕事は時短勤務者には無理だろうと、決めてかかって、仕事を取り上げてしまうようなマネジメント、ありませんか?

時短勤務でもチャレンジさせてみたら、昔ながらの仕事の進め方、やり方を進化させるキッカケになったかもしれないのに。

 

「R職の壁」ができてしまう理由

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例えば、「R職の壁」もそれによって説明できます。

R職とは、HR(人事)、MR(マーケティング・リサーチ)、CSR、PR、IRなど、アルファベットのRがつく職種。本社勤務である程度業務時間のコントロールができる場合が多いことから、これらの職種に子育て中の女性比率が高くなること、このR職が“マミートラック”化している傾向があることから、「R職の壁」と呼ばれます。

※マミートラック:仕事と育児の両立は実現できても、昇進出世と縁遠いキャリアコースのこと。

 

「きっと子育てしながら現場仕事はしたくないだろう。」「大変だし、できないだろう。」という前提を勝手に、一律に敷いてしまっての配置や、役割分担の象徴的な現象でしょう。

 

もちろんその逆のケースもあります。「子育てしながらもバリバリ仕事を続けてもっと上を目指していきたいはず」「いずれは女性管理職となるはずの人材だから」という前提を敷いての、過度な期待や要望、負荷――。

先日お会いした理系の研究職女性は、育休中に唐突に連絡があり「復帰後すぐの昇格テストを受けろ。そのための準備をしておけ」と言い渡され、気持ちが随分萎えたという話をしていました。

 

会社の制度を変えるのは難しくても、できることとは

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会社の制度や仕組みというものは、どうしても最大公約数向け、もしくは企業として設定する戦略的な対象者向け(「こういうワーキングマザーが望ましい」 という像に対しての設計)のものになります。それは、費用対効果を合理的に考えればある程度仕方のないことです。そして、それらは一度作ってしまうと変えるのはなかなか大変なものなので、制度や仕組みの変更を求めて会社に働きかけましょうとは、私もこの場で皆さんに対して安易に言えないなぁ……、というのが本音です。

一方、キャリアデザイン、仕事内容や役割分担は、現場のマネジメントの範疇です。マネジャーが裁量を持ちます。よって、「うちの上司や職場は、私の活用方法がわかってない!」と思ったら、きちんと伝えることが大事です。こちらは、働きかけ次第で変わり得ます。

 

ワーキングマザー本人たちも、地道に、前向きに(←これがすごく大事です。権利主張型のコミュニケーションになっては逆効果ですから。)、自分のキャリア志向 — どんな仕事が好きで、今後どんな仕事に就きたいのか、どんな役割を担いたいと考えているのか — を、伝えていく努力が必要です。

伝えなければ、分かってもらえることもない。待っていてもダメなのです。

 

人手不足の今、会社だって皆さんがより活躍してくれるのは嬉しいことなんです。ただ、その方法が分かっていないことが多い……。女性の権利を主張するようなコミュニケーションにはならないように、上手く、前向きに、「私たちのうまい戦力化の仕方は、こうよ!」と、伝えて行きましょう。

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