2017年3月2日 更新

4倍速仕事術のきっかけは「小1の壁」〜清水久三子さんに聞くワーママが幸せになる方法〜

倒れている場合じゃないワーキングマザーだからこそ、自分をケアする時間を!

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「仕事を速く済ませないと、これから先が立ち行かない」――、外資系コンサルティング会社から独立し、研修講師や執筆の仕事を始めたのと同時期に子どもが小学校に入学、「小1の壁」に直面した清水久三子さんは、仕事や生活の仕方を見直さざるを得なくなったそうです。効率アップの方法を追求し、会社員時代の4倍の生産性を実現した清水さんは、そのノウハウをまとめた『1時間の仕事を15分で終わらせる -最速で稼ぐ外資系コンサルの時間術』を出版されました。

仕事のスピードを上げると聞くと、猛烈に働く姿をイメージしがちですが、清水さんは習い事をする時間やご家族と過ごす時間もたっぷり取り、充実した日々を過ごしているそう。今、ワークライフバランスやキャリアの方向性に悩んでいるワーキングマザーのために、アドバイスをいただきました。

清水久三子(Organaize Consulting株...

清水久三子(Organaize Consulting株式会社代表取締役/人材育成コンサルタント)

大手アパレル企業を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社後、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして、多くの新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。大規模・長期間の変革を得意とし、高い評価を得た。
「人が変わらなければ変革は成し遂げられない」との思いから、専門領域を徐々に人材育成分野に移し、人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。
2005年に当時の社長から「強いプロフェッショナルを育ててほしい」と命を受け、コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担い、ベストプラクティスとして多くのメディアにも取り上げられ、プロを育てるプロとして知られている。
講師としては、大前研一ビジネス・ブレークスルー、ベネッセ著者大学、世界最大動画教育プラットフォームUdemyなどで看板コースを多数持つ他、大手銀行系の研修提供会社3社で講師をつとめ、高い集客と満足度を得ている。
http://www.organize-consulting.com

 

小1の壁の高さが4倍速への挑戦を促した

- 清水さんは今、小学校3年生のお嬢さんがいらっしゃるそうですが、ご著書には、いわゆる「小1の壁」に直面したことが「4倍速仕事術」に挑戦するきっかけとなったとありました。具体的には、どんな「壁」だったのでしょう?

まずひとつ目は、生活リズムの変化です。学童に入れたとしても、保育園のように延長をお願いすることはできません。空いてしまう時間を習い事で繋ぐという人も多いのですが、まだ小さい子の場合は習い事にも送迎が必要ですから、やっぱり時間的な問題が大きいです。

2つ目は、親としてやることが増えました。毎朝のお弁当作りがありますし、学校への関与がすごく求められるんです。うちは私立に行かせたので余計にそうなのかもしれませんが、PTA活動の他、クラスごとに注意事項や行事の予定などが知らされる懇談会というのに、ほぼ毎月行かなくてはならないんです。学校行事も運動会やらバザーやら、事前の準備段階から参加を求められる。この頻度の高さに、「これはまずい!」と思いました。

3つ目は、子どもとの関わり方が変わってくるということです。小さいときは、ギューっと抱きしめてあげたり、絵本を読んだり、お休みの日にどこかに連れていけば満足してくれるようなところがありましたが、小学校に入ると子どももガラッと環境が変わって不安定になりがちですし、お友達関係や勉強のことなど、精神面にちゃんと寄り添う必要が出てきます。そういうときに、お母さんも仕事でいっぱいいっぱいでイライラしていたりすると、あんまりうまくいかないだろうな、と思ったんです。

- 「小1の壁」を乗り越えられなくて仕事を辞めたり減らしたりするという話もよく聞きます。清水さんは、仕事量は減らさなかったということなんですね?

子どもが小学生になった年は4冊くらい本を書かせていただいたので、減ってないですね。その頃は独立したてで、ある人から「仕事は断らないほうがいい」とアドバイスをいただいたんです。それで全部引き受けていたら、結果としてそうなったという感じですが。

- 今は、どのくらいの時間を仕事に費やしていますか?

自宅で仕事をする日は、午前中2時間、午後3時間くらいですね。研修の仕事が週2日くらい入っていて、その場合は10時から5時まで講師をして、帰宅したらもう仕事はしません。研修は日帰りや泊りがけの出張になることもあり、そういうときは新幹線の中で仕事をしています。

 

生産性アップのカギは、スケジュール管理にあり

- 仕事のスピードを上げる必要に気づいてから、具体的にはどのようにやり方を変えていったのでしょうか?

「今何をしようか」とその都度考えている余裕はない、アイドルタイムをなくさないとまずい、という状況だったので、まずはスケジュールとToDo管理の方法を変えました。それまでは、Google カレンダーに仕事のスケジュールだけ入れていたのですが、それ以外の学校関係のToDoがどんどん増えていったんです。例えば「明日までに◯◯を提出」とか、「いついつにサランラップの芯を持っていく」とか……。そういう細かいことも含め、 仕事もプライベートも一緒に考えないといけないんだな、と気付きました。今は「仕事」、「家族」、「自分」、「交流」という4つの分類でそれぞれToDoを洗い出した上で、それをさらに細かいタスクに分け、どこで実行するか、スケジュールに落とし込むようにしています。

- 計画を立てることは重要だと分かっていても、忙しすぎてその時間を取ることもままならないという人もいると思うんです。

プランニングの時間自体も、あらかじめスケジュールの中に入れてしまうことですね。おすすめは、日曜の朝です。土曜日は疲れているかもしれないので、元気のある日曜日に1週間分のスケジュールや献立も決め、必要な買い物もしてしまえば、今週も乗り切れるぞ、という気持ちになれますよ。私はそのタイミングで、「火、水は出張なので、その時はがんばって乗り切ってね」とか、家族にも伝達します。子どもは、あまり先の予定は覚えていられないですが、急に「明日からいない」と言われたりするのも嫌だと思うので、1週間くらいの単位で伝えるのが良いのかな、と思っています。

 

習い事の待ち時間も無駄にしない

- 週に2回は研修の講師をされていて、それ以外の日に執筆や事務的なこと、打ち合わせなんかもされているんですよね。並外れた集中力をお持ちなのでしょうか?

娘を習い事に連れて行って、その待ち時間にカフェで原稿を書いたりします。その時はすごく集中しますね。

- カフェで仕事をしようとしても、お茶を飲んでちょっと一息ついたらあっという間に時間が経っていたなんてこともあります……。

準備が重要なんですよ。カフェに行って、白紙の状態から考え始めたらあっという間に1時間くらい経ってしまいます。原稿を書くためには、材料を集める、内容について考える、書く、という行程があるので、それを分けて考えるといいですね。新幹線に2〜3時間乗っているなら、ある程度考える作業をしてもいいですし、習い事の待ち時間なら正味40分くらいなので、必要なネタは全部用意しておいて、書く作業を一気に進めます。 「この40分で原稿1本終わらせよう!」といった挑戦をするようになって、以前より速く書けるようになるという効果もありました。

 

ワーキングマザーに必要なのは自分をメンテナンスする時間

- 清水さんの本には、様々な生産性アップのコツが紹介されています。特にワーキングマザーにおすすめのポイントは何でしょうか?

一番重要なのは、倒れないようにするということですね。そのために、心と身体をメンテナンスする時間をあらかじめスケジュールに入れることを、ぜひして欲しいです。私は鍼治療をしているんですけど、行ったら必ず、次回の予約を取って帰るようにしています。悪くなってから行こうとしても、いい時間に予約がとれなかったり、そうこうしているうちにますます疲れが溜まって1回じゃ効果が出なかったり、悪循環になってしまいますから。

- 心のメンテナンスの方は、どのようなことをされていますか?

私はひとりで本を読むというのが結構好きなんです。だから落ち着けるカフェに来て本を読んだりしますね。あとは習い事をするとか、東京ドームの「スパ ラクーア」なんかもおすすめです。半休を取って平日の昼間に行ったりするのもいいと思いますよ。

- 半休を取ってでも、ですか?

そうです。別に「マッサージに行くので」なんて言う必要はないので、「子どもの事情で」でもなんでもいいですから、時間を作ったほうがいいですよ。

 

仕事も家事もおしゃれも、プロの技を学んで効率アップ

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- 他に、ワーキングマザーにおすすめの技はありますか?

もうひとつは、 プロに学ぶことですね。例えば、家事をする時間がないから家事代行を頼むというのもひとつの方法ですが、私はプロの方に来てもらって家事のやり方を教えてもらい、掃除がすごくラクになりました。「この汚れはこうやれば簡単に落ちる」とか、「洗剤なんて、1種類あればいい」とか、そういうことを知るとすごく生産性が上がるんです。他にも、美容院で速く上手に巻き髪ができる方法を教えてもらったり、パーソナルスタイリストさんには買い物にも同行してもらって、どういうお店でどういうものを買えば合わせやすいといったことを教わりました。そうすると、朝何を着るかに迷わなくなったし、自分で買い物するのもすごくラクになったんです。以前は、探しても探しても良い服が見つからないような状態で、いかに無駄な買い物の仕方をしていたかがよく分かりました。

- なるほど。単にやってもらうのではなく、自分でできるスキルを身につければ、多少お金をかけても見返りが大きいですね!

仕事の仕方も、どんどん聞きに行けばいいと思いますよ。例えば私は、年間10冊本を書いている方に「どうやって書いているんですか? 具体的に教えてください」とお願いしました。そうすると、「テーマはこうやって考えて、材料はこうやってストックしておいて、執筆はこういう時間に……」と、とても詳細に教えてくださいました。 できる人に聞くというのは、その人のやり方が分かるだけでなく、自分のメンタルバリアをはずすという効果があります。とても無理そうだと感じていたものが、「そうやったら10冊書けるんだ!」、「子どもがいる私でも4冊はいけるかな」という風に思えるようになるのが大きかったですね。

(次ページ:避けて通れない悩みや不安と付き合う方法

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